2025年5・6月 『スペイン巡礼路「北の道」・②カンタブリア』May/June 2025 "Spanish Pilgrimage No.2"

スペイン巡礼路「北の道」、②カンタブリア州

5月17日、バスク州イルン/オンダリビアを出発したスペイン巡礼路「北の道」。

5月25日からカンタブリア州に入りました。

カンタブリア州では、Castro Urdiales, Santander, Santillana del Mar, Comillas の街々を通り抜けていきました。
Albergue の朝は夜明けとともに始まります。身支度を素早く済ませ、朝食は近くのカフェ。そして太陽を背に、西へ西へ歩き始めます。今朝も素晴らしい天気でした。

ため息が漏れるほどの美しい海岸を歩きます。

バスク州からカンタブリア州に入り、今日の目的地はカストロ・ウルディアレス。海運で栄えた古い街。

Santa Maria 教会と Santa Ana 城、灯台

Santa Maria 教会では結婚式が行わていました。

美しい街です。ずっと居続けたいですね。

もっと居続けたくなるのは、この海の幸。スペインの「美味しい！」はまた別稿で取り上げますね。

美しいばかりの海岸線ではありません。入り組んだ海岸線は時に断崖上の牧草地、ビーチ、そして崖の上の岬。その間はきつい登り下りを繰り返します。きついけど、美しい！

Laredo と Santona の間はFerry（フェリー）に乗れ、とガイドブックにあります。指示通りに歩いたその先には、砂浜に旗が一本。たしかにFerryと書いてありますが船着き場が見当たりません。

待つこと10分、小舟が近付いてきました。

そうだったのね、これがFerry！

わずか15分程度の乗船でしたが、渡った先のSantonaには美味しいお魚が待っていました。また「食べ物編」で報告いたします。

毎日が夢のように過ぎていきました。この砂浜も巡礼路なのです。

ある日泊ったPosada（古い家の民宿）

ある日泊った巡礼宿（Albergue Guemes、Cabana del Abuelo Peuto）

200のベッドがあるという名物巡礼宿

この巡礼宿の創始者、エルネストと。宗教的な動機ではなく、旅する人と共感を分かち合いたい、旅の歓びを伝えたい、との目的で始めたとのこと。政府、自治体、教会、修道院などの援助は一切受けず、全て旅人からの寄付金で運営されている。

今日も青空の下、歩き続けます。日差しは強いものの涼しい風が吹き、気持ちよく歩きました。またFerry。乗客の大半は巡礼者！
行く手に大きな船。左の船は英国とをつなぐ大型フェリー、右は豪華客船

そしてサンタンデールに到着。カンタブリア州の州都サンタンデールは大都市でした。

カンタブリア州庁舎
サンタンデール銀行本店。ヨーロッパ最大の銀行とのこと。
サンタンデール大聖堂
その回廊

大聖堂内陣

港の岸壁に不思議な彫像

その昔、お金持ちの観光客が海に投げ入れたコインを少年たちが海に飛び込んで取りに行っていたのだとか。今もお金持ちの観光客が豪華客船に乗ってこの街にやって来る。
サンタンデールの「美味しい！」もまた別稿で。

Cudon の教会前庭。巡礼宿のチェックイン待ち。

そして、Santillana del Mar。古い家並みが残る美しい街です。今日はなにやらお祭り？！　動画でもご覧ください。

https://youtu.be/TfygkYKrKzc

「北の道」のハイライトの一つ「アルタミラ洞窟」がSantillana del Mar 郊外にあります。皆さまご存知ですね。10,000~18,000年前の旧石器時代、古代人（クロマニヨン人）が洞窟に残した壁画で有名です。感激しました。

実は、もうだいぶ前から洞窟は立ち入り禁止で、本物の壁画を見ることは出来なくなっています。アルタミラ洞窟と壁画を忠実に再現した新洞窟が同じ敷地内に博物館として作られています。それだけでも大変興味深いものでした。

Santillana del Mar をあとにしてComillas へ。嘘のように続いていた晴天も、少し雲行が怪しくなってきました。天気予報も先1週間は雨予報。疲れもたまってきているし、Comillasで2泊することとしました。Comillas には、あのバルセロナの大聖堂サグラダファミリアで有名なガウディが設計した建物があります。

Comillasの教会
教会前の広場にはカフェ、レストランが立ち並びにぎやかです。
Comillas のホテルに着くと、玄関前で巨大パエリアの準備中。食べさせてもらえるのかと期待したのですが、お嬢さんの誕生日祝いに準備しているのだとか。残念！　しかし、町のレストランに出かけて美味しいパエリアをいただきました　また別稿で！

写真の枚数が少し多くなりますが、ガウディの建物をご覧ください。

建物の名は、"El Capricho de Gaudí"(ガウディの気まぐれ)。ガウディの建築物がバルセロナ以外に、それも巡礼路にあるとは！

ガウディらしさがあふれる家ですね。外観はなんだかおとぎの国に出てくるような建物ですが、内装は依頼主の要望に沿って細やかな配慮があふれていました。

2日間の Comillas 停滞にもかかわらず、空はどんよりとしたまま。霧雨が降りそぼる中、巡礼路の再開です。

カンタブリア州からアストゥリアス州へと入ります。