2018年8月教室 『アルプスの盟主 マッターホルン挑戦』
2016年に登頂できなかった憧れの山「マッターホルン」に再度挑戦。2回目の挑戦をするからには、より難易度の高いイタリア側からのルート(リオン稜)をとることとした。8月1日未明に日本を出発し、アルプスに向かいました。

詳細と数々の写真はブログ「PHOTO & ESSAY」に三部作で掲載されていますので、ご覧ください。

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# by kobayashi-skin-c | 2018-08-30 17:50 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
2018年6月教室 『乾癬の新治療薬:生物学的製剤と外用剤』
今月から乾癬の治療に、新しい二つの薬が加わりました。一つは、7番目となる生物学的製剤トレムフィア(グセルクマブ)、もう一つが活性型ビタミンD3とステロイドの配合薬ドボベットゲルです。

ドラえもんの四次元ポケットも、はちきれんばかりですね。
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今日の健康教室で紹介するのは、赤い字で書かれた二つの薬剤です。


まずはトレムフィアです。乾癬では第7番目の生物学的製剤となります。トレムフィアが標的とするのは「IL23p19」。乾癬が皮膚で発症するメインのストリーム「TipDC - Th17 Axis」を制御するサイトカインで、いままでに発売されていた2種類の抗TNFα剤(レミケード、ヒュミラ)、抗IL12/23p40(ステラーラ)、3種類の抗IL17製剤(コセンティクス、ルミセフ、トルツ)とは異なるサイトカインを標的とします。
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投与方法は、皮下注射で
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2カ月おきに注射することにより、
PASIスコアがベースラインから90%以上、100%改善した患者さんの割合(以下、PASI90PASI100)は、投与16週後でPASI9069.8%、PASI10027.0%であり、主要評価項目の一つである投与16週後のPASI90でプラセボ投与群(16週後でPASI900%)に比べて統計学的に有意に高い結果となりました。さらに投与52週後の観察においても、PASI9077.8%、PASI10047.6%で、効果の継続が確認されました。

トレムフィアの適応症は、
既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症です。


次に紹介するのは、活性型ビタミンD3とステロイドの配合薬ドボベットゲルです。すでにドボベット軟膏が発売になっていましたが、より塗りやすさを重視した、べとつかないゲル製剤です。外用剤は乾癬の皮膚局所に薬が塗られるため、効果面でも副作用面でも優れているのですが、薬を塗る面倒さ、うっとうしさが皆さんの治療意欲を減退させています。
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ドボベットゲルは、とくに治りづらかった頭部の乾癬に最適です。もちろん体の乾癬にも有効です。べとつきがいやで塗り薬をためらっていた方に朗報です。

頭の乾癬に対するドボベットゲルの効果。
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体の乾癬に対するドボベットゲルの効果。
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ますます充実してきた乾癬治療ですが、まだ多くの方たちがこれらの新しい治療薬について詳しい情報を得ておられないと思います。主治医の先生にご相談下さい。

生物学的製剤であるトレムフィアがたいへん高額であることは想像つくことと思いますが、ドボベットゲルも乾癬外用薬の中ではもっとも高価です。申し訳ございません。

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# by kobayashi-skin-c | 2018-08-30 17:45 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
2018年8月『マッターホルン最終章- 敗退 -』August 2018, "Challenge to the summit of Matterhorn"
いよいよ最終章へ。
エクラン山塊での訓練を終えて、
第8日目午前 クリストフともう一人のガイドLionel リオネルと共に、フランスのブリアンソンから、イタリアのチェルヴィニアへ 車で移動。途中ずっと雨、ときどき土砂降りとなり、稲妻が空を走る。チェルヴィニアに着いてからも雨。アブルッツォ小屋へは、4輪ジープで行くこととした。イギリス人の若者4人グループも一緒であった。この雨、山の上は雪だろうな。不安である。
 アブルッツォ小屋到着後、クリストフとリオネルから荷物のチェックを受ける。3835mにあるカレル小屋では自炊なので、三食分の食料と3リットルの水を運ばなくてはならない。重くはしたくない、しかし水・食料不足にはなりたくない。結局ザックはかなりの重量となった。

第9日目 晴天の朝を迎えた。5:00am小屋を出発。山頂が見えている。新雪をかぶっている。すぐに急登となりジグザグの道となり、やがてクライミング。衣子とクリストフ、私とリオネルがザイルでつながった。両端がすっぱり落ちたコルを通過すると、ロープが張られた岩壁が続く。カレル小屋を目前にした岩壁が、この日一番の難所だった。約20mのほぼ垂直な壁。まずクリストフが登り出しで何か舌打ちをした。岩が凍っているのだ。登り出し2mの高さにまずカムを入れた。順番から言えば衣子が次に続くが、リオネルが先に登り、岩壁の上でクリストフ、リオネルの二人で私たちを確保するようだ。衣子が先に登り始めたが、凍った岩壁に苦労する。そして私の順番、まず最初のカムを岩壁からはずさなければならないが、凍った岩壁に足場が取れず、ロープで体を引っ張り上げながら片手でカムをはずそうとするがはずれない。ここで両腕の力を使いきってしまった。おまけにロープも凍っていたので手袋では滑る、カムははずれない、力を失った腕は凍ったロープをつかむことができない。
 手間取っている間に、渋滞を作ってしまった。岩壁の下で待つ人々が激励してくれるが、苛立っている者もいるようだ。思わず上にいる衣子に向かって「もう、帰りたい!登れない!クリストフにそう伝えてくれ!」と叫び声を上げてしまった。そう叫ぶ自分を情けないと思ったが、とにかく万策尽きたと思った。しかし上からは降りようなどの声は聞こえない。少し回復した腕の力を使いながら、そして情けないことにクリストフとリオネルに引っ張られながら、何とか岩壁を乗り切ったが、精神的にやられてしまった。

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アブルッツォ小屋から見上げる早朝のマッターホルン。山頂付近は強風が吹いているようだ。新雪が見てとれる。


カレル小屋付近は10cm位の新雪に覆われていた。後続の登山者が続々と続く。彼らの中の誰かが、私が残置したカムを回収してくれた。
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最初に現れた固定ロープ。
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カレル小屋にて。晴れやかな笑顔の衣子とは対照的に私は打ちひしがれていた。
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その日の夕食と翌日の朝食を準備。日本から持ち込んだ食料に皆興味津々。
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夕食のとき、明日の行動について話し合った。クリストフから「この雪と登山者の多さからは、登頂は難しい。行けるところまで行って、山を楽しもう」と告げられた。自信を喪失していた私は「登頂できないのなら、朝一番で下山したい」と弱気。衣子は「行けるところまで行こうよ!」と強気。
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夕食を終えて外に出ると、意外にも空が晴れ渡り、Pic Tyndallのピークまで見上げることができた。ピークに登れなくても、また次に挑戦するときのために、明日もう少し経験してみるか、登ってみるか!と勇気が湧いてきた。
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第10日目登頂日。朝4:00、ヘッドランプを点してカレル小屋を出発。約2時間登るころ、登山者による渋滞が顕著となってきた。体が冷える。クリストフから「そろそろ引き返そう」の合図があった。悔しかったが「体力、技術、気力不足」と自分に言い聞かせるほかはなかった。日が昇るころ、カレル小屋に向かって下山。
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そして一気にアブルッツォ小屋まで下った。
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クリストフ、リオネル、
こんな未熟な私たちを、よくぞ4000mの高みまで引き上げてくれて、どうもありがとう。

晴れ渡り、雪も薄くなったマッターホルンの頂上を、いくぶん恨めしくみつめながら、
「また、来るぜ!」(とは、衣子の一言)


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# by kobayashi-skin-c | 2018-08-29 14:54 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2018年8月「マッターホルンプロジェクトその2、La Meije」August 2018 "La Meije"
Queyras Mountainsから下山した後、休息日をはさんでブリアンソンのクリストフの家からラ・グラーブ村へ移動。ラ・グラーブからはゴンドラに乗って、一気に3000mへ。ゴンドラ駅のすぐ先からは広大な氷河が広がっていた。

ラ・グラーブからみるLa Meije北壁
La Meijeはいくつかの鋭鋒からなる山塊であり、最高峰はGrand Pic de la Meije 3983 m。北壁と南壁が屹立するLa Meijeは他の名だたるアルプスの山々が登攀された後も唯一未踏峰であったが、1877年地元フランス人カステルノーとガイド、ガスパールが初制覇した。
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ここからはピッケル・アイゼンの世界。確実にアイゼンを効かせながら氷河をつめる。下の写真中央・上の、山の中に突きあがる氷河上のコルを越える予定であった。
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しかし氷河上部には大きなクレバス。まず一番目のクレバスをなんとか越えたが、その先にもクレバスが続き、上部コルを越えることはできなかった。それにしてもマッターホルンプロジェクトにアイスクライミングまであるとは!
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予定を変更して別のコルを越えて南斜面へ出ると、またまったく別の世界が広がっていた。美しい。
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氷河地形の急坂を下りたどり着いたのがSelle小屋。急斜面にへばりつくように建てられていた。フランス人が二人、オランダ人が三人、日本人が二人、そしてガイドが二人。和気藹々と夕食を囲んだ。
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Selle小屋からはいったんLa Meije南山麓のベラルドの村に下山し、再度La Meije南壁を目指した。美しいエタンソンの谷を黙々と登る。白い花崗岩の岩山、青い空、緑の草原と針葉樹の森。クリストフの足並みは速く、ゆっくりと景色に浸っていることはできなかった。
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途中、クリストフのガイド仲間とすれちがった。大切な山の情報交換。上部氷河で大きな落石があり、一人が負傷したらしい。クリストフが指差しているのがLa Meije南壁。

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途中の山小屋で小休止。大きな大きなオムレツをいただいた。中にはぎっしりとチーズとハムが詰まっていた。衣子が一人で食べたわけではありません。三人で仲良く分けました。
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さらにこの山小屋から登ること800m。やっとの思いで標高3092mのPromontoire小屋に辿り着いた。きつかった!行動時間11時間、28kmを歩いた。
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ところでこの素晴らしいLa Meije南壁上、どこに山小屋が建っているかおわかりかな? 写真中央やや左寄りのやや上、白い小屋がぽつんと見える。

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Promontoire小屋は、La Meije登山基地。小屋には詳しいルート写真があり、さらに詳細なポイントマップも置かれていた。我々は上を目指さない。左下に引かれた黒い線のルートを行く。
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素晴らしい雰囲気の山小屋だった。小屋の主人が、山の注意点、天気予報を皆に説明する。日本語でないのが残念。
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山小屋で誕生日。みんなでハッピバースデイの歌を合唱した。
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夕食後、暮れ行くエタンソンの谷を見下ろす。ため息がもれるほど美しい。
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夕焼けに染まるLa Meijeの鋭鋒群
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明日越えるコル。氷河上にある。
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朝4時、ヘッドランプを点して山小屋を出発。朝日が昇るころ、コルに達した。
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それにしても、凄いとこまで来たもんだ!
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コルを越えるとまた大氷河!
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登って下りて、また登って、そして最後に岩壁の下降訓練が待っていた。
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美しい La Meije、どうもありがとう。次に来るときは山頂へ。その前にマッターホルンに行かなければ。計7日間のマッターホルンプロジェクト訓練が終わった。

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# by kobayashi-skin-c | 2018-08-23 16:10 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2018年8月『マッターホルンプロジェクト始動』August 2018 "Matterhorn Poject -Part I"
2016年に登頂できなかった憧れの山「マッターホルン」に再度挑戦。2回目の挑戦をするからには、より難易度の高いイタリア側からのルート(リオン稜)をとることとした。ガイドには長年の友であり、アルプス・オートルート・スキー、モンブラン登頂を導いてくれたフランス人ガイド、クリストフ・ケルン氏に依頼した。

8月1日未明に日本を出発し、ロンドンを経由して同日夕刻にイタリア・トリノに到着。クリストフの出迎えを受けた。クリストフの根拠地はアルプス山脈の南西端、エクラン山塊に抱かれるブリアンソンの町。トリノからは車で約2時間の距離のところにある。

マッターホルン登頂に備えクリストフが準備したプランは、
第1-3日 Queyras Mountainsで岩稜、岩壁のクライミング。
第4日目を休息日とし、
第5-7日 エクラン山塊の名峰ラ・メージュ La Meije で高所順応、ピッケル・アイゼン訓練。
第8日目 ブリアンソンからマッターホルンイタリア側の登山基地チェルビニァへ車で移動、そして標高2600mのアブルッツォ小屋へ。
第9日目 アブルッツォ小屋から標高3800mのカレル小屋へ。
第10日目 マッターホルン登頂
素晴らしい計画、でもちょっと盛りだくさんなのが恐ろしい。
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第1日目、晴天の朝を向かえ、Queyras Mountains (クイラ自然公園)に向かった。サンヴェランの村で車を降りて歩くこと約2時間、小さな湖(Lac Blanche)のほとりに立つ山小屋に到着した。そして午後からは湖の向こうにそそり立つ岩山(Rocca Bianca)でクライミング訓練。クリストフのガイドでは、初めてのクライミング。英語での意思疎通が一番の目的。もちろん我々のクライミングの力量を測る目的もあるのだろう。
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岩の取付き点から見下ろす湖と山小屋。

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最初からいきなりきついクライミング。時差ぼけもいっぺんに吹き飛んだ。
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これがクリストフ!冗談をよく言うが、きっちりと確保し、きっちりと教えてくれる。


無事Rocca Biancoを上り終えてイエイッ!
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山小屋 Refuge de la Blanche は、青い湖と緑の草原に囲まれた素晴らしいところ。シャワーもあり、食事もワインもトレビアン!

夕食が終わり日が沈む頃、クリストフが訪れていた子供たちに山の物語を聞かせていた。
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第2日目は、標高2500mの山小屋から3500mの小ピーク登り、岩稜歩きと、少し難易度の高いクライミング。日が昇るころに小屋を出発。小ピークからはマッターホルンが望めるはずだったのだが、少しかすんで見えなかった。
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朝焼けのQueyras Mountainsを映し出すLac Blanche。こんな美しいところがあっていいのだろうか、と息を呑むほど。

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Queyras Mountainsは、草原と、荒々しい岩山、そして数々の氷河湖が織りなす美しいところ。草原には花が咲き乱れ、岩山にはカモシカ(シャモア)が遊んでいた。道なき草原、あやうくエーデルワイスの花を踏んづけるところ。
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背後の尖った山が La Tete des Toillies 3175m。明日山頂を目指す。かっこいいけど、尖ってんね!

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行く手の稜線が今日の訓練場所。ところどころ、ナイフリッジになっている。眺めただけで少しビビッてしまったが、登るともっと大変。岩が大変もろく、つかむ岩つかむ岩が簡単に剥がれ落ちる。結局真ん中のピークまで行って迂回路を歩くこととなった。しかしその下り道で衣子が右足を滑らせ、左ひざを強度に捻ることになり、痛みを残すこととなった。

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行く手に聳える岩塔が Le Rouchon 2929m。頂上からの懸垂下降が楽しかった。クリストフは「アップ・セーリング」と言っていた。われわれが言うロープダウンも「アップ・セーリング」だった。いろいろと用語が違う。
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第3日目も晴天の朝を迎える。
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右の黒い山が今日の目標、La Tete des Toillies 3175m。左の白い岩山は初日にクライムしたRocca Bianca。衣子は昨日痛めた左膝が腫れはじめていたので、大事をとって小屋で待機。

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間近でみる頂上岩塔。尖っている。クリストフのリードでクライミング開始!
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岩は概してツルツル、ホールドを探すのに手間取る。
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このスラブを登るとき、左足がスリップ。思わずヒヤリ!クリストフがしっかりとロープを確保。もう少し体を起こして、爪先立ちにならないようにすべきであったと反省した。
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最終ピッチはまるで空中に浮いているようで、気持ち良かった。
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クリストフが「手を振れ」と言う。
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頂上には大きな十字架が立てられていた。マッターホルンのイタリア側頂上にも十字架があるという。
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ありがとう、クリストフ!
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山小屋で衣子と合流し、麓の村サン・ヴェランに戻った。Queyrasには家族連れでハイキング、トレッキングを楽しむ人々が多くいた。小さな子供がロバに乗せられて登ってきた。楽しそう。
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サン・ヴェランの村は標高2042mにあり、ヨーロッパの村では最も高い場所にあり、「フランスの美しい村」のひとつに認定されている。

衣子の膝に不安を残したが、マッターホルンプロジェクトは楽しく、無事にスタートした。


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# by kobayashi-skin-c | 2018-08-23 07:55 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)