人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 "El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim"
2024年9月1日から10月1日までの31日間、フランス中南部のル・ピュイの町を出発し、オーブラックの台地を抜け、数々の「フランスで最も美しい村」を訪ねながら、750㎞先のスペイン国境の町サン・ジャン・ピエ・ド・ポーへ。いったん巡礼路を離れ、スペイン大西洋岸の保養地サンセバスチャンで映画祭に参加。もう一度サン・ジャン・ピエ・ド・ポーに引き返し、巡礼路「フランス人の道」へと出発。ピレネー山脈を越えてパンプローナの町まで歩きました。


巡礼者は、いったいどんな一日を過ごしているのでしょう?
巡礼の心得、巡礼のエピソードも交えながら綴っていきます。

まずは一日の始まり、

巡礼者の目印ホタテ貝をバックパックにぶら下げます。なぜホタテ貝?それには諸説ありますが、昔々の巡礼者は道々食事の施しをこのホタテの貝殻に入れてもらっていた、とか。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18285091.jpg
バックパックの中身は、ほとんどが着替え。下着とTシャツは着ているものも含めて3セット。レインウエア上下、防寒用のヒートテック上下、タオル2枚、インナーシュラフ、非常食用のチョコレート、クッキー、ナッツ、レーズン、そして飲料水ペットボトル、お茶用の魔法瓶、ポカリスエットの粉末、洗面道具、救急セット、洗濯バサミにハンガー、iPhone充電器、バッテリー、そして地図、クレデンシャル(巡礼証明書)、パスポート。最小必要限度にしたつもりが、それでも小生のバックパックが10㎏、衣子が5㎏となってしまいました。
最初の5日間は背負いましたが、「ル・ピュイの道」前半はアップダウンが多く、途中からは配送サービスを利用することとしました。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_16103936.jpg
宿、山小屋の朝食は7:00~8:00。テーブルの上にたくさんのフランスパンが置かれ、バター、ジャムが添えられています。ジャムはたいていが手作りで、この季節アプリコット、ブルーベリー、そして日本では珍しいイチジクジャムでした。それにカフェ、ヨーグルト。ホテルの朝食以外では、卵、ハム、チーズなどのタンパク質はありません。ものの10~15分で済ませて、用足し、荷物のパッキング後に出発。宿のご主人が目覚めているときは、出発の挨拶は欠かせません。「Bon Chemin(ボン・シャマン)」(スペイン語では「Buen Camino(ブエン・カミノ)」)の言葉とともに送り出され、日が昇る時間は8:00前後、少し薄暗い中を歩き始め、やがて朝日を背に浴びながら、つまりは西に西に向かって歩き出すのです。


さて「750kmを歩こう」なんて計画、いったいどのようにして始まったのでしょう。
本格的にこのスペイン巡礼の旅を考え始めたのは、「熊野古道、中辺路」を終えてからでした。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_15185508.jpg
田辺市熊野ツーリストビューローのホームページにこんな書き込みを見つけました。
『二つの道の巡礼者 (DUAL PILGRIM)』 
二つの道の巡礼者 – 田辺市熊野ツーリズムビューロー
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_15581738.gif

そこから辿りつき役に立ったのが以下のWEB情報です。
サンティアゴ巡礼のフランスの道 | spain.info
フランス人の道 | CAMINO | 日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会
ル・ピュイの道 | CAMINO | 日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会

④Camino de Santiago - Via Podiensis

Le Puy to the Pyrenees on the GR65


スペイン巡礼(サンチアゴ巡礼)の巡礼路にはたくさんのルートがありますが、フランス国内を出発し、ピレネー山脈を越えスペインの大地を歩くコースを選択しました。中でも美しい「ル・ピュイの道」を選び、ピレネーまでを前半(フランス部分)、ピレネーからサンチアゴまでを後半(スペイン部分)に分け、まず今年は前半の巡礼路を辿ることとしました。経験者の旅程、日程についてもブログなどに詳しく掲載されています(リンクから)。「ル・ピュイの道」750kmを30‐35日で歩くのが標準のようでした。9月1日にル・ピュイを出発(日本を出たのは8月9日、8月10日~31日の間の出来事はまた後日掲載いたします)、そして到着を10月5日に想定し、日本への帰国は10月6日のパリ・東京便を予約しました。参考とした旅程では一日10~30kmの歩行、平均で25㎞弱/日の計算でした。

「ル・ピュイの道」巡礼路は広大な自然の中、そして美しい村々を通り抜けて歩きます。
巡礼路の8割は土の村道、農道で、ところにより勾配のきつい山道も通らなければなりませんでした。2割ぐらい舗装道路はありましたが、交通量は少なく安全でした。ここが「四国お遍路」と大きく違う点で、四国では舗装道路が大半を占め、時には大型トラックの行きかう幹線道路の端を歩かなければなりませんでした。

私たちはMICHELIN(ミシュラン)が発行する緑本の簡易地図だけで歩きました。巡礼路を示すGPSも公開されているようでしたが、iPhoneとにらめっこすることは避けました。道標がしっかりしておりそれだけを目印としました。2日に1度は道標を見逃して間違った道に進むことはありましたが、大きな道迷いはありませんでした。むしろGPSを頼りに歩いていた他の巡礼者から道を聞かれたこともあったぐらいです。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_11283032.jpg
道標の上左「赤白」のマークはGR(フランスのgrande randonnée 長距離遊歩道)、道標の上右「青いホタテ貝」がスペイン巡礼路の印。GR65と「ル・ピュイの道」は同一です。

これは目立ちます。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_11282433.jpg


これも分かりやすい立派な道標。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_11494670.jpg
しかし、これは見逃しました。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_11314654.jpg
拡大すると、
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_11501652.jpg

日中の大半は歩いていますが、大切かつ大変だったのが泊まるところの確保と、食事の選択でした。「ル・ピュイの道」は人気の巡礼路であり、また9月は最適シーズンなので、早くから予約することが勧められていました。しかしながら、歩き始めてみないことには体力、体調の具合が分かりません。出発地のル・ピュイ、そして3日目までの宿を控え目の歩行距離で、日本出発前に予約しておきました。あとは「出たとこ勝負!」、しかしこれは甘い考えでした。

宿は大きく3種類に分けられます。
①公営(あるいは教会・修道院付属)のいわゆる巡礼宿
②私営の巡礼宿。フランス語で「Gite(ジットゥ)」。日本では「民宿」、「山小屋」にあたる。
③ホテル


①公営(あるいは教会・修道院付属)のいわゆる巡礼宿。歴史的建造物が多く、11~12世紀に建てられたものが改築を経ながらも、巡礼者のたいせつな宿として現在まで使われています。2食付きで30-40€。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_16553264.jpg
Accueil du Couvent de Malet(Saint-Come-dOltの修道院)


附属教会の内陣




Accueil Abbaye de Sainte-Foy (コンクのサント・フォア修道院)
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_16553237.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_17100958.jpg
2段ベッドが8台、16名部屋。たいへん清潔で過ごしやすい部屋でした。


2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_17100848.jpg
80名が一堂に会して夕食。8割はフランス人、その他はベルギー、ドイツ、米国、オーストラリア、日本。食後に得難い体験が待っていました。そのことはまた別の機会に。



モワサック市が運営するGîte l’Ancien Carmel
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_17194136.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_17194188.jpg


②私営の巡礼宿。フランス語で「Gite(ジットゥ)」。日本では「民宿」、「山小屋」にあたる。多くは2食付き、大部屋で30-40€、個室で50-60€。なかには「宿代はなし、Donation(寄付)のみ」という所もありました。


1日目の宿、MontbonnetのGîte l’Escole。15名が泊まれる宿。ご主人メフディと。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_17593941.jpg

1日目はル・ピュイから17㎞の地点。14:00には到着しました。宿はだいたいが厳格に15:00からチェックイン。チェックイン後はまずすぐにシャワー、同時に洗濯、そして物干し。それが終わると、はい、ワイン🍷 夕食中は赤ワインがタダで供されます

2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_17593911.jpg

Giteの夕食は女将ファニーさん手作りの料理。この日は自宅菜園で採れたお野菜たっぷりメニューでした。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_17593876.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_17593819.jpg

夕食時、皆が家族になります。この日は15人中オーストラリア人4人家族、1人の米国人女性、そして私たち日本人だったので英語での会話が可能でした。日によっては英語がまったく~ほとんど通じないGiteもありました。まあ、何とかなるもんです。この15人のうち7人が、2日目以降も先になったり、後ろになったり「旅の道連れ、Camino Friends」となりました。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_17593850.jpg


2日目の宿、RoziersのChambres d’hôtes l’Arche de Gabriel。牧場の中の素晴らしいところでした。夕食も最高においしく、昨夜の同宿者が我々を含め8名。ワインを飲みながら、日本の技術力の素晴らしさ(おもにウオッシュレット)を話題に最高に盛り上がり、顎が外れるほど笑い転げました。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18270819.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18270817.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18270848.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18270891.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18270881.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18270807.jpg
どこの宿でも夕食にデザートは必須。手作りケーキ、これが美味しいのです!



食事の途中でちょっとシモの話題。海外旅行を経験した方はよくお分かりかと思います。日本のトイレ事情がいかに素晴らしいか!裏を返せば、海外では・・・・・・。ところがこの巡礼路、そうではありませんでした。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18345655.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18345689.jpg
日本の山小屋でも最近見かけるようになった「バイオトイレ」。中は清掃が行き届き、使用後は日本のバイオトイレと同じようにペダルを踏んで中のおがくずをかき混ぜます。臭いもしません。
と絶賛したのですが、この施設が置かれていたのは最初の3日間だけ。あとは「自然の中」。まあ私にはたいへん気持ち良いのですが、女性は大変です。森の中だと人が来ないのを見計らって・・・・なのですが、タイミングを間違えると・・・・・。何度か他人様の「白いおしり」を見る羽目となりました😲。
 

8日目、Saint-Chély-d’Aubrac村のGîte Communal Chez Fanny et Jérémy。朝食のみで25€。気さくで親切なファニーとジェレミーでした。夕食が付いていないときは村/町のレストランに行きます。この時ばかりにと美味しいものを食べたいのですが、どこに行けば?役に立ったのはGoogle Mapのクチコミでした。この夜はオーブラック牛のステーキでした。生涯一のステーキでした。肉質が和牛とはまったく異なります。肉に弾力があり、脂が少なく、噛めば噛むほど肉の味がじわっと口の中に広がります。さもありなん、オーブラック牛は自然放牧、自然の牧草だけを飼料とし(サイロ、サイレージの牧草も使いません)、牧草の中には香草も含まれており、肉の旨味を引き出しています。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18490918.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18490994.jpg


生涯で一番おいしかったオーブラック牛のステーキ!
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18490972.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18490903.jpg
伸びる伸びる「アリゴー」。オーブラック牛は全て完全放牧で自然の牧草のみで育ち、そのミルクから特産のトム・フレッシュ・ド・オーブラックチーズが作られます。12世紀ごろから始まり、旅に疲れた巡礼者のための貴重な食べ物としてポテトと混ぜ合わせたオーブラック地方の名物料理「アリゴー」となったとのこと。

「Gite(山小屋、民宿)」のほとんどは、古い農家を利用したもので、200年~300年前に建てられた家でした。
Limogne-en-Quercyの”Gîte le Mas du Cartographe”
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18040256.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18040298.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18040209.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18040254.jpg
この日は最高の天気でチェックイン時間前から庭に入れてもらい、のんびり、まったりと休みました。青いバックの飲物入れの中身は昨夜の残った赤ワイン。フランスパン(バゲット)は村のパン屋さんで。

「ル・ピュイの道」の終着点、そして「フランス人の道」の起点であるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーの「Gite」。下の写真、衣子はどこにいるでしょう?
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18284116.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18263394.jpg
人気のルート、人気の町では道もこんなに混んでいて、もちろん宿も混んでいます。「Gite」の部屋も一部屋6~10人、3~4部屋と広いのですが、「満室、お断り」の宿が多くなり、予約もなかなかできませんでした。電話予約は1回で諦めました。「Gite」(山小屋、民宿)は「フランス語」しか通用しません。巡礼路宿一覧表がネット上にあり(前述の④情報)、連絡先メールアドレス、WEBホームページがあり大変便利でした。しかしiPhoneを使ってメールしますが、希望宿泊日の目前になっても返事がなかったり、返事があっても満室で続けて断られたりすると(リクエストメールは英語ですが、返信メールはフランス語!)すっかりめげてしまいます。この作業がたいへんストレスでした。だいたいの歩行距離、宿泊希望予定地が決まるようになってからは、WiFi 環境の良いところから、一気にメールするようになり、宿泊予約がすべて終わった時は「便秘解消」の気分でした。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18271750.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18284167.jpg

Giteの玄関には「満室お断り」の札が
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_18284150.jpg

③ホテル
大部屋の生活、大勢での食事が続くと疲れてきます。大きな町ではホテルも利用しました。予約もインターネット予約サイトが使えるので簡単にできました。便利ですが少し贅沢になります。二人で一部屋が100~200€。

Saint-Alban-sur-Limagnoleの村で宿泊した"Hôtel Relais Saint-Roch"。"Relais"ですから昔のお屋敷です。古色蒼然としたたたずまいでホテルの従業員?は老夫婦お二人だけ。宿泊者も私たち二人だけ。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_10450061.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_10480020.jpg
心温まるおもてなしでした。雨の中早めに着いた私たちを招き入れてくださり、
ウエルカム・シャンパン!
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_10453986.jpg
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_10480014.jpg

もう一つ思い出に残るFigeacの”Hôtel Mercure Figeac le Château Viguier du Roy”
このホテルの名は”Château”ですからお城! ホテルに入るなり舞い上がるようなところでした。恥ずかしながら、こんな格好で、「写真、撮ってください!」
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_10575895.jpg


ホテルのお庭
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_10575872.jpg
ホテルのお部屋
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_10575811.jpg

その日の夕食
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_10585357.jpg
前菜のビーフ・カルパッチョ。半分ずつに分けてくれました。


2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_10585341.jpg
メインのラム肉7時間煮込み


2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_10575908.jpg
メインの鴨のロースト、フォアグラに、鱒の春巻


2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_10585328.jpg
そしてデザートはクレムドブリュレ、ジェラート、イチジク添え
ワインはブルゴーニュ・ボーヌの赤
巡礼路の途中で、ほんとに罰が当たりますね。



そして一日の終わり、教会・修道院の付属宿泊施設では夜のミサが巡礼者祝福のために行われます。コンク(Conque)のAccueil Abbaye de Sainte-Foy (サント・フォア修道院)でのミサは生涯忘れえぬ思い出となりました。

80人の巡礼者が一堂に会した夕食の終わりに、修道僧から「フランス人の巡礼者?」、「ドイツ?」、「イギリス?」、・・・・・・・、「日本?」の質問にみんなが挙手します。そしてその最後、「フランス人を代表して、あなた!」、「海外からはアメリカ人のあなた、そして日本人のあなた!ミサにおいて聖書の一節を朗読してください」。なんと衣子が指名を受けたのです。むろんフランス語での指名に何が何だか訳が分からない私たちでしたが、巡礼仲間のベルギーの方が英語で教えてくれました。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_12245423.jpg
修道僧から説明を受ける衣子と、アメリカのVictoria。

そして朗読は、YouTubeでご覧ください。

キリスト教徒ではない私たち、たいへん戸惑いましたが、巡礼者であることに誇りをもって引き受けました。また衣子はカトリック系の幼稚園(小樽ロース幼稚園)の卒園生。少しは資格があったのかも知れません。聖書の日本語コピーが手渡された、とのことでした。

そうして一日が終わります。
2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 \"El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim\"_c0219616_12443372.jpg

続いて「スペイン巡礼の旅-その③、巡礼の仲間たち」をお届けします。

by kobayashi-skin-c | 2024-11-02 12:46 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
<< 2024年9月『スペイン巡礼の... 2024年9月 『スペイン巡礼... >>