今年の北海道はあっという間に秋が通り過ぎていった。
中島公園の紅葉
初雪も早く、10月20日には一度街が真っ白となった。二日前には11月上旬としては異例の大型寒波が押し寄せ、札幌市内でも20㌢を超える積雪となり、初氷もはった。クラーク博士も寒そう。
もう40年以上も前、私が北海道大学に入学した年の初冬のこと、広島からきたばかりの私に先輩が冬の注意として、「凍れる(しばれる)日に外で小用をたすときは、トンカチ(金槌)を持っておくのを忘れないように。出る端から小便が凍るのでトンカチで割りながらしなくてはならない」と教えてくれた。「なるほど」。またもう一つ冬の知恵としてこんなことも教えてくれた。「初冬のころ、鴨が簡単に獲れるぞ。凍ったばかりの池に行くと動けなくなった鴨がいるので、鉄砲はいらない。鎌を持っていって脚を刈ればいいんだ」と。
初氷のはった大野池。「いたいた、凍った池にじっと動かぬ鴨が数羽」。
「しまった。鎌を持ってくるのを忘れた、残念!」
でも、よく見ていると鴨は薄氷を割りながら、歩いたり、泳いだり。どうやら氷に閉じ込められてはいないようだ。
その後、先輩の忠告は笑い話であることを身をもって実証したが、凍った鴨の話しはまだ少し信じている。
大野池の氷に閉じ込められた鴨ではなく、落ち葉。
銀杏並木は黄葉の最盛期の前に雪で落ちて、黄色の絨毯を作った。
錦模様の絨毯も。
足早に去っていった秋。晩秋から初冬、いやな季節だが新雪と残り葉の美しい一瞬がある。
そして、モンブランが美味しい(レストラン「プティ・サレ」にて)。