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2025年5月~6月 『スペイン巡礼路「北の道」⑤ 食べ物編』 May-June 2025 "
スペイン巡礼「Camino del Norte 北の道」
⑤ 食 べ 物 編

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2025年5月~6月、スペイン巡礼路「Camino del Norte 北の道」を38日間かけて、
バスク州イルン/オンダリビアを出発し、聖地サンチアゴ・デ・コンポステーラまで歩きました。その模様は、7月に投稿したスペイン巡礼路「北の道」①~④ でお届けしました。

スペインではまだまだたくさんの思い出があり、「食べ物編」を少し綴りたいと思います。

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私たちが辿った「北の道」は、上の地図のブルーアンダーライン印の街々を通ります。出発はフランス国境の町イルン/オンダリビアがあるバスク州(Pais Vasco)、次にカンタブリア州(Cantabria)、次いで、アストゥリアス州(Asturias)、そしてガリシア州(Galicia)の聖地サンチアゴ・デ・コンポステーラへと至る850㎞の巡礼路です。地図からわかるように、「北の道」はビスケー湾(カンタブリア海)、大西洋に沿うように伸びています。しかし一歩内陸に道が入ると、ピレネー山脈が海に落ち、さらにはカンタブリア山脈(ピコス・デ・オイローパ)が海に迫ります。このため4つの州ともに独立性が強く、スペイン国土のほとんどがイスラム勢力支配下に置かれたときも、アストゥリアス州のみがキリスト教勢力の独立を守り、この地からスペイン奪還(レコンキスタ)が始まりました。

さて、地理、歴史の勉強はそこまで(すぐに無学が露呈します105.png)、食べ物の話しにいきましょう。この地域の独立性が強いことをお話ししましたが、食べ物に関してもスペインの他の地域と違う「名物料理」が多いのです。

実感として、まず「スペイン料理って、こんなに美味しいんだ!」。
バスク州のサン・セバスチャンが美食の街として有名ですが、「北の道」の最初から最後まで美味しいものだらけでした。

「スペイン料理」と聞いて頭に浮かぶのは、パエリア、アヒージョでしょうか。でもとんでもない、今回の経験から「スペイン料理」はひとくくりにできない多様性があり、フレンチ、イタリアンをはるかに凌駕していると感じました。それだけ日本人好みとも言えると思います。

前置きが長くなり過ぎました。まずは、「ピンチョス」のことから。
(https://www.kurashiru.comから引用)

バルのショーケース。串刺し、分かります? いろんな食材(代表的にはイベリコハム、アンチョビ、オリーブなど)がパンの上にのっかり、串刺しにされています。
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イベリコハムがこんなにたくさん!吊り下げられたハムの塊には足が必ず残されています。これは足の色が黒い正統イベリコ豚を示すためです。
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人気店は人でごった返して注文もままなりません、なんせスペイン語が喋れないので!
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指さし注文です!そしてその場でお会計(右端で衣子が奮闘しています)
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バルの中にはテーブル席もありますが、基本立ち食い、立ち飲みです。
2-3種類のピンチョスをつまんだら、また次のバルに入ります。
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人気店では道路にまで人があふれます。なんとも賑やかで楽しいこと。
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人気バルのピンチョス、というかちゃんとした料理ですね。
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イディアサバル チーズのスープ、上はフォアグラのソテー


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カリカリのパンの上にイベリコハム、ピンチョス一番の定番



正統派バルのピンチョス
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手前の皿は左にイベリコハムの上にフォアグラのパテそして右にアヴォガドの上にサーモン、右の皿の手前はオイル付のアンチョビとピクルスがパンにはさまれ、奥にはトルティーヤがどんと乗っかっています。トルティーヤはスペイン風オムレツ。白ワインはスッキリ系。


バスク地方の名産ワインがチャコリ。アルコール度数が低く発泡性でビールに近い感覚で飲まれていました。高いところから注ぎ、しっかり泡立てるのが流儀で美味しくなるのだとか。
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スペイン巡礼路「北の道」はずっと海沿いを歩くので、たくさんの魚料理レストランに出会いました。

まずは巡礼初日に泊まった海辺の村Pasaiaのレストラン
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青空の下、よく冷えた白ワインに、炭火で焼かれたイワシにオリーブオイルとレモンをたらし、骨ごとほおばりました。子供のころ食べた「めざし(目刺し)」に通じるものがありました。あの頃は「七輪」で目刺しを焼いていましたからね!
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次に紹介するのは、このフェリーに乗って着いた町「サントーニャ」。船着き場の前にこのお店がありました。
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ここで食べたのが炭火焼きの「Rodaballo(ヒラメ)」でした。素晴らしい焼き加減で味付けはお塩とオリーブオイル。
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お店のお姉さんが切り分けて骨をはずしてくれましたが、「はずした骨は持っていかないで」とお願いして、ヒラメのえんがわはバリバリと食べ、背骨、頭骨はしゃぶりつくしました。お店のお姉さん、「なんて素敵でしょう、食通ね💕」と言ったか、「なんて卑しい、貧しい人たちね!」と言ったか101.png

お店を出たところには、こんなオブジェが
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スペインと言えばこれ、「パエリア!」
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コミジャスの町の宿に着くと、庭でパエリアの大鍋が調理されていました。てっきり私たちにもふるまわれるものと期待したのですが、この日はお嬢さんの誕生日で、家族のお祝い用に作っているのだとか。

というわけで町のレストランに入って待望のパエリア!大きな鍋を二人でペロリ。あまりに美味しくて、ご主人のアドルフォと記念撮影。
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スペインではパエリア以外にもお米料理が何種類もありました。日本人好みの由縁です。

大きなエビのアロース・カルドソ
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イカをたっぷりと使ったアロース・ネグロ
これは病みつきになります!
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聖地サンチアゴ・デ・コンポステーラに辿りつき、ご褒美として食べたオマール海老のパエリア
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イカとタコの料理も数々ありました。

タコのガリシア風はスペイン語ではPulpo a la Gallegaですがガリシア語ではPolbo a Faira(祭りのタコ)
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何故”祭の蛸”なのか?以下は衣子のFacebookから

柔らかく煮たタコをカットしてタコのゆで汁でゆでたジャガイモと一緒にスモークしたパプリカパウダー(昔は防腐剤の効果があったようです)とオリーブオイルをかけた一皿です。

Fairaとは伝統的な市場やフェスティバルの意味で, 祭りの際に振る舞われる料理だったとかタコは昔から含まれるタンパク質や豊富な栄養成分の故に世界でも精力剤とされてきたようです。飲んで歌って踊った祭りの後のさまざまな椿事を美味しすぎる蛸料理のせいにしたくて"祭りの蛸"と名付けたとか…(この話を聞いた夫が"もっと食べなきゃ"と言ったような🤣)


小イカのニンニク炒め、ホタルイカかなあ?



タコ、イカ以外にも魚介類が豊富です。

ホタテの殻焼きビエイラス・エン・ス・コンチャ
サンチアゴ・デ・コンポステーラでと言えば”ホタテ貝”です!
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ちなみに、巡礼者が必ず身に着けるのが「帆立貝」の貝殻。
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これには諸説あるのですが、昔々、巡礼者は施しを受けながら旅をつづけましたが、その施しの食べ物をこの帆立貝に入れてもらっていたとか。もう一節には、サンチアゴ・デ・コンポステーラがあるガリシア地方は大西洋とガリシア湾に囲まれ帆立貝の産地であったことから、昔の巡礼者は聖地に辿りついた証拠として、また故郷への土産として帆立をぶら下げていたのだとか。



シンプルな海老とアサリのニンニク・香草炒め
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日本でもおなじみの「エビのアヒージョ」。オリーブオイルがぐつぐつと煮えたぎった状態で供されます。ニンニクががっつりと効いています。
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魚ばかりでなく、スペインには世界一の牛肉があるのです。
その名は”ガリシア牛”。「最高級のガリシア牛Rubia Gallegaは世界一美味しいと言われてるらしい、月間生産わずか200頭、ガリシアにいる間に是非食べてみたい」(キヌコのFBより)。ということで、Arcaの町の地元の方に教えていただいたレストランを訪ねました。レストランというよりも焼き肉屋という風情。満席状態で店の中は焼けるお肉の煙でいっぱい。
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店の中はローカルな雰囲気が素敵!
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さっと炭火焼きした骨付きガリシア牛1kg(2人前)がデーンと運ばれてきました。いくら何でもレア―過ぎる。「もっと焼いて!」と頼もうとしたところに熱々の陶板が運ばれ、その上で好みに焼きながら食べる、さながらジンギスカンのよう、地元客が皆同じく大量のガリシア牛を焼きながら、あるいはレアのまま頬張る姿が圧巻、まさにextraordinary experience
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いつもこんなに美味しいものばかり食べていたわけではありません。食事つきの巡礼者宿ではパン、スープ、メインを皆で分け合いながらいただきます。スープは豆を使った”ファバータ”、山のスープと呼ばれていました。
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メインはジャガイモと豚肉の煮込み。巡礼宿のオスピタレロ(ボランティアの管理人)が料理してくれます。
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大半の巡礼宿は食事なしでした。調理場を供えている所が多く、仲間が集まって買い出しをし料理していました。歩きで疲れた私たちは巡礼宿近くにあるレストランを利用しました。”巡礼者メニュー”なるものがあります。ここではパン、前菜、メイン、デザート、それとワインがセットで€10~15。ワインは赤でも、白でも1本で出てきます!

魚のスープ
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野菜サラダはどこのレストランにもありました。
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私が一番お世話になった「メルルーサ(タラの一種か)」
ジャガイモが添えられています。
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トンカツ!半端なく大きいだけではなく、二枚の豚肉と間にはチーズが詰まっている。「チュレタ」と呼ばれています。ここでもジャガイモが添えられています(フレンチフライ)。
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ワインはかならずついてきます。
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さて、食べ物編の最後はデザート!巡礼者宿の食事でも、巡礼者メニューでも、もちろんレストランでも、かならずデザートがつきものです。もちろんチーズケーキ!日本では「バスクチーズケーキ」として有名ですが、スペインでは "Tarta de Queso"。その土地その土地で、チーズの味が違い、やわらかさもお店お店で異なります。どこも美味しさは変わりませんでした。いったいいくつ食べたことやら。
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「目に毒」でしたでしょうか。

「食べ物編」をお届けするのに随分と時間がかかってしまいました。まずは写真選びがたいへんだったこと、そして料理の名も素材も分からなかったため調べていたら時間がかかってしまいました。お許しください。

スペイン料理は「海のもの」、「山のもの」が豊富で、さらに新大陸から運ばれてきた素材・調理が加わり、たいへん変化に富んでいます。人々の食を楽しもうとする心意気も半端ではありませんでした。また食文化を伝えるため、各所に料理学校があり、バスク地方のサンセバスチャンには世界的にも有名な料理学校が置かれています。

北海道には同じような大地の豊かさがあります。食文化を守り発展させていきたいとあらためて感じました。北海道にも美味しいスペイン料理屋さんがあります。ぜひ探してみてください(サンセバスチャン国際映画祭の受賞映画「北の食景」のガラディナーで活躍された中野さんのお店が仁木町にあります「NiquisMiquis」)。

「スペイン巡礼の旅」の思い出はもう少し続きます。お楽しみに。

by kobayashi-skin-c | 2026-03-11 06:45 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
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