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2024年2月 『悲嘆のドロミテから感謝のロンドン -パート2-』 February 2024 "From Dolomites to London : Part 2"
『悲嘆のドロミテから感謝のロンドンへ -パート2.ロンドン編-』

松葉杖の衣子とともに、まずはヴェニス空港からロンドンのヒースロー空港へ。あらかじめ航空会社に怪我のことを伝えてあったので、どちらの空港でも車イス介助係の人からお世話を受け、ヒースロー空港では初めてカート移動車に乗せてもらいました。

移動風景の動画は下記の "youtube" をタップしてご覧ください。

さらにタクシー乗り場まで車イス介助を受け、ブラックキャブでロンドン市内のホテルに着くと、ホテルフロントには予約してあったレンタルの車イスが届けられていました。ホテルの出入りにしても、エレベーターの乗り降りにしろ、すぐにホテルの人が手を貸してくれます。車イスで街中を歩くとき、歩道の段差などがあると、すぐに数人が声をかけてくれます。National Gallery(美術館)では、入口に長蛇の列ができていましたが、車イスの私たちを見つけるとすぐに車イス専用の入口に案内され、待つことなく入場できました。
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National Galleryにて

私たちのほかにも車イスで観覧している方をよく見かけました。日本の事情とはかなり違うと感じました。車イスで移動する人が多く、その人たちへの市民の介助、思いやりが半端でないのです。2012年ロンドンオリンピック・パラリンピック大会開催を機に、車イス対応交通機関の導入、歩道の段差解消などハード面でも、そして何よりソフト面でも格段に進歩したとのことでした。
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大好きな2枚のフェルメールの絵の前で(National Galleryにて)

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ゴッホの自画像(National Galleryにて)

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レオナルドダヴィンチの絵の前で(National Galleryにて)。優先で入場させていただいたので、これらの人気絵画であっても誰もいませんでした。


衣子がロンドン行を頑張った最大の理由は、オペラにバレエに、ミュージカルにシンフォニーコンサートの予約をしていたからでした。いずれも世界最高峰のパフォーマンスを誇っています。オペラ、バレエはコヴェントガーデンのロイヤルオペラハウスでの公演でした。とくにバレエの演目「マノン」は衣子のお気に入りで、怪我の痛みを忘れて楽しむことができたようです。
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ロイヤルオペラハウスの中にはレストランが併設され、公演前に、そして幕間に食事とワインを楽しむことができます。この日はバレンタインデー。ハートをあしらったデザートをいただきました。
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街の中でも、コンサートホールの中でも車イスは大活躍でしたが、元気すぎる私が押す車イスは歩行者をどんどん追い越すぐらいスピードが速く、衣子は気が気ではない様子でした。
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街中の英国王室御用達のチョコレート屋さん。故エリザベス女王の肖像画が置かれていました。店内はバレンタインパッケージのチョコでいっぱい。
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ボンドストリートに置かれたルーズベルト大統領、チャーチル首相と共に。
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「ゆりかごから墓場まで」と称されるイギリスの福祉。障害者に対する優しさも格別でした。ハード面だけではなく、少しおせっかいなぐらい、どうしてこうもみんなが手伝ってくれるのだろうかと、感ずるほどでした。日本との差、彼我の違いを感じざるを得ません。ひる返ってみるに、札幌の街中を車イスで移動している人のなんと少ないことか。バス、地下鉄には車イス専用の昇降機があったり、乗り移り用の補助板が備えられたりしていますが、利用者の数は非常に少ないように思います。おそらく、障害者の方々を街へと向かわせる支えが少ないからだと推測します。その支えは、マンパワーも、マンマインドも!自分自身に札幌の街中で障害者のサポートに当たった経験があっただろうか、と反省する次第です。医療、介護の原点は「心の優しさ」にあるのですね。

そんなことに気付かされた、今回の『ドロミテ、ロンドンの旅』でした。
旅の終わりに、昇る朝日、霊峰富士を望み、無事?の帰国に安堵した次第です。
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「ドロミテは今回で終わりにしようと思ったけど、また来年行くわよ、リベンジに!」(衣子)


by kobayashi-skin-c | 2024-04-30 15:53 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
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