2017年3月教室 『25周年を迎えた乾癬の会』、『乾癬の新薬、オテズラ』
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(1993年、第1回乾癬の会豊富温泉湯治ツアー、晴天の下、豊富温泉スキー場で日光浴)

今年、「乾癬の会」が25周年を迎えます。乾癬の会では、以下の要項で25周年記念学習懇談会、記念祝賀会を開催いたします。みなさま、ふるってご参加下さい。

【25周年記念学習懇談会】
 日 時 2017年5月13日(土)15:00-17:00
 場 所 北農健保会館  3階 大会議室
  札幌市中央区北4条西7丁目1-4 011-261-6270
 講 演
 1.『25年を振り返って』乾癬の会会長 稲葉 匡彦               
 2.『乾癬とは・・・・・』乾癬の会相談医 小林 仁

 参加費無料、どなたでも参加できます    


【記念祝賀会】  
 日 時 同日18:00-19:30
   学習懇談会終了後皆様で移動します 
 場 所 ホテル ポールスター 
  札幌市中央区北4条西6丁目 011-241-9111
 会 費 3,000円(当日受付可)


全国にさきがけて北海道で誕生した乾癬患者友の会「乾癬の会」に、その誕生の時から今まで、会員のみなさまと一緒に活動できたことを、私は大変ありがたく、また誇りに思っております。会員のみなさまから多くのことを教わり、とくに豊富温泉ではみなさまと一緒に湯船に浸かり、またお酒を酌み交わしながら乾癬に触れ、乾癬を語ったことは、私の一生の宝です。

私が奉職していた北海道大学病院皮膚科には、乾癬の方たちが多く通っておられました。また入院される方たちも相当数おられました。乾癬とは何か、大学病院ではとかく基礎研究に目が向けられがちでしたが、「乾癬とは何か?」、患者さんが抱えておられる悩み、辛さは何なのか。それを知り、乾癬の患者さんを治療することができると考え、当時の皮膚科教授大河原先生の肝いりで北海道大学病院に乾癬外来を開設し、同時に患者さんへのアンケート調査を行いました。

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アンケート結果のほんの一部ですが、乾癬の患者さんがどんなに日常生活の中で、社会生活の中で、身体的のみならず精神的にも辛い思いをされているかということを、私たちは知ることができました。このアンケートを実施し、解析した安田先生の功績は大変大きいものでした。

アンケート項目の中にあった「もう少し一般社会に『乾癬』について理解してもらえばこれらの問題はかなり解決すると思いますか?」の設問に対し、約半数の方は「はい」47.9%(男50.2%、女44.0%)と答えられておりました。大河原教授がアメリカ留学時代に知見を得られていた米国乾癬患者協会(National Psoriasis Foundation)をモデルとして、日本においても乾癬患者友の会の設立意義を大きく感じました。

なんといっても、「豊富温泉」の存在意義は大きいものでした。ツアーを体験しながら会員相互の絆が大変強まりました。第1回湯治ツアーのことは、今でも鮮明に覚えています。
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この豊富温泉湯治ツアーも今年が25回目。記念となるような催しが企画されています(平成29年10月7-9日)。楽しみにして、みなさま、ご参加下さい。

そして「乾癬の会」の大きな功績の一つが、全国に向けて患者会の声をあげたことです。今では全国21ヶ所に患者会が設立されるまでになりました。
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現会長の稲葉さんをはじめとする歴代の役員のみなさま、そして会員のみなさまのたゆまぬ努力に、心から敬意を表します。これからも多くの乾癬患者さんを支える会として活動を続けていただけるよう、心からよろしくお願い申し上げます。


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乾癬の内服治療薬として「オテズラ(一般名:アプレミラスト)」が3月1日発売されました。生物学的製剤(注射薬)の登場が、乾癬治療の現場に大きな変革をもたらしました。「オテズラ」は生物学的製剤と同じように、免疫反応に作用します。「オテズラ」は内服薬という便利さ、そして安全性が注目されます。以下に、会社資料を使って、オテズラを紹介いたします。
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細胞内情報伝達物質(second messenger)であるcAMPが乾癬皮膚で低下していることは、1970年代に明らかにされていました。当時乾癬の原因は、皮膚表皮の細胞分裂亢進と考えられており、cAMP低下がその大きな要因と考えれていました。40年以上を経たいま、免疫細胞のcAMP低下をPDE4(フォスフォジエステラーゼ4)を抑えることで、免疫調整することで乾癬を改善できるという画期的治療薬が開発されたわけです。科学の進歩は素晴らしい、と実感します。乾癬のcAMP原因説を最初に唱えた米国のVoohees教授は先年亡くなられました。このことを知ったなら、どんなにかお悦びになったことでしょう。

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乾癬の改善効果は、生物学的製剤に比べるとやや(だいぶ?)見劣りがします。先月の健康教室で取り上げたトルツでは、
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痒みの改善効果が期待されます。
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関節炎にも効果を発揮します。
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副作用について、開発試験データでは重症の出来事は無かったようです。下痢などの消化管症状が多いため、治療開始の際には少量の内服量からだんだん慣れていく必要があります(スターターパックの使用)。
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生物学的製剤(注射剤)の登場で大きく変わった乾癬治療。さらに「オテズラ」が加わり、乾癬治療の選択幅が広がりました。ドラえもん先生の四次元ポケットはますます大きく膨らんできました。乾癬で悩まれる多くの方に役立つことができるよう、より効果的で安全な使用方法を考えていきたいと思っています。
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【25周年記念学習懇談会】にご参加下さい。
 日 時 2017年5月13日(土)15:00-17:00
 場 所 北農健保会館  3階 大会議室
   札幌市中央区北4条西7丁目1-4 011-261-6270
 講 演
 1.『25年を振り返って』乾癬の会会長 稲葉 匡彦               
 2.『乾癬とは・・・・・』乾癬の会相談医 小林 仁

 参加費無料、どなたでも参加できます。

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by kobayashi-skin-c | 2017-04-13 16:02 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
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