同僚のS先生から、当別(札幌の北東約20km)に美味しいうどん屋があると聞いた。「よし、行こう」。でも、食べるからには登らなくては。
札幌の町から当別の方向に見える山々、樺戸山群である。その主峰がピンネシリ。「山」とも「岳」とも言わない。それもそのはず、「ピンネシリ」がアイヌの人々の言葉で「男山」。「ピンネ」が「男」、「シリ」が「山」の意か。ちなみに「女山」は「マチネシリ」。「ピンネ」と「マチネ」か。味わい深い。
標高は1100m。けっして高山ではないが森の懐深くにあり、頂上付近は急坂で、なかなか山らしい。秋晴れの空に恵まれ、頂上からは北海道の半分は見えるのではないか、と思うぐらいの眺望に恵まれた。日本海から、石狩平野の全貌、その向こうには太平洋も広がっていた。芦別岳、夕張岳がすぐ向こうに。大雪十勝連峰の連なりが見える。増毛の山々が日本海の前に横たわっている。蝦夷富士(羊蹄山)の頂も見える。
麓の里ではもう稲刈りの真っ最中。黄金色に輝く稲穂が重そうに垂れていた。今年も豊作に違いない。
そして、うどんのお店。
S先生から、うどん屋の近くに石釜で焼くパン屋があることも聞いた。
収穫の秋、「天高く、馬肥ゆる秋」。