7月~8月の40日間、ずっと思い描いていた夢の旅を実現させました。3月に引退し、四国遍路に続く私の卒業旅行です。旅は5つのパートに分かれ、 パート1:イタリア・ヴェローナ音楽祭(アレーナのオペラ) パート2:イタリア・ドロミテのトレッキング パート3:オーストリア・ザルツブルク音楽祭 パート4:イタリア・スイス・フランスにまたがるツールドモンブランのトレッキング パート5:スイス・ルツェルン音楽祭 3ヶ所の音楽祭が2ヶ所のトレッキングを挟むように旅を計画しました。 ブログでは5回に分けて連載いたします。写真の枚数も多く、長文となってしまいましたがお付き合いのほど宜しくお願い申し上げます。ヨーロッパ卒業旅行パート1:イタリア・ヴェローナ音楽祭 アレーナ・ディ・ヴェローナ音楽祭(Arena di Verona Festival)は、3万人を収容できる古代ローマの円形競技場の遺跡を舞台に毎夏開催されます。歴史は古く1913年、折からのジュゼッペ・ヴェルディ生誕100年を記念して企画されました。公演は夕暮れから始まり、観衆は日が落ちると持参した小さなキャンドルをともすのが伝統です。 まずは開場前に腹ごしらえ。アレーナの前にはレストランが立ち並び、着飾ったシニョーリ・シニョーラ(紳士淑女)が食事をとっています。 中休みのころにはすっかり夜のとばりが下りて、涼しい風が吹きます。 長径139メートル、短径110メートルの楕円形のこの闘技場(アレーナ)はローマ帝国初代皇帝アウグストゥス(在位 前27年 - 14年)によって建てられたもので、闘技士による(人間対人間の)闘技、2世紀頃からはヴェナティオ(venatio、狩り)と呼ばれる人間対猛獣の競技が多く催されたそうです。なお、キリスト教徒に対する拷問・処刑も3世紀頃、ローマ帝国の闘技場で一般的には行われていたようです。なんとも残酷な歴史があったようですが、現在は美しい歴史的遺産として世界遺産となっており、そしてここを舞台にオペラが上演されるのです。通常のオペラハウスとは違った雰囲気が魅力であり、出演する歌手・指揮者・演出家も当代最高レベルのもの、私たちの憧れの音楽祭でした。 私たちは二公演を観劇しました。 まず初日がロッシーニ「セヴィリアの理髪師」、そして二日目がヴェルディ「椿姫」でした。ともに有名なオペラであり、序曲、アリア、合唱、いずれも聞きなれた音楽でしたので、深夜まで続く公演にも飽くことなく聴き入りました。というか、見惚れました。なんと言ってもアレーナの雰囲気に酔いしれた二晩でした。 開演前、銅鑼が打ち鳴らされます。YouTubeでご覧ください。 「セヴィリアの理髪師」カーテンコール(幕はありませんが、) 「椿姫」はミラノ・スカラ座と同じ模様の幕絵が用意され、出演者もスカラ座主力メンバーでした。アルフレード役を演じたヴィットリオ・グリゴーロ (Vittorio Grigolo) は今をときめくテノール歌手で、歌声、容姿ともに傑出していました。驚かされたのは冒頭のシーン、ヒロイン「ヴィオレッタ」の葬列には本物の馬が棺を引いていました。これもYouTubeでご覧ください。 ヴェローナと言えば、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の舞台となった町。今も中世の時代そのままの町並みが残り、蛇行するアディジェ川沿いに広がる町の景観は大変美しいものです。 今回の旅行ではヨーロッパ往復の飛行コースが大きく変わっていました。戦争の影響でロシア上空を飛ぶことができません。往路はアラスカから北極、そしてグリーンランドの上空を飛び、復路は中近東、アジア経由でした。 グリーンランド上空 ロミオとジュリエットの町、ヴェローナからドロミテの山に向かって北上。途中、トレントにあるフェッラーリ社に立ち寄りました。イタリアには世界に名をはすフェッラーリ家が二つ。もちろん一つは車のフェッラーリ。そしてもう一つが、ここシャンパーニュを超えるスパークリングワインを産するフェッラーリ社。ところがレストランの前には何と、緑のランボルギーニ! うらやましく眺め、写真を撮らせていただきました。
by kobayashi-skin-c
| 2023-09-11 18:33
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