「やってみたいとずっと思っていること」ってありませんか?
まったく手が届かないことを思い続けても仕方ありませんが、チャレンジできそうなこと! 私にとっては、まだ体が動くときに、今しかない「やってみたいこと」。 その2.「青春18きっぷ」 またまた「なーーんだ、そんなことか」とお叱りを受けそうですが、私にとって「青春18きっぷ」は憧れでした。私は俗に言われる「鉄ちゃん」(熱狂的鉄道ファン)ではありませんが、子供時代から鉄道・汽車が好きでした。小学生の頃は、家のすぐそばを走っていた山陽本線の特急列車をよく見て列車名をすべて言えるほどでした。中学生、高校生になってからも、日がな一日「時刻表」のページをめくりながら、旅の夢を膨らませていました。広島生まれ、育ちの私が北海道大学へ進学した大きな理由に、この「旅好き、鉄道ファン」、そして「遠いところに行ってみたい」という憧れがあったと思います。大学に入学した1970年当時、飛行機は高価で便数も少なく高嶺の花でした。北海道ではまだSL(蒸気機関車)が走っていた時代です。そうそう、青函トンネルはまだ開通しておらず、連絡船で北海道は本州と結ばれていました。札幌⇔広島間、寄り道をしながら国鉄列車で休みごとに旅をしました。青函連絡船からは泳ぐイルカの姿に感動したり、日本海側を青森から大阪まで直通で結ぶ「急行北国」では、お尻を痛くしながら日本海を眺め続け、青森・上野間の「急行十和田」では立ちっぱなしということもありました。夜行列車では真っ暗な中、遠くにポツンぽつんと家々の灯りが流れ、カーーンカーーンと鳴る踏切の音が去っていきます。懐かしい昭和の思い出です。 そう!「青春18きっぷ」に年齢制限はありません。条件は、「若い心を持っている」こと、そして乗車できるのは「普通列車と快速列車のみ」。 富士山登頂後、下山には御殿場口を選び、JR御殿場駅からまずは沼津駅へ出発です。とても嬉しかった!富士山は雲に隠れて見えませんでしたが、窓側の席に陣取り、流れゆく景色を眺めました。鈍行列車の旅、これが本当の旅、なのです、私にとって。 今、日本では新幹線網が全国に張り巡らされ、ずいぶんと便利になりました。けれども、便利さと旅情は相反します。新幹線は移動の手段として便利かもしれません。でもあっという間に景色が後ろへ飛んでいき、おまけにトンネルだらけ。ことに山陽・九州新幹線はモグラ新幹線とも呼ばれており、旅情からは遠くかけ離れている、と思うのであります。 沼津から興津へ、そして浜松へ、・・・・・・・。青春18きっぷは夜の12時まで目いっぱい使うこともできますが、5本の鈍行・快速列車を乗り継ぎこの日は姫路どまりとしました。 姫路で下車したのには、富士山での寝不足、疲労を癒したかったこと、そして私はまだ姫路城を見たことがなかったことがありました。駅の近くにある温泉付きのビジネスホテルを見つけ、一風呂浴びて真っ先に姫路城に出かけました。ライトアップされた美しい白鷺城が迎えてくれました。この日の歩いた距離24.2km、40,582歩、高低差3,400m。総移動距離は500㎞! 今日の「青春18きっぷ」は故郷広島まで。姫路からは、赤穂線、山陽本線、呉線とローカル線を乗り継ぎました。呉線は子供のころ父親の里帰りの時によく利用していました。瀬戸内海の海岸線を走る風光明媚な路線です。トンネルが多く、SL時代にはトンネルに汽車が入るたび、大急ぎで窓を下ろしていたことを思い出します。 青春18きっぷは、これで2枚を使いました。あと3枚残っています。 『一度はやってみたかったこと、その2、青春18きっぷ』はまだ続きます。 『一度はやってみたかったこと、その2の続き、二人!の青春18きっぷ』 広島では衣子と合流して「二人の青春18きっぷ」。 下関では壇ノ浦古戦場、唐戸市場を訪ね、関門トンネルを通ってレトロな町門司へも足を延ばしました。初めての下関、門司には歴史と文化の匂いがあふれ、とても気に入りました。 行きは関門トンネルを歩いて門司へ、帰りは渡し船で。 「青春18きっぷ」はもう一枚残っています。普通乗車券を一枚買い足し、もう一度鈍行列車を乗り継いで広島へ帰りました。鈍行列車には、途中駅から次々に赤いユニフォーム姿のカープファンが乗り込んできます。もちろん、マツダスタジアムでの応援のため。私たちも、もちろん! 思いっきり「青春18きっぷ」を楽しみました。 「やってみたいとずっと思っていること」ってありませんか? 今日こそあなたの人生の一番若い日、まだまだやれることはたくさんあります。 今日が良き日でありますように。
by kobayashi-skin-c
| 2023-11-06 17:37
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