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2023年5月『四国遍路⑦最終編、涅槃の道場 讃岐の国』  May 2023, "⑦Shikoku-Henro, Sanukino-Kuni"
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お遍路最終編、讃岐の国(香川県)です。残るは66番霊場雲辺寺から88番霊場大窪寺まで23寺。


5月13日、38日目

  分け入つても 分け入つても 青い山
         (種田山頭火)

お大師様生誕の地「讃岐の国(香川県)」に入りました。
この日は、お遍路中もっとも標高の高い66番霊場雲辺寺へ。岡田屋での朝食は、またまたお父さんがご飯をよそってくれます。そしてお接待にとお昼のおにぎりを持たせてくれました。なんと有難いことでしょう。
雲辺寺道は、お父さんから詳しく教えられた道順を辿り、難なく標高912mの霊場にいたりました。
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標高912m雲辺寺からの眺めに、冒頭の山頭火の句を思い出しました。山頭火は日本全国の放浪の後、四国にわたりお遍路。形式にとらわれない多くの句をうたい、そして松山市で居をむすび最後を迎えました。

67番霊場大興寺では、「運慶」作の躍動感あふれる仁王像に迎えられました。観音寺市の68番、69番は同じ境内にあり、らくちん遍路でした。
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5月14日、39日目

  青々と なんとのどかに 五重の塔

70番本山寺から75番善通寺まで、今日も一気に札を打ちました。善通寺はお大師様の生誕の地。立派な大伽藍を有し、多くの参拝客でにぎわっていました。今年はお大師様生誕1250年です。秘仏公開、大法要が営まれていましたが、再度衣子とともに訪れることとしました。
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5月15日、40日目

  讃岐では 金色麦と 緑の池

とくれば、うどん!ですね。
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善通寺を出発して高松市に入ります。田園の中を歩いていると、まわりがほとんど麦畑であることに気づきます。雨が少ない讃岐の国では昔からため池を作り、稲作よりも麦が選ばれたのでしょうか。それとも、うどんを作るためだったのでしょうか。この日も一気に76番霊場から80番霊場まで5ヶ寺に札を打ちました。うどんも絶好調でいただきました。

有難き言葉、その① 76番霊場金倉寺のトイレ
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有難き言葉、その② 遍路小屋の壁
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有難き言葉、その③ お宿の廊下
     今日がこの人生の
     一番若い日です
     これからでもおそくはない
     やれることはいくらでもある


5月16日、41日目

  初夏の 深い森の中 そっとお接待

高松と坂出の間、標高400mの山並みの中に81番霊場白峯寺と82番根香寺が立つ。白峯寺には四国で唯一の御陵がある。平安時代末期の「保元の乱」に敗れた崇徳上皇が讃岐に流され、この地で崩御。京の都ではその後異変が頻発し、崇徳上皇の怨霊の仕業と考えられた。このため26年後、後鳥羽天皇がこの地に御陵を建立し、崇徳上皇の霊を祀ったそうな。
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山路の81番と82番の間、遍路道に「景子ちゃんの接待所」と書かれた箱が置かれていた。箱の中には飲み物とお菓子。この山中、むろんあたりには誰もいない。何よりの励ましでした。

    ありがたきかな 同行二人
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狸からも励まされました😲 遍路道の向こうに黒い生き物、すわイノシシ!と身構えましたが、よく見ると狸。近付くとすぐに森の中に消えました。ところが、その数分後に私は道迷いをしました。狸、あなどるべからず。引き返して83番一宮寺へ。
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5月17日、42日目

  遍路道 みなが背負う 生命と死

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88番霊場大窪寺に札を打ち「結願」しました。遍路旅のブログにお付き合いくださり誠にありがとうございます。お見苦しいばかりの自撮り写真の数々、そして恥ずかしいばかりの駄句の数々をお許しください。無事八十八ヶ寺を巡り終え、私が得たことは何だったでしょうか。「悟り」とか「解脱」といった心持ではけっしてありません。目指したチャレンジの達成感でもありません。何か心静かに思うのは「人として生きていく力をもらった」ということでしょうか。

   自らを知り 自らにおごらず
   自らに挑み 自らを超える
   日々人生遍路
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5月18日、43日目、5月19日、44日目

88番から1番霊場霊山寺へ。四国一周の輪を閉じたわけです。今日一緒に霊山寺山門をくぐったのはフランス人フランクさん、ドイツ人サビーナさんでした。彼らの笑顔も安堵と誇らしさに満ち溢れていました。
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44日間、歩いた距離1223.6km、登った高さ25,264mでした。皆さんに、お大師様に感謝です。
しばらくは四国に留まり、まだ冒険とロマンの旅を続けます。



by kobayashi-skin-c | 2023-06-30 09:53 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
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