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2019年 『ヒマラヤピークトレッキング 2. メラピーク』 May 2019 "Himalaya Peak Trekking 2. Mera Peak"

2.Mera Peak (6476 m) メラピーク

 日本を出発してからはや10日、いよいよ目標に挑む時だ。

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20日(土)Khare (5,045m) Mera High Camp (5,780m)

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朝日に照らされたメラ山群。左端に目指す中央峰、すぐ右隣が北峰、右端が西峰。

 0530起床。晴天の朝を迎えた。Khareは登山基地。屹立する山々に囲まれる。うっすらと雪が積もっているが登山には何の支障もないほど。念入りに荷物の仕分けをする。ポーターの二人は登頂に加わらないので、自分で運ぶ水、非常食、防寒着、手袋、ピッケル、ハーネス、カラビナ、ユマール、・・・・を自分のリュックに詰め、不要なものは残す。0800雪を踏みながらKhareのロッジを出発。

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急坂を登って振り返ると、手前にKhareのロッジ群。屹立する山は左がKyashar(6769m)、右にカンテガ(6783m)、タムセルク(6618m

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メラ山群全体が白く輝く。ヒマラヤに登る緊張が高まる。


登りはじめるとすぐに高度を実感する。苦しい、一歩一歩がつらい。後から出発してきた約10名のドイツ隊に追い越される。ただただ下を向いて「ビスターリ、ビスターリ(ゆっくり、ゆっくり)」とつぶやきながら、呼吸を整えながら、歩みを進める。「足が前にさえ出れば、いつかは必ず頂上に立てる!」。
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途中、ガイド・ポーターが人を担いで下山してきた。担がれているのは昨日出発したタイ人女性だ。目をつぶったまま朦朧とした様子。同じく昨日出発したオーストリア人カップルも一緒で、さかんにタイ人女性に声をかけていた。高山病だろう。私自身は呼吸が苦しいものの、高山病の症状はまったくない。

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目指すメラピーク中央峰はまだまだ遠い。氷河上に積もった雪を踏みしめ、ビスターリ、ビスターリとつぶやきながら登る。


1330 Mera High Camp (5,780m)に到着。大きな岩塔の下、岩・雪にへばりつくようにテントがびっしりと張られている。20張はあるだろう。トイレテントも張られている。すぐにパスタの昼食をとらせてもらい、疲れた体をテントに横たえた。今日から4泊連続のテント生活となる。日が傾くころ見晴らしの良い岩塔の北側に出てみた。到着したころは雲に隠れていたヒマラヤの峰々が、夕日に照らされていた。エヴェレスト、ローツェ、マカルーが輝いていた。少し休んで元気を取り戻し、明朝への決意を新たにした。1830には就寝。二・三度トイレに起きたがぐっすりと眠れた。

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遠く左端に見えるのがエヴェレスト、ローツェ。右に屹立するのはPeak41。


421日(日)Mera High Camp (5,780m) Summit Mera Peak(6,461m) Mera High Camp (5,780m) Mera La, trek to Kongma Dingma (4,850m/15912ft)


涙のメラピーク

0145起床。ポリッジと紅茶で朝食を簡単にとり、ヘッドランプを灯してDikさんとともに闇の中を出発。我々の前に灯りはない。我々が一番先に出発したようだ。寒い!とくに手が冷たくなる。手袋の中で指を曲げたり伸ばしたり、血行を良くするように頑張るが、暖かくなるまでに1時間は要した。そのうち今度は目がちかちかしてきた。まつげが凍ったのだろうと思い、軽くこすってみるがちかちかしたままで、だんだんと痛くなり、目には涙が溢れるようになった。東の空が明るくなるころ、Dikさんに目を見てもらったが「氷ついていない」とのこと。「ああ、雪目だ!くそっ!サングラスをはずすことは決してしていない。ヒマラヤの紫外線の強さは半端じゃなかったのか、昨日ずっとうつむきながら雪渓、氷河の上を歩いていたからか、くそっ!」。呼吸は苦しいし、目は痛いし、涙でかすんで景色が見えないし、・・・。でもとにかく登頂のことだけを念じながら一歩一歩進んだ。


傾斜が増した頂上ドームも、ユマールなしで登り、そして0630山頂フラッグをこの手でつかんだ。「Dikさん、ありがとう」、二人で抱き合った。目はかすんで見えていなかったが、写真に収めておけばあとで振り返ることができるだろうと思って、こっちがマカルーの方角、こっちがエヴェレスト、こっちはチョーオユー、とまさに「めくらめっぽう」にシャッターを押した。そして二人で交互に頂上の記念撮影を済ませ、最後にピタンバルさんが用意した大きな記念フラッグをDikさんが取り出して、さあ写真、と思ったら、Dikさんが「先生のiPhoneがない!」、「さっきリュックの上に置いたよ」、「ない」。Dikさんはリュックの底の底まで確認したが、「ない」。iPhoneはリュックの上から雪の上に落ちて、あっという間に氷河の底まで滑って行ったのだろう。涙、涙のMera Peakとなった。

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エヴェレスト(8848m)、ローツェ(8516m)、マカルー(8463m)の8000m峰が連なる。
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そしてゆっくりと下山した。
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High Campに到着して、「やったね、ありがとう、Dikさん」。二人とも随分と顔がむくんでいる。


1020無事HighCampまで下山。しばらくテントの中で横になった。1230 HighCampを出発、途中Mera Laでポーターの二人と合流し、いよいよAmphu Labcha La pass (5,845mアンプ・ラプチャ峠) へと向かった。Mera Laからは誰も歩いていない雪渓を進む。雪が緩み、膝まで埋まりながらの歩行で、とにかく疲れて苦しかった。雪渓が終わると岩礫の間の道となり、雪目でかすむぼやけた視野のではたいへん怖かった。1600 Kongma Dingma (4,850m)に到着。テントは快適。バッティの中で簡単な夕食を済ませ、早々と就寝、今日の行動時間、14時間45分!

さあ、これから AmphuLabcha La pass (5,845m) Trekking アンプ・ラプチャ峠トレッキング。ハイライトを迎える。





by kobayashi-skin-c | 2019-06-03 06:57 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
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