2018年8月『マッターホルンプロジェクト始動』August 2018 "Matterhorn Poject -Part I"
2016年に登頂できなかった憧れの山「マッターホルン」に再度挑戦。2回目の挑戦をするからには、より難易度の高いイタリア側からのルート(リオン稜)をとることとした。ガイドには長年の友であり、アルプス・オートルート・スキー、モンブラン登頂を導いてくれたフランス人ガイド、クリストフ・ケルン氏に依頼した。

8月1日未明に日本を出発し、ロンドンを経由して同日夕刻にイタリア・トリノに到着。クリストフの出迎えを受けた。クリストフの根拠地はアルプス山脈の南西端、エクラン山塊に抱かれるブリアンソンの町。トリノからは車で約2時間の距離のところにある。

マッターホルン登頂に備えクリストフが準備したプランは、
第1-3日 Queyras Mountainsで岩稜、岩壁のクライミング。
第4日目を休息日とし、
第5-7日 エクラン山塊の名峰ラ・メージュ La Meije で高所順応、ピッケル・アイゼン訓練。
第8日目 ブリアンソンからマッターホルンイタリア側の登山基地チェルビニァへ車で移動、そして標高2600mのアブルッツォ小屋へ。
第9日目 アブルッツォ小屋から標高3800mのカレル小屋へ。
第10日目 マッターホルン登頂
素晴らしい計画、でもちょっと盛りだくさんなのが恐ろしい。
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第1日目、晴天の朝を向かえ、Queyras Mountains (クイラ自然公園)に向かった。サンヴェランの村で車を降りて歩くこと約2時間、小さな湖(Lac Blanche)のほとりに立つ山小屋に到着した。そして午後からは湖の向こうにそそり立つ岩山(Rocca Bianca)でクライミング訓練。クリストフのガイドでは、初めてのクライミング。英語での意思疎通が一番の目的。もちろん我々のクライミングの力量を測る目的もあるのだろう。
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岩の取付き点から見下ろす湖と山小屋。

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最初からいきなりきついクライミング。時差ぼけもいっぺんに吹き飛んだ。
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これがクリストフ!冗談をよく言うが、きっちりと確保し、きっちりと教えてくれる。


無事Rocca Biancoを上り終えてイエイッ!
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山小屋 Refuge de la Blanche は、青い湖と緑の草原に囲まれた素晴らしいところ。シャワーもあり、食事もワインもトレビアン!

夕食が終わり日が沈む頃、クリストフが訪れていた子供たちに山の物語を聞かせていた。
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第2日目は、標高2500mの山小屋から3500mの小ピーク登り、岩稜歩きと、少し難易度の高いクライミング。日が昇るころに小屋を出発。小ピークからはマッターホルンが望めるはずだったのだが、少しかすんで見えなかった。
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朝焼けのQueyras Mountainsを映し出すLac Blanche。こんな美しいところがあっていいのだろうか、と息を呑むほど。

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Queyras Mountainsは、草原と、荒々しい岩山、そして数々の氷河湖が織りなす美しいところ。草原には花が咲き乱れ、岩山にはカモシカ(シャモア)が遊んでいた。道なき草原、あやうくエーデルワイスの花を踏んづけるところ。
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背後の尖った山が La Tete des Toillies 3175m。明日山頂を目指す。かっこいいけど、尖ってんね!

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行く手の稜線が今日の訓練場所。ところどころ、ナイフリッジになっている。眺めただけで少しビビッてしまったが、登るともっと大変。岩が大変もろく、つかむ岩つかむ岩が簡単に剥がれ落ちる。結局真ん中のピークまで行って迂回路を歩くこととなった。しかしその下り道で衣子が右足を滑らせ、左ひざを強度に捻ることになり、痛みを残すこととなった。

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行く手に聳える岩塔が Le Rouchon 2929m。頂上からの懸垂下降が楽しかった。クリストフは「アップ・セーリング」と言っていた。われわれが言うロープダウンも「アップ・セーリング」だった。いろいろと用語が違う。
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第3日目も晴天の朝を迎える。
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右の黒い山が今日の目標、La Tete des Toillies 3175m。左の白い岩山は初日にクライムしたRocca Bianca。衣子は昨日痛めた左膝が腫れはじめていたので、大事をとって小屋で待機。

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間近でみる頂上岩塔。尖っている。クリストフのリードでクライミング開始!
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岩は概してツルツル、ホールドを探すのに手間取る。
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このスラブを登るとき、左足がスリップ。思わずヒヤリ!クリストフがしっかりとロープを確保。もう少し体を起こして、爪先立ちにならないようにすべきであったと反省した。
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最終ピッチはまるで空中に浮いているようで、気持ち良かった。
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クリストフが「手を振れ」と言う。
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頂上には大きな十字架が立てられていた。マッターホルンのイタリア側頂上にも十字架があるという。
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ありがとう、クリストフ!
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山小屋で衣子と合流し、麓の村サン・ヴェランに戻った。Queyrasには家族連れでハイキング、トレッキングを楽しむ人々が多くいた。小さな子供がロバに乗せられて登ってきた。楽しそう。
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サン・ヴェランの村は標高2042mにあり、ヨーロッパの村では最も高い場所にあり、「フランスの美しい村」のひとつに認定されている。

衣子の膝に不安を残したが、マッターホルンプロジェクトは楽しく、無事にスタートした。


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by kobayashi-skin-c | 2018-08-23 07:55 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
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