65歳の誕生日、新たな挑戦が始まった。今夏のマッターホルンを目指して、氷雪クライミングの訓練を『上ホロカメットク』で行った。指導はノマド宮下氏。
訓練にふさわしい天候であった。全山ガス、昨夜来の低気圧の影響下で風も強い。宿の窓越しにガスに包まれた森を写した。窓は氷に覆われ開けることができなかった。キタキツネも見つけた。
ガスの中、宮下さんに導かれて、スノーシューで登り始める。
上ホロカメットク山(かみホロカメットクやま)は、北海道上富良野町・南富良野町・新得町にまたがる標高1,920 mの山。十勝岳と富良野岳の中間にあり、夏は縦走の一環として登られることが多い。安政火口から屹立した岩山で、冬季に氷りついた爆裂火口壁が格好の氷雪クライミングルートを数多く提供する。
壁の手前で、アイゼンに履き替え、ザイルで結ばれるのだが、準備に手間取り、「この時間ではもうアウト!」と宮下さんから厳しい一言。
ガスと強風の中、頂上に立つ。途中、写真を撮る余裕は皆無。ただひたすら、アイゼンを氷雪壁に蹴り込み、ピッケルを打ち込み、そして寒さに耐えた。65歳、新たな挑戦はこれからも続く、のだろうか。
正直なところ、「非常に楽しかった」。
何も見えなかった上ホロカメットクだが、宮下さんが晴れた日の写真を提供してくれた。正面に突き上げるのが、この日登った北西稜だ。すごく、かっこいいルートであると思う。