シャモニーの町に来るのはこれで4度目。今年の4月、オートルート(山スキーの縦走)へ来たばかりであったが、今回の目的はツェルマットから登るマッターホルンであり、シャモニーから登るモンブランはあくまで高所順応の訓練のため。昨夏のモンブランは、熱波による落石事故多発のためグーテ小屋コースが閉鎖となり、三山縦走コースでモンブランに初めて登頂した。なかなかの難コースで登頂の歓びはひとしおであった。
今年、高所順応に訪れたエギーュ・デュ・ミディからふたたび昨年のコースを見上げたが、クレバスだらけのあの斜面をよくも登れたものである、とあらためて感心した。 ![]() シャモニー1日目 時差調整、高所順応にまずラック・ブラン(Lac Blanc 白い湖) へ出かけた。道々モンブラン山群全体を見渡すことができ、また山の斜面ではアルペンローゼの花がちょうど満開の時を迎え、楽しいハイキングとなった。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() シャモニー2日目 終日雨と強風のため宿で停滞。日本人アルピニスト神田氏が経営する「シャレー・ジャポニアール」は自炊設備があり、また庭にはジャグジー風呂も備えられ、だれに気兼ねすることもなく快適に休息を取った。 シャモニー3日目 予定を一日遅れとして、高所順応のためValee Blanche氷河の上をエギーュ・デュ・ミディからイタリア側のエルブロンネへと歩いた。 ![]() ![]() ![]() 途中、急斜面の小ピークに上がった。 ![]() 小ピークの上でポーズをとるガイドのオルトンヌ。モンブランへは彼が私達二人をガイドする。 ![]() イタリア側のエルブロンネからフランス側のエギーュ・デュ・ミディまでは、このゴンドラに乗って戻った。絶景の展望を望みながらの30分間の空中散歩であったが、この三連結のゴンドラは、人の乗り降りのたびに数分間隔で停止する。最高所での宙ぶらりんには、「まいった」。風が少なくて幸いだった。 ![]() ![]() ![]() シャモニー4日目 シャモニーからバスでレズーシュへ移動、ロープウェーに乗ってベルビューへ上がり、今度は登山電車に乗り換えて二・デーグルへ。ここが登山口となる(2372m)。それにしてもこんな急勾配を電車が登ってくるなんてすごい。 ![]() ![]() シャモニー5日目 1:45am起床、2:00朝食。今日もグーテ小屋泊りの予定であるため、出発競争には加わらず、ゆっくりと小屋を3:00amに出発した。外は真っ暗で凍えるような寒さであった。ヘッドランプを点し、オルトンヌ、衣子、私の順にロープで結ばれ、雪の急斜面を登り始めた。ヘッドランプで照らされるわずか1平方メートルもの視界だけを見つめながら、息を切らせながら、ただひたすらに登り続けた。周囲にはガスがかかっているようだ。グーテ小屋を出発してから約2時間、少し山の稜線が白み始めるころ、避難小屋であるヴァロー小屋に到着した。オルトンヌの判断で、ガスが晴れるまでの間、小一時間、小屋の中で待機した。ほんの小さな小屋の中に、シュラフにくるまった登山者が転がっているのにはびっくりした。 ![]() ![]() ![]() そして、頂上へ至る。晴天、気温はマイナス8℃。申し分ない。アルプスの峰々と雲がはるか下に見える。遠くには紛うことなく、マッターホルン。その隣にモンテローザ山群。 ![]() ![]() せっかくの頂上、それもこんな天気の良い日に、思いっきり写真を撮りたかったのだが、ガイドのオルトンヌは「ロープをはずしたらだめ」、「写真もだめ」と言う。客の安全のためには仕方ないのかも知れない。写真を撮れないぶん、しっかりと網膜に焼き付けたつもりではあるが、いかんせん記憶装置の劣化はどうしようもない。やはり写真が欲しいところ。頂上に名残を惜しみ、グーテ小屋へと降った。 ![]() ![]() シャモニー6日目 7:00amに朝食。7:30amには下山を開始した。落石の危険を避けるため、グランクーロワールをできるだけ朝早い時間に通ったほうが良い。 ![]() ![]() ![]() ![]() シャモニー7日目 悪天候で一日予定が遅れたため、休息日なしにツェルマットへ移動。昨夜来、雷が鳴り響き、雨が降り続く。予報では「山間部は雪、高所で40-50㌢の積雪」とのこと。
by kobayashi-skin-c
| 2016-08-25 17:11
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