快晴の天気予報に胸を膨らませ、秋の夕日、朝日を観るため、十勝連峰の上ホロカメットク山へと向かった。北海道の山には避難小屋しかない。その避難小屋も稜線上に立つものはここ上ホロカメットク山ぐらいだろうか。夕日、朝日の両方を楽しむには稜線上しかない。
十勝岳温泉の登山口を出発するころ、あたりは一面乳白色の霧の中。天気予報では午後から晴れの予報だったので、登るうちに霧が晴れるだろうと期待していたのだが、小一時間歩いたあたりから霧は霧雨に、そして本降りの雨となってしまった。思わず「女心と秋の空」と呟いてしまったが、衣子はすかさず「天気予報を信じるあなたが悪いのよ!」と応酬。

モヤの中の上ホロ小屋に着いてびっくり!すでに夏山シーズンは終わった平日に小屋泊まりの物好きは私達だけかと思っていたら、なんと1階も2階も人でいっぱい!話を聞くと、みんな晴天の天気予報を信じて登ってきたらしい。それもテント泊のつもりで来たけれど、この雨のため小屋に入ったとのこと。なんとか場所を確保したが、そこは吹き込んだ雨で床が濡れていた。なんとも気分が沈む。
暖かくして、担いできたビールをあおっていると、窓から日が差し込んできた。あわてて外に出てびっくり!晴天と暖かい太陽の陽射し。衣子を、そしてみんなに声を掛けた。

濡れたレインウエア、ザックを干し、ビール、ワインを飲んで山の神に感謝していると、始まりました、夕日、夕焼け劇場。
夕日に染まる衣子
そして日が沈む。頂上直下の安政火口が不気味な色に変わり、上ホロカメットク山の頂きが最後の陽を受ける。


上ホロカメットク山(1920m)には積雪期登山で二度登ったことがあった。カッコ良い山である。写真は上ホロカメットク山対岸の三段山山頂から。私のヘルメットの上あたりの平らな所が避難小屋のある場所。

上ホロ小屋の夜は寒かった。テント持参の若者たちはみな小屋を出て、中は私達だけとなってしまい、おまけにすきま風。下界はまだ夏の空気が残っていたが、山上はもうすっかり秋である。寒さのためうつらうつらのまま朝を迎えた。
快晴!

のんびりと朝ご飯を食べ、稜線歩きへと向かった。


まずは上ホロカメットク山山頂にご挨拶。後ろは十勝岳とその噴煙。

そして上富良野岳、三峰山を越えて富良野岳(1912m)を目指した。


富良野岳に登るころ、またガスが昇ってきて、山頂からの眺望を得ることはできなかった。これが秋の天気!天気予報をあてにしてはだめですね。
紅葉には早かったが、ナナカマドの実は真っ赤。

ウラシマツツジの葉が色づき始め、秋の草花が山道を彩っていた。

イワギキョウ

エゾオヤマノリンドウ

ミヤマアキノキリンソウ

ウメバチソウ

今年の紅葉はどうでしょう。夏の高温、日照りが続き、枯れた葉が多かったように思います。自然の移ろいだから仕方ないのですが、二酸化炭素排出による地球温暖化が原因だったとしたら、悲しいですね😢