2018年3月教室 『4月から変わる保険診療、医療費』、『ヨーロッパアルプスを滑る』
2018年診療報酬改定の要点は、

①2025年問題(団塊世代が高貴高齢者である75歳以上に突入)を目前に控え

②2年に1回の診療報酬改定

③3年回の介護報酬改定

が同時に行われる最後の機会であり、


(1)医療・介護施設の機能分化連携の推進

(2)在宅医療・介護の充実


を図ることが目標です。
すなわち、現在の日本では人口減少、高齢化、そして国の財政不安が重く大きくのしかかっており、高齢者のみならず、若者世代にも将来に対する不安感が広がっています。
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人口減少、すなわち若者世代(生産年齢人口)の減少により、高齢者の医療・福祉を背負い続けることが難しくなります。高齢化による国民医療費は増加の一途にあり、加えて近年の新薬開発・高価格が医療費高騰に拍車をかけています。
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わが国の医療制度は、みんなが平等に、どこでも、医療の恩恵を受けられるよう、世界の中でもたいへん優れた制度として機能していますが、それをまかなう費用は国民の負担(保険料、税金、自己負担費)によるものですが、国の財政の悪化、社会要因がその存続を脅かしています。
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超高齢化を迎えるわが国にとって、福祉政策(医療、介護)はいまや待ったなしの状況にあるといって過言ではないでしょう。その医療、介護の両者を考える、最大・最後のチャンスが、2018年の改定にあるといえます。

今回の診療・介護報酬の改訂に当たって、国(厚労省)は次のような課題をあげました。

(1)医療・介護施設の機能分化と連携の推進

1)入・退院時における医療機関と介護サービス事業者との連携促進

入院中から、退院後の療養生活支援を視野に入れた

①入院診療計画や退院支援計画の策定

②在宅医療を担う医療機関や訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所との連携

2)介護療養病床から介護療養型老人保健施設等への転換促進

3)介護施設における医療提供のあり方

介護施設においては、その類型に応じて医療の提供体制が異なるが、施設入所者等の現状に応じて、医療提供のあり方についてどのように考えるか。

(2)在宅医療・介護の充実

1)訪問看護・リハビリ等の要介護者等の在宅生活における医療提供

在宅生活者に対する医療を強化するため、訪問看護、歯科治療、薬剤管理指導やリハビリテーションの提供のあり方

2)看取りへの対応

在宅や介護施設等における看取りの対応を強化するため、在宅療養支援診療所等を活用し、地域における24時間対応や緊急時の対応が可能な体制を構築するため、診療報酬、介護報酬上どういった対応が考えられるか。

3)認知症への対応

認知症への対応を強化するため、早期の診断から個別の診療、在宅復帰に至る過程において、医療と介護が連携した上で、適切なサービスを提供するために、どういった対応が考えられるか。

○BPSD(周辺症状)への対応等、医療機関における認知症患者に対する医療についてどのように考えるか。

認知症対応型共同生活介護や小規模多機能型居宅介護における医療提供のあり方についてどのように考えるか。



私たちは、どのような改定がなされるのか固唾をのんで見守っていました。医療者として、いくぶん不安な気持ちがあったのも事実です。そこで出てきた具体的改定内容は、以下のようなものでした。

・夜間や休日に対応するかかりつけ医を対象に、初診時に800円上乗せ

・タブレット端末などで患者を診る「遠隔診療」の報酬を新設

・急性期病床の入院基本料を見直し、病床再編を促進

・自宅や施設でのみとりを進める

・紹介状なしで大病院を受診した人に追加負担を求める制度を拡大

・病院前に建ち並ぶ「門前薬局」の大手チェーンの報酬を引き下げ

・診察料などの本体部分は0.55%引き上げ、薬価は1.74%引き下げ

2025年問題といわれ、まったなしの改定であったはずの2018年改定が、「こんなものか」といった気持ちです。改定にいたる厚労省での策定過程の不透明さ、そしてなにより、国会での議論が「そば疑惑(モリ蕎麦=森友学園、カケ蕎麦=加計学園)」に明け暮れたことが、残念でなりません。国民の血税を、個人の利益に利用しようとする政治屋、その政治屋におもねる官僚。嘆かわしいかぎりです。

「ところで、いったい、お前はどう考えるんだ?」
と問われると、お恥ずかしいかぎり、何の施策・展望を述べることもできません。ただただ、みんなの幸せを祈るばかり。みんなの利益を図ることはできなくとも。






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by kobayashi-skin-c | 2018-04-11 18:25 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
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