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2023年3月 『2023年、人生の転機』 March 2023 "My Turning Point in 2023"
2023年新年のご挨拶をしたまま、ブログの更新が空白となっていました。
今日は4月4日ですが、1月から今日までいろいろたくさんの出来事があり、掲載が遅くなっていましたが、久々に投稿いたします。

3月31日で小林皮膚科クリニック院長を退職し、仕事のない4日目の朝です。女房(衣子)からは少し邪魔者扱い!?
衣子は8・3プラザ診療室院長を私と同時に退職しましたが、月曜日、火曜日は非常勤医として勤務するので、朝は私が送り出します。なんと生活が変わったことか!

1月から今日までの出来事を少し綴ってみたいと思います。


『人生、好事魔多し』
1月の診療スタートと同時に、「3月31日院長退職」の掲示を院内に掲げ、多くの友人、仲間、近隣医療施設にもその案内を差し上げました。すると多くの方々からは、「まだ早すぎる!」、「暇を持て余すだけ!」、そしてはたまた「ボケるぞ!!」などの忠告をいただきました。なるほど見た目も動きも若々しい!ので、ことに患者さんからは驚きの反応がほとんどでした。

その若々しい体力の維持と、退職後からの夢を実現させるため、山歩き、山スキーを続けておりましたが、なんと1月12日、山スキーで左足首(左腓骨外果)をポキリ、やってしまいました。
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素晴らしい天気に恵まれた日でした。楽しい仲間、熟練のガイドさん、そして衣子と一緒のバックカントリー、白銀の世界。しかし、ここに落とし穴が待っていました。日陰に入って視界が悪くなった複雑な地形の斜面、スキーの先端が雪山につっこみ、両スキーははずれ身体は大きく前方に放り出され、激痛が左足にはしりました。尋常ではないことを悟りました。

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スキー場ではありませんので、スキーパトロールも、救助隊もいません。激痛に耐えながら車を置いてある麓までボーゲンで下山。そして松田整形外科記念病院の菅原誠先生に電話を入れ、診察をお願いしました。すぐさまレントゲン、CT検査で「左腓骨外果骨折」の診断で、入院・手術が決まりました。

菅原先生のご配慮で骨折の4日後には骨折部のプレート固定手術、そして入院期間を最短3日間にしていただき、診療には復帰することができました。しかしながら、雪道の松葉杖歩行は危険すぎて、たった200㍍の距離を衣子が運転する車での送り迎えとなりました。

「人生、好事魔多し」。



『人生、前向きに』
クリニックではスタッフの協力を得ながら、松葉杖で診察。ずいぶんと患者さんにもご迷惑をおかけしましたが、「信念」と言っていいのか「妄言」か、「怪我は必ず治る!」の前向きな気持ちで痛みをこらえリハビリに励みました。手術から1ヶ月後の2月16日には片手松葉杖となり、雪の中の散歩も可能となりました。
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さらにその2週間後には藻岩山山頂へ。
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そして手術から2か月後の3月19日には、支笏湖まで出かけ紋別岳を登りました。なんと美しかったことか!嬉しかったことか!
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『そして、退職の時』
3月31日を迎えるまでの間、患者さんに別れを告げ、別れを惜しむ日が続きました。もともと涙もろい私は毎日、毎日、目をはらしておりました。死の直前まで医療を続けることも選択かも知れませんが、きちんと後継者に引き継ぐことの方が大切であり、それが医療、医学の進歩と思うのです。人と人のつながりにはかならず出会いがあり、別れがあります。しかし医療は病いがある限り続けられなければなりません。医学、ことに治療法が大きく進みつつある今日この頃、そして自らの老いも認めざるを得ない今、3月31日、72歳の誕生日を引き際と決心しました。
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3月25日には、北海道大学構内のエルムの森カフェで、私と衣子の送別会を開いていただきました。スタッフの皆さま、そして家族には感謝でいっぱいです。
思い起こすと、1976年春、北海道大学の卒業式から医師としての道をスタートしました。そして23年間北海道大学医学部に奉職し、1999年秋、やはり北海道大学構内のエンレイソウでお別れ会を開いていただきました。2000年春に北大のすぐそばで開業し実地医療を23年間続け、今日の2023年、北海道大学から第3の人生のスタートです。また23年後の卒業式もここ北海道大学で!(なんだか遺言みたいですね)。
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こんなお誕生日ケーキも用意されていました💕



『第3の人生の出発』
今からのことを楽しみにしていた、といえば不謹慎かもしれませんが、偽らざる心持です。夢はたくさんあります。一番は「四国お遍路」でした。明日から四国に旅立ちます。左足首のはれが続いており、通しの歩きは無理かもしれません。体と、心に向き合いながら、生きること、死ぬことを幸せと感じることができるよう、歩いていきます。皆さまのご多幸を心からお祈り申し上げます。

小林皮膚科クリニック、8・3プラザ診療室は明日からも続いていきます。
有田 賢新院長、小林依子新院長が皆さまとの間に築かれる信頼と愛をもとに、全人的医療を続けてまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。

by kobayashi-skin-c | 2023-04-04 11:38 | PHOTO & ESSAY | Comments(1)
Commented by kobayashi-skin-c at 2024-05-07 17:02
> 公文孝佳さん
お久しぶりです。お便りをありがとうございます。
 小生は昨年3月で引退いたしました。目がかすみ(緑内障)、耳が遠くなり(老人性難聴)、物忘れが多くなり(認知症の前兆)、引き際と判断しました。なにより大きいのは後輩の先生たちが立派になり、世代交代の時が来たことを実感したからです。アトピー性皮膚炎、乾癬などの治療が大変難しかった皮膚疾患に、今では新薬がいくつも登場し、たいへん優れた効果を発揮しています。それらの治療に精通するのは若い世代の先生たちです。
 言い訳がましくなってしまいましたが、足腰がまだ丈夫なので、好きな山、スキーを存分に楽しみたいと思っています。家内もこの3月で完全引退しましたので、同じ歩幅で歩けるかぎり、一緒に歩んでいきます。このブログはまだ続けますので、ときどきご覧になってください。
 公文先生の益々のご活躍を心からお祈り申し上げます。
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