2011年11月22日教室 冬のスキンケア、とくに注意は乾燥肌:砂漠皮膚にならないために
皮膚にとって最大の敵は「乾燥」
そもそも生物は海(水の中)で誕生しました。私たち人間も、
お母さんのおなかの中では、「羊水」と呼ばれる水の中で発生・
発育を遂げ、「おぎゃあ」のひと声とともに空気を肺に吸い込み、
乾燥した空気の中で生きることを始めます。乾燥した空気の中で
生きることができるよう、この「おぎゃあ」の瞬間から皮膚も
変容します。かたくとも潤いのある角質の形成、汗・皮脂の分泌
などです。しかしながら、年齢とともにこの能力は減弱し、
乾燥肌が顕著となり、皮膚のかゆみ・湿疹などのトラブルを起こ
したり、皮膚の老化を早めます。あるいは過度の清潔志向から、
若者の間でも乾燥肌による皮膚のトラブルが頻発するようになって
きました。とくにアトピーの悪化です。健康教室では、乾燥肌
予防について、実際の保湿剤の使い方も交えながら、みんなで
考えたいと思います。

乾燥肌のトラブル
①皮脂欠乏症(乾皮症)
皮膚の表面の皮脂膜、天然保湿成分が減少し、皮膚バリアが不完全と
なり、皮膚の水分量が減少し、乾燥肌となります。中高年者のすね、
腰、肩などによくみられます。女性は40代、男性は50代から
始まります。
②皮脂欠乏性湿疹(乾燥性皮膚炎)
乾燥肌が続くとかゆみが生じ、夜間など引っ掻くようになります。
とくに空気が乾燥し始める秋から冬に症状が悪化します。
特徴は、皮膚の表面が砂漠のようにひび割れます。引っかき傷からは、
ジクジクとしたリンパ液がもれ出し、貨幣状湿疹と呼ばれる状態と
なります。
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③アトピー性皮膚炎の悪化
アトピーは最近では皮膚バリア疾患とも呼ばれ、体質的に乾燥を起こし
やすい肌質を持っているため、秋から冬、春にかけてかゆみが悪化します。
④乾癬の悪化
乾癬の患者さんの多くは、冬に乾癬が悪くなることを経験しています。
夏に比べ日光浴ができないことも大きな要因ですが、乾燥による皮膚
バリアの破損がケブネル現象を起こしやすくさせていると考えられます。
すねの乾癬が頑固なのも、乾燥しやすい場所だからです。
また冬に多いのど風邪も乾癬の悪化につながります。

日常生活で気を付けること
①湿度を保つ。理想的には60%。
②ごしごし洗わない。ナイロンタオル、垢すりタオルは絶対だめ。
③石鹸を使い過ぎない。ボディーソープの方が乾燥肌を起こしやすい。
 冬の期間は1週間に1、2回の石鹸洗いで十分!タオルではなく
 手のひらで。
④バランスの良い栄養を。天然保湿成分はタンパク質。
⑤十分で快適な睡眠を。
⑥下着は綿が最適。汗をつなぎとめてくれます。
⑦暖房器具の使い方に注意。温風を直接当てない、ストーブに近づき
 過ぎない、暖房、電気毛布は寝る前にはスイッチを切る、など

おもな保湿剤とその薬理作用
①水分吸着保湿作用
 ヒルドイド、ビーソフテンなど
②水分吸着保湿作用+角質融解作用
 尿素製剤(ウレパール、パスタロン、ケラチナミンなど)
③表皮の新陳代謝改善
 ビタミン含有軟膏(ザーネ、ユベラなど)
④被膜形成により水分の蒸発を防ぐ作用
 ワセリンなど古典的外用剤
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by kobayashi-skin-c | 2011-11-23 19:06 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
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