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2019年2月教室『長寿と皮膚:皮膚からみる老化のサイン、長寿のサイン』
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最近、8・3プラザ院長であり、妻である小林衣子からよくこう言われます。「写真でみると、ほんとに『父と娘』ね!」と。大学時代の同級生だったのに、そんな言われ方、「心外」ですよね。でも、よくよく写真を見ると、「なるほど」とも言えなくもないのかも。顔つき、肌に、いつのまにやら老化・加齢速度に差が出てきているようです。この差は、どこから来るのでしょうか?

今年1月20日、世界最高齢であったこの方が亡くなりました。ご存知でしょうか。
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野中さんが感謝する温泉とは、その名もずばり「野中温泉」!行ったことがある人、いますか?(有田副院長は知っていました!)
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私も大好きな温泉です。札幌からは離れていますが、何度か行きました。昨年の10月にも、山登りをかねて行ってきました。このとき、野中さんはご存命中でしたが、お顔を合わせることはありませんでした。野中温泉は雌阿寒岳の麓にあり、「雌阿寒温泉」とも呼ばれています。
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美しい湖「オンネトー」もすぐそばにあり、オンネトー温泉とも呼ばれます。
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お湯は硫黄を含み、緑がかったヒスイ色です。硫化水素泉のため、換気が必須、そしてお湯が湯面よりも高いところから注がれること、湯船から常にお湯が溢れていることが、義務付けられます。野中温泉の隣にあった湯宿は、数年前に設備不良で死亡事故を起こし、現在は閉じられています。
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野中温泉は、秘湯の何ふさわしい温泉であり、「元気の秘訣」であることを実感します。宿の山の幸ふんだんのお料理も素敵です(このブログ "photo & essay" 2018年10月「森と湖と紅葉の山々、阿寒」を参照してください)。
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ゆったりと湯に浸かっていると、若さをもらったような気がします。ただ肌には、硫黄分を含んでいるため、入浴中は皮膚はぬるぬる、つるつるした感じですが、入浴後は乾燥肌になるため、要注意です。


「長寿」、「若々しい肌」というと、すぐにこの方を思い浮かべます。
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お若いですね。肌がつるつる、すべすべですね。この方の肌こそ、長寿の肌といっても過言ではないでしょう。瀬戸内さんは数々の名言を著わしていますが、上の言葉も良いですね。これが若さの秘訣かも。



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この方も昨年、日本中の注目を集めました。残念ながら、南米大陸最高峰のアコンカグア登頂はなりませんでしたが、チャレンジ精神はものすごいですね。ただ、これだけ日焼けしていたら肌は、やっぱり荒れていますよね。でも、若い!


亡くなられてしまいましたが、若々しい老人といえば、この方です。
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「恋と舞台に生きて」、人から注目されるということも、若さを保つ秘訣だと思います。


もうお一方、日野原先生もお元気でした。「歩け、歩け」が口癖でした。
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日野原先生のお顔にも刻まれていますが、加齢による皮膚変化はかならず現れます。これを「老徴」と呼びます。遅かれ早かれ、程度の差こそあれ、かならず現れます。何故でしょう。

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生きとし生けるもの、かならず死を迎えます。かならず老いを迎えます。

老化・加齢とは、

普遍性 老化は遅速の差はあっても、生あるもの全てに共通して必ず起きる。

内在性 老化は誕生や成長と同様に、個体に内在するものによってもたらされる。

有害性 機能低下は老化現象の最も特徴とするものの一つである。老化によって生じる現象は生物にとって有害なものがほとんどである。

進行性 老化は突発的に起きるものではなく、普通のプロセスによって生じる。老化は不可逆性であり、一度起きると戻ることはない。



老化・加齢は、残酷ではありますが避けて通れません。その原因・メカニズムについて、

プログラム、活性酸素、テロメア、遺伝子修復エラー、分子間架橋、免疫機能低下、ホルモン低下


などがあげられていますが、いずれも仮説であり、「神の定め」といったほうがよいように思います。


では、けっして抗うことができない一方通行のプロセスかというと、かならずしもそうではありません。老化・加齢の速度には2種類があり、
1.生理的老化 成長に個人差があるように、遺伝的に遅速がある。

2. 後天的老化 老化を早めるものとしてさまざまな環境要因、生活習慣、疾病がある。



内因性の生理的老化を動かすことはできませんが、後天的老化を遅らせることは可能です。皮膚において、このことが大切です。

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皮膚は、さまざまな細胞と器官、そして細胞外マトリックスからなる複合組織で、その統合した力が全身を守っています。その力を衰えさせるのが老化であり、後天的に老化を早める外因として「光線・紫外線」、「乾燥・けが・病気」があります。


もっとも大きな「乾燥」からみていきましょう。私たちの皮膚のうるおいは、皮脂膜、天然保湿因子、角質細胞間脂質、Tight-junctionの働きで保たれており、皮膚のバリア機能を果たしています。
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ところが、加齢を一因として皮膚の乾燥が始まるようになると、
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最終的には、バリアの破壊から、炎症・湿疹(乾燥性湿疹、皮脂欠乏性皮膚炎)を起こし、小じわ、しみへとつながります。


さらに大きなダメージは、日光(紫外線)によってもたらされます。
私たち人間のみならず、地球上の生物のほとんどは、太陽の恩恵を受けて生きることができています。

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デメリットとして、急激な日焼けは、やけど、日射病を起こし、長期間にわたる日焼けで、皮膚老化の促進(光老化)、皮膚がん発症があることが知られています。紫外線から皮膚を守ることが、最近は強調されすぎているようにも感じますが(いわゆる「美白」)、適切に皮膚を紫外線から守ることは大切です。

その原則は、

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これら、乾燥肌対策、紫外線対策が、皮膚老化の予防のために、皮膚の長寿のために必須です。その具体的方法として以下を参考にしてください。
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そんな努力をしても生じてしまった皮膚の老化に、何ができるでしょう。
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私たちは毎日、鏡を見ながら「一喜一憂」、自分が思い描いている理想的な自分「ideal image」と現実の自分「real image」のはざまで生きています。自分のボディイメージは生きていく上で必須の事項です。ですから「見た目」を否定することはできません・・・・・・・

しかし、一日ひがな、鏡を見続けることは良いことでしょうか。こだわるあまりに、科学性も実証性もない薬、施術にはまり込むことは適切でしょうか。あまりに多くの「見た目」のインチキが世にはびこっているのは、自分自身の心の隙間につけ込まれているからなのではないでしょうか。


私が大切に思うこと、それはこの言葉です。

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アンチエージングよりも、ずっと実りある生き方ではないでしょうか。最低これぐらいのことを心がけていきましょう。
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とくに、最後にあげた精神性、表情が何より大切だと思います。この方たちのお顔から伝わってきます。
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はずかしながら、今日の結論、

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日焼け止め、塗っています。
冬は保湿クリームをかかしません。
ご飯、しっかり食べています。
運動しています。笑っています。
そして、なにより、みつめられています。







by kobayashi-skin-c | 2019-02-28 22:00 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
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