大雪山、日高山脈には勝てないが、札幌近郊にも楽しい山が多い。その近郊の山々が紅葉に染まり始めた。まずは 風不死岳、楓沢。
支笏湖を取り囲む外輪山の一つが 風不死岳。支笏湖の眺望はここの山頂が随一である。 風不死岳の麓には原生林が広がり、その一角に楓沢がある。その昔「苔の洞門」と呼ばれる素晴らしい苔の回廊があった。しかし沢の崩落が著しく、長らく閉鎖されたままである。その「苔の洞門」と同じような神秘的な苔の回廊が「楓沢」。緑の苔と紅葉が目にまばゆかった。 ふかふかのみずみずしい苔が、あらあらしくごつごつした崖を包む。そっとしておかないとはかなく消えそうな、そんな自然の造形である。「二の回廊」で素敵な秋の贈り物を見つけた。山葡萄、酸っぱく濃厚な味、ワインにしたいな。 そして、木々の葉が色づき、葉を落とし始め、山頂へといたった。 手稲山。明治45年北海道大学恵迪寮歌「都ぞ弥生」二番にこう謳われている。 「豊かに稔れる石狩の野に 雁(かりがね)遥々(はるばる)沈みてゆけば 羊群声なく牧舎に帰り 手稲の嶺(いただき)黄昏(たそがれ)こめぬ 雄々しく聳ゆる楡の梢 打振る野分(のわき)に破壊(はゑ)の葉音の さやめく甍(いらか)に久遠(くをん)の光り おごそかに 北極星を仰ぐ哉」 10月中旬、旭川市で開かれた講演会に出席する機会が与えられた。長年の知己であるカリフォルニア大学皮膚科教授Jon Koo先生の講演会である。せっかく旭川まで足を伸ばしたのだから、十勝岳の麓の紅葉を観に出かけた。 Koo先生とはもう30年来の友人。20年前には、サンフランシスコのご自宅に1週間滞在し、Koo先生が主任の乾癬治療センターで学ばせていただいた。 「白銀荘」は私の大好きな登山者用の山小屋。上富良野町営の自炊宿泊施設であるが、とにかく風呂が素晴らしい。ここの露天風呂には「すごく熱い」「熱い」「少し熱い」「ぬるい」の4段階の岩風呂が上から連なっており、私の好きな「ぬるい」だと1時間でもゆっくりとしていられる。星空を仰ぎ見ながらふやけていた。 白銀荘を出発する時、管理人さんから「山に登るならアイゼン、ピッケルの冬山装備が必要だよ」と釘を刺された。私たち二人とも夏靴、軽装。衣子にいたってはハイキングシューズだった。まあ「麓の紅葉を観に行こう」と誘ったのだから。さすがに雪を被っているのを見て、山用長靴に履き替えてもらって、やっぱり十勝岳に登ることとした。1ヶ月前に登った主峰旭岳をはじめ大雪の山々は真っ白! 大正火口を越えると登山道はすっかり雪に覆われ、長靴にして良かったなあ、と思ったが、頂上が近づくと雪は氷に変わり、ゴロゴロの岩はすべてツルツルに氷結していた。これは、アイゼン、ピッケルだは! 頂上標識には「えびのしっぽ」!! 冷たい風が吹き、3分ととどまらないで下山した。 下山後、望岳台登山口から十勝岳を振り返り、青空と、白い雪、吹き上がる噴煙、そして赤や黄色の紅葉に見惚れ、登頂の歓びとともに、充実感に浸った。衣子さんの赤も綺麗である。「長靴でよく頑張りました!」 続いて札幌近郊の八剣山(観音岩山)。私たち二人の秋の紅葉定番スポット。昨年の今頃、私たちが下山した後、女性が頂上から転落して死亡した、八剣山は危ない山です。 下山後、豊平峡ダムまで足を伸ばして紅葉を楽しみました。 どうして、こんなにも紅葉に心を奪われるのでしょうか。若いころは見向いてもいなかったような気もするのですが・・・・・・・・ さらに北海道の紅葉が続きます。
by kobayashi-skin-c
| 2019-12-05 17:59
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