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2012年8月 再び日本アルプスへ、『槍ケ岳』
昨夏、憧れの穂高を登り、その向こうに見える槍ヶ岳に目は釘付けとなった。天を衝く鋭い岩峰を眺め、『来年は、槍だ』と心に決めた。
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2011年8月15日、奥穂高・北穂高岳縦走路から


2012年8月11日(土)昼過ぎ、午前の診療を終え新千歳空港から信州松本空港へ、そしてJRで穂高駅へ、そしてタクシーに乗って燕(つばくろ)岳登山口の中房温泉へ。もう薄暮のころ、やっと辿り着いた。日本秘湯100選の関脇格にもランクされる素晴らしい温泉もそこそこに、山の「早寝・早起き」を鉄則として、夢の中へ。
翌8月12日早朝、温泉をあとに登山口へと向かった。
空は青空。天気予報をみごとに裏切ってくれた。
c0219616_18495210.jpgしかし、合戦尾根の厳しい登りの途中からは雲が広がり、合戦小屋で美味しいスイカを食べた後からは、霧の中へと入っていった。

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ところが厳しい尾根歩きから、常念山脈の稜線上に辿りついたとたん、眼前には日本アルプスの山々が広がっていた。あの槍ヶ岳も、そして穂高の峰々も、きれいにみることができた。

c0219616_18555666.jpg燕岳は美しい花崗岩の山。オブジェのような岩が連なり、サラサラとした白い砂地にはコマクサが群落をつくっていた。





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c0219616_19101280.jpg燕岳から大天井岳を経て、西岳、そして東鎌尾根をつめて槍の頂上にいたる縦走路は「表銀座」と呼ばれる人気のコース。このコースを選んだ理由は「燕山荘(えんざんそう)」の存在。90年の歴史を誇る山小屋は、日本アルプス随一、いや日本一と聞いていた。なるほど、磨き抜かれた木の廊下、古い登山道具が飾られた集会室、食堂のテーブルも重々しい。それに、食堂横のテラスではジョッキの生ビール、そして甘いチーズケーキも売られていた。大勢の登山客で賑わっていたが、その中でも子供が多いのに驚かされた。みんなあの合戦尾根の急坂を登ってきたのだ。すごい!
夕食が終ると山小屋の社長さんが山の美しさと、ありがたさ、ライチョウのけなげさについて語ってくれた。「山に登ることは前向きな人でしかできません、そして山に登るともっと元気になれるのです、山から元気をもらうのです」と教えてくれた。そして話の後には大きな大きなアルプホルンの音色を聞かせてくれた。食後には、夕日と槍ヶ岳を望むことができ、幸せいっぱいな時を過ごすことができた。

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夕陽に照らされた燕岳



c0219616_1934945.jpgさて、翌朝は?夜トイレに起き出したとき空には天の川が見えていたのだけれど、
8月13日朝、あたり一面乳白色の霧の中。雨もぼそぼそ。意を決して燕山荘を出立したものの、ただただ歩くだけ。眼鏡が曇るので、岩場が不自由である。

大天井ヒュッテに着くころ、土砂降りとなったため、ヒュッテで長逗留を決め込んだ。次々と雨宿りの縦走者が入ってきて小さなヒュッテのスペースは一杯になってしまった。私達はトコロテンが押し出されるように再び雨の中へ。午前中のうちに西岳ヒュッテ到着。ヒュッテの主人いわく「ほんとうに泊まるの?まだ時間は早いよ、たいていの人は槍沢のほうへ下山したよ」。天気予報も悪いらしい。西岳ヒュッテの3畳スペースは、熊本から来た父子と一緒だった。高校2年生の息子さんは、初めての縦走体験で、かなり参っていたようである。

8月14日朝、今日も雨が降り続いている。おまけに風も強い。それでもみんな黙々と山の装備を身につけ、次々と出発していった。今日の行程は、東鎌尾根をつめて槍ヶ岳山荘まで。ガイドブックでは、3時間40分の距離。私達はゆっくりと旅装を整え、ヒュッテをあとにした、また雨の中へ。西岳ヒュッテからはいきなり急な梯子場の連続となる。細い尾根伝いの道、鎖、岩よじり、ときどき北鎌尾根の黒く鋭い岩壁が魔物のように聳えているのが、霧の中に現れる。この辺りは「天空の回廊」と呼ばれているらしい。眼前には槍の穂先が迫っているはずなのだが、・・・・・・。
登山路の上に小さな生き物を見つけた。ライチョウだ。逃げようとはせず、一定の距離を保ちながら、あたかも私達を槍ヶ岳に導いてくれるように先行する。
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ライチョウに別れを告げ、ヒュッテ大槍を過ぎるころから、雨はますます強まりおまけに強風が吹き荒れるようになった。「寒い!低体温症で遭難とは、こんな状況か」とも思ったが、槍ヶ岳山荘が近いことは確信していたので、ただただ黙々と歩き続けた。

無事槍ヶ岳山荘に到着し、すぐに受付をしようとしたが、手がかじかんで字が書けない、財布の中の紙幣はずぶぬれでよれよれ。あらためて今日の悪コンディションを実感した。濡れた雨具、靴を乾燥室に干して、部屋での休息を決め込んだ。しかし外の天気も気になる。ここまで来て槍ヶ岳の山頂を踏まないことなど考えられない。ときどき窓の外の空を眺める、少し明るいぞ!
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濡れた雨具と靴をふたたび身につけ急いで頂上へと向かった。青空と白い霧が交互に頭を覆う。
c0219616_8582322.jpg岩をよじり、鎖を引っ張り、そして長い長い梯子を登りつづけ、最後の一段を踏み越えたとき、青空の下に輝く山頂の祠が目に飛び込んだ。感激の一瞬。
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悪天候であったためか、山頂には私達のほかに三人だけ。青空は次々に湧き上がる雲ですぐにかき消される。しばらくするとまた雲の間に間に青空が広がった。向こうの白い雲の上に「ブロッケン現象」が浮きあがった。不思議な光景、昔の人は「山で神に出会った」と思ったことだろう。時を忘れ、槍の山頂のひと時を、心から楽しんだ。忘れ得ぬ思い出、『槍が岳』。
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翌15日、また雨の中、槍沢を一気に下り、徳澤ロッジ宿泊。
翌16日、晴れ間が広がる!明神から上高地を散策して、新島々、空港へ。夕刻、無事札幌のわが家に帰りついた。
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by kobayashi-skin-c | 2012-08-29 18:33 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2012年7月 『大雪山、夕張岳のお花畑』
スウェーデンから帰国して間もなく、海の日の連休を利用して大雪旭岳から、白雲避難小屋に一泊して、緑岳、高原温泉にいたるコースを歩いた。まさに花を愛でる雲上の楽園であった。
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裾合平に広がるチングルマの大群落。見渡すかぎり一面に咲き誇っていた。
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ハクサンイチゲ、エゾコザクラ、キバナシャクナゲ、その向こうは雪渓。

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さらに10日後、夕張岳へと向かった。すでにユウバリソウ、ユウパリコザクラは終わっていたものの、ウサギギク、アズマギク、シラネアサツキなど多くの花々がまだまだ咲いていた。
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by kobayashi-skin-c | 2012-08-29 18:14 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2012年7月 『Mt Kebnekaise & Kungsleden (王様の散歩道))』
2012年7月1日夕刻、 第3回世界乾癬・乾癬性関節炎会議とIFPA会議が終了した。同日17:50ストックホルム中央駅発、ノルウェー北極圏の町ナルヴィーク行きの寝台列車に乗り込んだ。17時間後の翌2日午前10:30、鉄鉱石で有名なキールナ着。さらに路線バスを使ってニッカルオクタまで行き、そこから憧れのKungsleden(王様の散歩道)のトレッキング、そしてスウェーデン最高峰Mt. Kebnekaise登頂を目指した。

c0219616_14411582.jpgc0219616_14412788.jpgストックホルム中央駅の出発ホームは大きなバックパックやら、釣りの道具を抱えた大勢の人々であふれていた。今回の旅でKungsleden、Mt. Kebnekaiseを目指したもう一つの理由に、「白夜の地を訪れてみたい」との願望があった。北へ北へと向かう寝台列車の車窓は、11時を過ぎてもまだ明るく、うつらうつらとしながら、いつ窓の外を見ても空の雲にはうす明かりが差していた。ストックホルム近郊は牧場と、広葉樹の森が多くみられたが、次第に森は針葉樹ばかりとなり、そしてたくさんの湖が現れては通り過ぎて行った。惜しむらくは、列車の窓が汚いこと。曇っていたせいもあるが、車窓の景色はうすぼんやりとしていた。

c0219616_14445750.jpgc0219616_1445197.jpg白夜の大地を疾走する国際寝台列車の旅。充実感と、緊張感を味わいながら、汽車は北極圏へ。途中かわいい駅を通り過ぎる。キールナ駅にはほぼ定刻通り、翌7月2日の10:30amに到着。ここでは多くの例の大きなリュックサックを背負った人たちが降り立った。

c0219616_14504644.jpgバスの終点ニッカルオクタから、Kungsleden(王様の散歩道)を歩き始める。Kungsledenは、ノルウェー国境に近いスウェーデン・ラップランド地方にある世界でも名だたるトレッキングコース。その全長は440㌔にも及ぶ。白夜の大地には、万年雪の山々が聳え、氷河が流れ、トナカイが群れる高地、可憐な高山植物が咲き誇る草原が広がる。と言っても、歩きはじめは雲と霧と雨で視界が悪く、気勢は上がらなかった。

翌朝7月3日、雨はやみ晴れ間がのぞいていたが、風が極端に強く、この日のMt Kebnekaise登頂は諦めて、SingiまでのTrekkingを楽しむこととした。

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3泊したKebnekaise Mountain Station(7月3日夕刻に撮影)。190ベッドが備わった山小屋(感覚的にはホテル?)で、食堂(レストラン?)のほかに自炊施設も充実、そしてサウナもあったのには驚いた。宿泊したのは、10人部屋のドミトリー。鼾はうるさかったものの楽しい仲間たちであった。Kungsledenには15~20㌔ごとに規模はもっともっと小さいが山小屋があり、食料を持たなくてはならないものの、宿泊は確実に提供される。


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Singiの山小屋。Kebnekaise Mountain Stationから14㌔の所。風が強く、山小屋の中で昼食をとらせてもらった。ベッド、自炊施設の充実ぶりがお分かりか。北海道の避難小屋も、「かく、ありなん」。


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トナカイの群れを見つけた。トナカイは臆病(人間嫌い)で、望遠レンズでも撮影はなかなか難しかった。それもそう、Kebnekaise Mountain Stationの食堂では、トナカイのステーキが供されていた。


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午後からはさらに晴れ間が広がり、風も弱まってきた。万年雪の山々、可憐な花々(白い花はイワウメか、ピンクの花はチシマツガザクラ?、そして北極ヤナギ)が出迎えてくれた。


翌7月4日、快晴の朝を迎えた(といっても、白夜のなのでいつから朝と言ってよいのか、・・・・・・)。いよいよこの日はMt Kebnekaiseにチャレンジ。氷河コースを辿りたかったが、氷河コースはガイドなくしては登山禁止で、すでに予約で一杯であったため、氷河を迂回する一般登山道を選んだ。
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途中までガイドツアーの後ろをついて行ったが、ガイドから「You cannot be with us!」と言われてしまった。ピッケル、アイゼン、ハーネスは必携とのこと。残念。


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迂回コースも途中からは万年雪の上。朝早く出発したため、日陰ではまだ雪が凍っていたので、スリップ・滑落が怖かった。ストックをしっかり使いながら登り続けると、やがて眼下には氷河が広がり、見渡す限り、雪と氷にまとわれた白い峰々が果てしなく続いていた。そして真っ白な雪田の向こうにKebnekaiseの頂が現れ、登りつづけると、やがてその頂は自らの足で踏まれることとなった。感激の瞬間であった。Kebnekaise Sydtoppen(ケブネカイセ南峰)2114mに到達である。頂は細い雪稜上にあり、両側はすっぱりと氷河へと落ち込んでいた。


この日も、可憐な花々に魅了された。北海道の高山植物とそっくりなのには驚かされた。北海道では、大雪山などの峰々の上にのみ生き延びた花々が、ここ北極圏では当たり前のように、いたるところでその命を広げていた。
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Kungsleden、Mt Kebnekaiseは、今までに経験したことのない景観であり、初めての北極圏の雰囲気に感動した。景観とともにスウェーデンの人達の暖かさも素晴らしかった。マウンテン・ステーションの同室の人達も楽しく、夕食の自炊室では一緒にビールを飲んだ。道ですれ違う時は「へ-イ!」。それがスウェーデン式あいさつ。みんなとてつもなく大きなリュックを背負っていたが、息を切らさず大きな声で「へーイ!」。たくさんの元気をもらった。
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下山したキールナの町で。白夜の夕陽に照らされて、
赤い教会と、青い空と、白い雲が、目に染みついた。「また来たい」、そんな余韻が残ったスウェーデン・ラップランドの旅だった。
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by kobayashi-skin-c | 2012-08-29 14:49 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2012年8月28日教室 『水虫、とびひの注意』、『夏山の涼』
夏に多い皮膚の感染症。その代表的なものが『水虫』、『とびひ』ですが、じつは夏の真っ盛りよりも、夏の終わりから秋にかけて流行・悪化します。その症状とはどんなものか、治療はどうするか、日常生活の中でどんな注意が必要か、健康教室では皆さまと一緒に勉強しました。異例の厚さが続く札幌ですが、この夏に訪れた山々の写真、思い出がphoto & essayに綴られています。『夏山の涼』はそちらでお楽しみください。

皮膚の感染症には、

•ウイルス感染症
イボ、ミズイボ、ヘルペス、みずぼうそう
はしか、風疹、リンゴ病、………
•細菌感染症
とびひ、吹き出物、毛包炎、蜂窩織炎、梅毒、結核、・・・・
•真菌感染症
水虫、たむし、インキン、カンジダ、………
•動物・寄生虫感染症
頭虱、毛虱、ノミ、疥癬、………
など様々なものが含まれます。症状もいろいろです。

私達の体はつねに、これらの感染症から守られるよう、免疫力を発揮しています。皮膚では、「皮膚そのものが免疫組織」と言って過言ではなく、皮膚(表皮)細胞自身が、抗生物質様の物質を作って皮膚を守っています(自然免疫作用、β-デフェンシンなど)。そして皮膚には抗原提示細胞、リンパ球、組織球などの免疫特殊部隊が常駐し、がっちりと皮膚・体内を守っています。しかし、夏から秋にかけて、夏バテ気味の体では免疫力が低下して、感染症が起こりやすくなっているのです。

代表的で、注意が必要な皮膚の感染症を知っておいて下さい。

細菌感染症1.伝染性膿痂疹

 c0219616_12311315.jpg・「とびひ」と呼ばれています。
  「火」が飛ぶようにうつっていくからです。
 ・黄色ブドウ球菌感染症です。黄色ブドウ球菌は
  もともと皮膚の常在菌ですが、免疫力の低下と
  ともに、とくに皮膚の弱ったところ(湿疹、むしく
  われ。けがの場所など)で繁殖し病気をおこし
  ます。



c0219616_12334851.jpg ・治療は、抗生物質内服と保清(シャワーなどで良く洗う)。
 ・大人ではきわめてまれです。子供同士で移って
  しまうので、学校・幼稚園・保育園を休む必要は
  ありませんが、直接の接触、とくにプールは避け
  るべきです。
 ・黄色ブドウ球菌の10-20%に耐性菌が存在しま
  す(MRSA)。治りづらい時、再発しやすい時は、
  耐性菌の検査が必要です。
 ・黄色ブドウ球菌の毒素で重症化するとSSSSと
  呼ばれる、全身が真っ赤に痛くなり、発熱、倦怠感が生じる状態になります。

皮膚の細菌感染症2.毛包炎、癤(せつ)、癕(よう)
 c0219616_12413313.jpg・吹き出物、できものと呼ばれています。
 ・毛穴の黄色ブドウ球菌感染です。毛穴の浅いところでは「毛包炎」、深いところまで化膿すると「癤(せつ)、癕(よう)」を起こします。
 ・抗生物質内服が必須です。




皮膚の細菌感染症3. マラセチア毛包炎
c0219616_1246223.jpg ・「夏にきび」と呼ばれます。
 ・毛穴のマラセチア(真菌の一種)感染が
  原因です。
 ・汗かきの人、ステロイド外用を広範囲に
  している人(アトピー性皮膚炎患者さん
  など)で起こりやすく、ほぼ夏に限られます。

c0219616_12481172.jpg ・保清(シャワーで汗を流す)、抗真菌剤
  または抗菌剤外用。治りにくい場合は
  抗生物質(ミノマイシンなど)内服。





皮膚の細菌感染症4. 蜂窩織炎
c0219616_12585135.jpg ・蜂巣炎ともいいます。ほとんどは黄色ブドウ球菌が原因で、傷、湿疹、水虫の部から細菌が皮膚の深いところに侵入し、皮下脂肪組織、リンパ管を伝って広い範囲に拡大します。発赤と腫れが主な症状で、痛み・発熱・寒気を伴います。
溶血性連鎖球菌が原因となることもありますが、扁桃腺炎などのど風邪の菌が血液を伝わって、皮膚に蜂窩織炎(丹毒)を起こすこともあります。その他の細菌で感染することもあります。
 ・肥満者、糖尿病患者に多い。
 ・強力な抗生物質内服と安静が必要です。高熱など重症の場合、あるいは肥満・糖尿病を持つ人の場合は入院して抗生剤の点滴を行う必要があります。


皮膚の細菌感染症5. 壊死性筋膜炎
c0219616_1365388.jpg ・肥満者、糖尿病患者、免疫低下患者に生じる皮膚、皮下組織、筋肉の広範囲な壊死を起こす重篤な疾患です。致死率が高く、「人食いバクテリア」と一時話題になったことがあります。
 ・黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌・その他さまざまな細菌感染が原因となります。嫌気性菌が原因の場合「ガス壊疽」と呼ばれ、病変部をレントゲン撮影すると、特有の空気像がみられます。
 ・早期発見、入院治療が必須であり、壊死部分はを早期に切除する必要があります。



皮膚の真菌感染症1. 白癬菌(糸状菌)症
•頭部白癬(しらくも)
•体部白癬(たむし)
•股部白癬(インキン)
•足白癬(水虫)
•爪白癬
•深部白癬

足白癬(水虫)
・水虫には、趾間型、汗疱・小水疱型、角化型、爪白癬があります。
・角化型、爪白癬は白癬菌が移ってから長年を経て生じます。
・趾間型、汗疱・小水疱型はかゆみを伴いますが、
 角化型、爪白癬では通常かゆみはなく、放っておかれることが
 しばしばです。しかし、本人はなんでもなくても、家族や周りの
 人々に移してしまうので困りものです。
・日本人では、だいたい5人に一人が水虫を持っていると言われて
 います。お風呂上がりのバスマット、トイレなどの共用スリッパ
 おもに移ります。
・水虫の白癬菌が皮膚にくっついても24時間以内であれば、まだ
 感染は生じておらず、洗うことで白癬菌は消失します。温泉や
 プールに入った後は、家に帰ってからでも足を洗うと予防になるで
 しょう。
・治療は、抗真菌剤の外用です。完治します。爪白癬、頭白癬、
 また水虫でも角化型(かかと水虫9では、抗真菌剤の内服が必要
 です。

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趾間型白癬            汗疱・小水疱型白癬


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角化型白癬           爪白癬


皮膚の真菌感染症2. 皮膚(粘膜)カンジダ症
・カンジダ菌の感染症ですが、カンジダ菌は口の中、外陰部では常在菌の
 一つです。局所・全身の免疫力の低下とともに繁殖し、皮膚、粘膜に
 病変を生じます。逆に皮膚カンジダ症を見つけたときには、糖尿病など
 の免疫力の低下がないか検査を行います。
・治療は、抗真菌剤の外用、うがい、内服が原則です。

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乳児寄生菌性紅斑     カンジダ性指間びらん症

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口腔内カンジダ症(鵞口瘡)








皮膚の真菌感染症3. 癜 風
c0219616_13552065.jpg・「黒なまず」とも呼ばれます。
・皮膚の常在菌の一つ、「マラセチア」が増殖して病変を
 生じたものです。
・10~20歳代の若い世代、とくに汗をよくかく人に生じ
 ます。
・夏が過ぎると自然にも治りますが、翌年の夏にはまた
 再発します。
・保清と抗真菌剤の外用で治ります。


      この夏、頑張りすぎた人は要注意!

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      北海道マラソン2012 優勝者 川内優輝選手(埼玉県庁)
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by kobayashi-skin-c | 2012-08-29 13:00 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)