徳島県から土佐の国高知県に入りました。土佐は「修行の道場」と呼ばれます。 土佐の国は広く、霊場の数は少ないのですが、霊場間の距離が長く日にちもかかりました。前編、後編に分けて報告いたします。 お遍路の いのりのさき 空と海 土佐の国に入り、行く手の左側にはずっと空と海。室戸岬に立つ第24番霊場最御崎寺を目指します。朝日に送られ、今日は札を打つ霊場もなくただ歩くばかり。この日は、結局このお遍路中最長となった41.2㎞を歩きました。 4月14日、9日目 目に青葉 山ほととぎす 初がつお 海から山へと目を向けると若葉の青さが目にしみます。上の句を思い出してしまいました。昨日の民宿の夕食は立派なブリでしたが。大海原を左手に、一歩一歩、室戸岬が近付きます。 4月15日、10日目 この日はまた終日雨。太平洋は変わらず左側。次の27番霊場までの29.2㎞をひたすら歩きました。もう10日目になると30㎞の歩行距離は苦にならず、自分の身体が「歩くマシーン」になったように感じました。 4月16日、11日目 海辺にて こんなしあわせ へんろ道 (琴ヶ浜にて) 宿を朝5時半に出発し、土佐の国唯一の「遍路ころがし」標高500mの第27番霊場神峯寺に参拝し次の28番までの38.3㎞にとりかかります。それにしても昨日の天気とは打って変わって爽やかな快晴。素晴らしい海岸線の琴ヶ浜の上に素敵なレストランを見つけました。そして海辺の民宿では海の幸をたくさんいただきました。こんな幸せ、いいのかな?ごちそうさま。 琴ヶ浜のレストラン。普段食べたことのないフレンチトーストのキャラメルソース、バニラアイス添えをいただきました。 4月17日、12日目 お遍路さん はりまや橋で パスタ喰ひ お遍路さん はりまや橋で ワイン飲み 第28番大日寺、29番国分寺、30番善楽寺を経て高知市内に入りました。久々の都会です。宿坊、民宿のご飯は美味しいけれど、やはりたまにはパスタも、そして・・・も。誘惑に負けてしまいました。そもそも30番霊場にあった「酒断地蔵」さんから「たまには良いよ」と言ってくれているように感じ取りました😅 4月18日、13日目 春らんまん 庭いっぱいに 花咲ききそう (牧野富太郎植物園にて) 高知市内では街中のビジネスホテルに泊まり、翌朝はお遍路サイドウォークも楽しみました。が、ここで落とし穴。私の遍路道案内人は「YAMAP GPS」。一番主要なお遍路ルートがGPSで示され、ここまでは大きな道迷いはありませんでした。高知城を見学し、次に高知県立牧野植物園を訪ねました。今話題の「らんまん」牧野富太郎先生の植物園内もお遍路ルートの一部になっており、お遍路さんは入場料を支払うことなく通り抜けることができるのですが、きょろきょろと植物園内を見学していたところ、なにしろ広い園内のこと、迷ってしまいました。GPSルートを外れ、そしてあろうことか逆走して昨日の30番善楽寺方向にまっしぐら。こういう時は気が滅入りますが、これも修行、修行と思うことが肝心です。気を取り直して第31番霊場竹林寺、32番霊場禅師峰寺に札を打ち、そして坂本龍馬像が立つ桂浜を訪ねました。 4月19日、14日目 空うつす みずた(水田)に緑の 小さき命 土佐は空と海ばかりの国ではない。水と緑が豊かな土地だ。清流仁淀川を渡った。田植えが終わったばかりの田園が広がる。この日は第33番霊場雪蹊寺、34番種間寺、35番清瀧寺、36番青龍寺に札を打ち35.6㎞を歩いた。 この日の最後、36番青龍寺の階段は何段あったろうか、さすがにお大師様に恨み言の一つも言いたくなった。 ここで、豆知識、お大師様は唐の都長安、青龍寺で恵果和尚に師事しました。異例の早さで学びを終えたお大師様の使命は、日本で仏教を広めること。帰国後に寺を作ろうと決意したお大師様は、有縁の地を求めて天空に独鈷(とっこ)という法具を投げ上げました。その独鈷がこの土佐の青龍寺の地の松の木に引っかかっていた、というのがこの寺の縁起だそうです。 もうひとつ豆知識、第68代横綱朝青龍を覚えている方は多いと思います。日本での正式名は朝青龍 明徳と言います。青龍寺の麓には高校野球で有名な明徳義塾高校があります。朝青龍はこの高校の相撲部に在籍していました。足腰を鍛えるため、この青龍寺の長い階段を何度も駆け上がっていたそうです。だから彼の名は「朝青龍 明徳」だったのですね。 以下「後編」へ
by kobayashi-skin-c
| 2023-06-25 12:24
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