こんな情景を一度は見てみたいものだと、頭に思い描いていた。
![]() 白い雪をかぶったキリマンジャロ。 これが現実とは。夢のようだ。 2月7日深夜、札幌を飛び立ち関西空港経由でドバイへ、そしてドバイからアラビア半島の砂漠を横切り、紅海を越えてナイロビへ。ナイロビでは北海道大学医学部の後輩で、ケニアの子供たちのため、小児医療に尽力する公文和子先生に会った。「風に立つライオン」を想起する、そんな先生だ。日本人として誇りに思う。 ![]() ![]() ![]() 今回の山旅は、「道祖神」というアフリカを専門とするツアー会社にまずアプローチし、ツアープログラムの中から一番気に入った「マチャメルートで登る!キリマンジャロ登山とサファリ14日間」を選んだ。登山は6泊7日。すべてテント泊。山小屋はない。 Day 1st マチャメゲート(1750m) → マチャメ・キャンプ(3000m) まずは、マチャメゲートを出発。 ![]() ![]() ゲートでは、ブルーモンキーの熱烈歓迎を受けた。そばにいたドイツ人ファミリーに、「watch your lunch box, be careful, be careful」と注意してあげたのに、お母さんがちょっと目を離したすきに、ランチボックスごとブルーモンキーに奪われてしまった。「だから言わんこっちゃない」と我われは思ったのだが、・・・・・・ 標高1800~2800mの間が、熱帯雨林。シダ植物が混じる巨木と苔の中、整備された道をゆっくりと登った。 ![]() やがてお昼時、ゲートで渡されたランチボックスを開けたところ、 ![]() そう言えばランチの間、チーフガイドがチラリチラリと我われの様子をうかがっていた。三人で笑い転げた。「正直に言えばいいのに!」、「馬鹿にしてんな!」、「でも、これがアフリカンスタイル。無邪気で楽しいじゃない!」などと言いあったが、なんだかこのガイド怪しい。登山前に「水代を一人10ドル払え」、「ゲート・レンジャーの荷物チェックが厳しいので、大きなバック・パックを、レンジャーが見えなくなるまであなたに担いで欲しい」と言われたのだ。疑うことを知らない私たち日本人は「OK, yes」と答えてしまったのだが、この怪しさは最後まで続いた。 熱帯雨林に咲く花々。大木の木々の根元に、ひっそりと、あでやかにキリマンジャロ固有の花が咲いていた。 ![]() ![]() ![]() マチャメキャンプに着く手前から土砂降りの雨となった。6000m高地の寒さ対策はしっかり考えたつもりだったが、この乾季の時季の雨には油断していた。結局、一日も欠かすことなく、午後には雨か雪かに見舞われた。この夜の夕食にはバナナシチューが供された。味は日本人好み。薄味で、だしが効いている(化学調味料がしっかり)。 ![]() ![]() Day 2nd マチャメ・キャンプ(3000m) → シラ・キャンプ(3720m) ![]() 標高2800~3300mの間が、Heather帯と呼ばれる(エリカの木="heath"が主体)。キリマンジャロの頂がしだいに大きくなる。 ![]() シラ・キャンプ(3720m)から見た夕景。富士山に似たMt Meruの向うに夕陽が沈む。 ![]() ![]() Day 3rd シラ・キャンプ(3720m)→ラバ・タワー(4637m)→バランコ・キャンプ(3900m) ![]() 標高3300~4000mの間が、Moorland(エリカ、ロベリア、セネシオが疎らに生える)。everrusting flowerが咲いている。咲いたばかりの花はピンク色がかっているが、古い花は造花のような白く硬い花弁。「everrusting=枯れることのない」花。 ![]() Moorlandの登り坂、キャンプ地の後片付けをしたポーター達が追い越していく。 ![]() ラバ・タワー(4637m)にて。この高さまで来たので、キリマンジャロ頂上はあと1250m。高度順応は順調のようだ。随分と気が楽になった。 ![]() ラバ・タワーまではなだらかに登ってきたが、その先は一気に崖のような下り坂となっていた。午後の霧と雲が広がる中、奇怪なツリーが忽然と現れた。 ![]() Day 4th バランコ・キャンプ(3900m) → カランガ・キャンプ(4000m)、高所順応日。 バランコはもっともキリマンジャロらしいところ。頂上直下に、セネシオ、ロベリアの奇怪な森が広がり、あたかも別世界に飛び込んだような気分になる。 ![]() ![]() ![]() この日の高低差はたったの100m。高所順応のため休息日であるはずだったのだが、バランコ・キャンプの行く手には大きな絶壁が待受けていた。緊張感ある快適な岩登りであった。 ![]() 岩壁の上にはキリマンジャロ頂上がすぐ真上に迫っていた。 ![]() ![]() そのキリマンジャロ頂上を眺めながら、山歩きを楽しんだ。途中、ライオン岩を見つけた(名付けた)。ゴジラ岩かも。 ![]() ![]() 標高4000m以上は、山岳砂漠地帯。無機質な岩と砂の世界が広がる。キリマンジャロは世界最大規模の休火山。 ![]() Day 5th カランガ・キャンプ(4000m) → バラフ・キャンプ(4600m) ![]() バラフ・キャンプ(4600m) ![]() バラフ・キャンプ(4600m)では7:00pm就寝、11:00pm起床、0:00am出発 ![]() 真暗の中、そして吹雪!の中、ただ、ひたすら登り続けた。高所の息苦しさはほとんど感じないまま、なんだかあっという間に、6:00amキリマンジャロ頂上の、ウフル・ピークに立った。 ![]() 頂上に着いても雪は降りやまず、ご来光も望めなかった。残念であったが、すぐに下山を始め、薄明かりの中、キリマンジャロ氷河を眺め、「こんな大きな氷河が赤道直下にあることそのものが不思議だが、今世紀中に消えるとは信じられない!」の思いを強くした。 ![]() ![]() ![]() 1時間の休憩・後片付けの後、ムウェカに向けて出発。一気に3000mのムウェカ・キャンプまで下った。 Day 7th 7:30am ムウェカ・キャンプ(3068m) → 10:30am ムウェカ・ゲート(1600m)へ。キリマンジャロの旅は無事終了した。旅を支えてくれた仲間たちと写真に収まったのだが、どうも見たことがない三人が交じっている。 ![]() ![]() そして、真っ白なキリマンジャロが、もやもやとした気持ちをきれいに拭い去ってくれた。 ![]()
by kobayashi-skin-c
| 2015-02-26 10:18
| PHOTO & ESSAY
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