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2016年7月 『日本の一、二、三』 July 2016 "Mt Fuji, Mt Kita-Dake, Mt Aino-Dake"
骨折からまだ3週間も経っていなかったが、マッターホルン登頂に向けた高所訓練のため、以前から計画していた北岳、間ノ岳、富士山へ行くこととした。骨折の3日後、先輩の松田整形外科記念病院院長の菅原先生に、鎖骨、中手骨の金属固定手術を受けており、その菅原先生から意外にも「マッターホルンへ行ってもいいよ、富士山も大丈夫だよ」との言葉があったからだ。事故の直後は完全に諦めていたのだが、我ながら「人間の体ってすごいもんだな」と、再びやる気が出てきた。日本最高峰はもちろん富士山(3776m)、そして第2位が北岳(3193m)、第4位であった間ノ岳が最近の国土地理院の表記法変更によって、奥穂高岳と同じ第3位(3189m)。同時に『日本の一、二、三』の登山。3000mの山小屋に3連泊の訓練である。

7月16日(土)の午前の診療を終えて、新千歳から羽田へ、羽田からはバスで甲府へ。甲府駅前のホテルに宿泊し、翌17日(日)8:00amのバスで北岳登山口の広河原へと向かった。
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あいにくの空模様で、出発してすぐに雨が降り始めた。雨と霧の中、視界ゼロとなり、稜線に出てからときおり登山道を外れてしまったが、「北岳肩ノ小屋」になんとか無事到着。「海の日」連休のため小屋は満員であった。おまけに全員がずぶ濡れ。小屋の中は不快極まりなかった。「訓練、訓練」と言い聞かせ、怪我の痛みに耐えながら、せんべい布団に横たわっていた。「北岳肩ノ小屋」の食事は「南アルプスの飯はまずい」の謂れに反して「大変美味しかった」。ご飯のお代わりも存分に食べることができた。
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翌朝(7月18日海の日)、山の神様は微笑んでくれた。
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ゆっくりと朝食を取り、青空の下まずは北岳山頂へ、そして間ノ岳への稜線散歩。途中おにぎりを食べながら、富士山、南アルプスの山々、遠く八ヶ岳連峰、中央アルプス、北アルプスの眺望を楽しんだ。

北岳山頂にて。
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稜線の向こうに間ノ岳、振り返ると北岳の雄々しい姿。
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間ノ岳山頂にて。
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再び稜線を引き返し肩ノ小屋に帰ると、素敵なショーが待ち受けていた。
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ブロッケン現象のショーは日が仙丈ヶ岳に沈むまで続いた。
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翌19日(火)も晴天。早朝、北岳バットレスを見上げながら下山。
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登山口の広河原から芦安温泉までバスで行き、温泉に浸かった。しばし休憩の後、ふたたび甲府駅へ出て、名物『ほうとう』の昼食。さらにバスに乗り、河口湖駅で乗換えをして、富士山五合目登山口に到着。今日の宿の八合目「東洋館」へ向かった。「雰囲気がまるで北岳とは違うね、まるでテーマパークね」とは衣子の言。言い当てて妙。
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列を成す登山者、かっこうもまちまち、外国の人たちが多い。富士山の山小屋は昔と大違い。トイレは水洗、便座に温熱ヒーター、食事も美味しく、ご飯のお代わり自由。おまけに寝るスペースは昔の倍の広さ。快適であった。

ぐっすりと眠ることができた翌20日(水)、雲海から昇るご来光を拝むことができた。これぞ富士山。思わず『万歳!』を叫ぶ。
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富士山剣ヶ峰山頂にて。
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これで『日本の一、二、三』を登った。天候にも恵まれ、良い訓練となったし、怪我の回復も順調のようであった。

下山後に宿泊した河口湖畔『うぶや』にて、富士山の登頂と結婚記念日であることを告げたところ、こんなサプライズが用意された。また思い出が一つ増えた。そう言えば去年の結婚記念日はモンブラン山頂であった。
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7月27日、日本を出発し、モンブラン、マッターホルンへと向かう。
# by kobayashi-skin-c | 2016-08-25 15:58 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2016年6月 『アイタッ!』 June 2016 "Ouch!"
6月26日、第7回富良野アースライドが開催された。昨年は日本臨床皮膚科医会総会と重なったため出場できなかった。今年はマッターホルン登山に備えて体力作りが順調で、アースライドにもその練習の一環として、また体力試しに出場した。しかし、富良野はあいにくの雨。前夜から、衣子、息子からは「やめなさい」と言われていたのだが、「注意してサクッと走ってくる」と言い残して、4:00amにロードバイクを車に積み込んで出発した。
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雨も風も強く、けっして快適な走行ではなかったが、ペダルをこぐ脚はすこぶる快調であった。富良野から麓郷に続く長い登り坂も、先頭集団の中に残ることができた。そのうちに「注意して走る」の言葉も忘れて、一生懸命にペダルをこぎつづけた。そして魔のときが来た。上富良野に向かう長い下り坂、快調なままにスピードを上げていたとき、ちょっとしたはずみで転倒。70㌔のスピードが出ていたのでひどい転び方をした。左半身を頭から足まで強打して、しばらく意識も朦朧となった。

結果、
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左鎖骨、左第5中手骨の完全骨折、左3,4肋骨の亀裂骨折を負ってしまった。赤岩の第6肋骨を含めると、なんと5本の骨折を、マッターホルンを前に背負ってしまった。「アイタッ!」
# by kobayashi-skin-c | 2016-08-25 15:36 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2016年6月 『美しい花には棘がある』 June 2016 "Thorns of Roses"
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石狩灯台。石狩川河口にある。「喜びも悲しみも幾年月」の一舞台にもなった。サイクリング道が札幌から続き、札幌近郊で私の好きな場所の一つでもある。
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灯台の周囲は砂丘となり、砂丘特有の植物が群生している。ひときわ鮮やに咲いているのが、この季節の「ハマナス(浜茄子)」。「ハマナス」バラ科の花(Rosa rugosa)。野生で咲くハマナスは濃い紅紫で、強い芳香を放つ。「北海道の花」に指定されており、皇太子妃殿下、雅子様のお印でもある。


札幌の街中、大通公園の西端にバラ園があり、各国の名花が咲き誇っている。
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あまりに綺麗なので、近付きすぎて写真を撮っていると、棘がひざを刺した。「美しい花には棘がある(No rose is without a thorn)」。


美しい岩壁「赤岩」にも棘があった。
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先週の赤岩西壁ルート登攀中、踏み出しの二歩目を踏みはずし、1メートルぐらい、下にドンと落ちた。痛みがズキッと走ったが、気にせずにその日は終わった。翌日から、寝返りや咳をすると、左胸に痛みが強くなったので、「また肋骨にひびが入ったか、まあすぐに治るだろう」と気にもしていなかった。しかし今週、またまたの赤岩通いの「2本目登攀」。途中岩に引っかかったロープを、岩にしがみつきながら、思いっ切り左手を伸ばしたり、回したりして、何とかその場を脱したが、頂上についてから左胸に息苦しいほどの痛みを覚えるようになった。この日はこれで撤退。翌日、松田整形外科の菅原先生に診察してもらったところ、「左第6肋骨亀裂骨折」の診断。レントゲン写真には、くっきりと「ひび」が入っていた。

「美しい岩壁には角がある」。無念。
# by kobayashi-skin-c | 2016-06-24 09:06 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2016年6月 『赤岩ミステリー』 June 2016 "Mystery of Red Cliff Otaru"
3日前に来たばかりというのに、晴れ間がのぞいた平日、また赤岩を訪れた。今日は、赤岩西壁ルート(手前の黒い岩壁)。
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透きとおった碧色の海を眼下に眺め、遠く石狩湾を囲む積丹、増毛の山々を見渡すこの爽快感。攀じりきった達成感、安堵感も大きい。何よりもノマド宮下さんへの信頼感が支えである。
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こんな岩登り通いを、もし、親が知ったならどんなに悲しむだろう。
それも、平日に。
(弁解がましいが、水曜日は往診日、今日は往診の依頼が無かったのです。でもよく休んでいるよな、すみません)


宮下さんと一緒に登っていると、いろんな話しも楽しい。
ここ赤岩には岩壁ゆえの悲劇があり、そして信仰の山でもあることから神秘的な逸話もたくさんある、らしい。西壁を攀じり、懸垂下降でスタート地点に戻ったら、何というミステリー。今日の西壁には私達3人と、もう2人のみしか入っていなかったのに、デポしていたリュックが別の場所に移動し、リュックにしっかりと収めてあった品々があたりに散らばっていた。財布までもがリュックの外に転がっていた。
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岩壁を彷徨う亡霊の仕業か?天狗か?
すると傍で、カラスが「かーーーーっ」と啼いた。まさか、カラスがリュックのチャックを開けるか?宮下さん曰く、「赤岩のカラスは、足でリュックを押さえ嘴でチャックを開くことができる」のだそうだ。宮下さんは以前に靴をくわえ取られたとのこと。ところで、財布の中身やいかに?まさかカラス君、抜き取ったお札をくわえてコンビニに買い物へ、・・・・・・・。まさかね・・・・・・・・・・、ヒトの言葉も喋っていたりして、・・・・・・・謎が深まる。
# by kobayashi-skin-c | 2016-06-15 17:37 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2016年6月 『小樽赤岩、岩を攀じる山女』 June 2016 "Otaru Red Cliff, Lady Climber"
小樽赤岩通いが続く。晴天の日曜日、多くのクライマーが訪れていた。
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積丹ブルーの海が広がり、断崖にはユリの花が咲いていた。
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こんな美しいユリの花も。
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そんなユリの花が、
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2回も落ちてぶら下がったのに、このユリの花はめげなかった。
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行く手に、3級・4級がミックスする岩壁を、アイゼン装着の靴で攀じる女性が先行していた。
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彼女も、今夏マッターホルンを目指しているとのこと。まだまだ上をいくLady Climberがいるもんだ。それにしても、こんな勇ましいユリの花、花。けっして山ガールとは呼ぶまい。『山女』(ヤマメとは読まないで。その名は"ヤ マ オ ン ナ")
# by kobayashi-skin-c | 2016-06-12 15:33 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)