成人型アトピー性皮膚炎の治療として、昨年10月からネオーラル(シクロスポリン)内服治療が保険適応となり、重症症状に悩まされている方々の症状改善に大きな役割を果たしつつあります。ネオーラルは免疫抑制作用を持つ薬剤で、本来は臓器移植手術後の拒否反応を抑える目的で使われていましたが、最近ではさまざまな免疫の異常にかかわる病気にも使われるようになっています。
このネオーラルの内服の際には、副作用予防のため注意も必要です。どのようなときに、ネオーラル内服治療が役立つのか、どんな注意が必要なのか、皆さんと一緒に勉強したいと思います。
【ネオーラル治療の対象となるアトピー性皮膚炎】
・16歳以上のアトピー性皮膚炎の患者さんで
・これまでの治療で十分な効果が得られず、
・強い炎症を伴う湿疹が広範囲にある患者さんに使用されます。
【ネオーラルの服用方法、服用量】
・通常1日量を2回に分けて、朝、夕に服用します。
・服用量は患者さんの湿疹の症状、体重によって異なります。1日3mgx体重(kg)が目安です。
【ネオーラルの服用期間】
・湿疹が悪化している時期に、一時的に服用します。
・改善されればネオーラルを中止し、外用薬を中心とした治療を行います。
・長期間継続して服用するお薬ではありません。
・最長でも3ヶ月間服用したら、いったんは中止します。
(NOVARTIS発行「大人のアトピー性皮膚炎の適切なケア」川島 眞先生著から引用)