カテゴリ:「皮膚の健康教室」抄録( 63 )
2010年1月26日教室 抄録 『これからの医療 -民主党政権になって変わること-』
 2009年のキーワードは、「政権交代」でした。8月に行われた衆議院選挙で、わが国で初めてといわれる「民意による政権の交代」が成し遂げられました。マニフェスト政治を旗印に選挙を勝ち抜いた民主党ですが、わが国を覆っている財政不況が、理想の実現を困難にしており、さらには鳩山総理大臣自身の献金問題から政治基盤を弱めており、今後の連立政権の維持さえも危うい気配が感じられます。
 わが国の医療は、世界随一とも言えるレベル、国民の高い満足度を保っていましたが、相次ぐ医療費の削減、ことに小泉内閣以来の政策により「崩壊寸前」とまで言われるようになってしまいました。救急病院での搬送拒否、産科・小児科医師の激減、病院・病棟の閉鎖などが地方のみならず、大都市でも進行しています。この「崖っぷちの日本の医療を救う」と名うった民主党のマニフェストでしたが、最近決定された診療報酬改定では0.19%増だけにとどまり、20%増をうたっていた鳩山総理の約束はまったく実現されませんでした。とにもかくにも、これからの2年間はこの数字の中でやりくりする以外にはありませんが、日本の医療の未来は、民主党政権下でも明るくないようです。
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by kobayashi-skin-c | 2010-01-29 13:42 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
2009年12月22日教室 『アトピーでお悩みの方に、-脱ステロイド、脱軟膏ってどういうことなの?-』
 アトピー性皮膚炎の治療は長期にわたることが多く、使用している薬の副作用も大きな気懸かりとなります。アトピーの症状をもっとも適確に、すばやく改善するのはステロイド外用剤です。しかし長年使い続けることによって、皮膚が薄くなってしまい、かえって刺激症状を起こしやすくなり、痒みに対して敏感になってしまうこともしばしばです。このステロイド外用剤の副作用が社会問題となり、なんとかステロイド外用剤から抜け出すことはできないか、さまざまな工夫がなされています。脱ステロイドです。また最近ではステロイドではない保湿剤・ワセリンなどの外用も、自分自身の皮膚の保護力を弱めるので、いっさいの外用をしない方が良い、といった考え方も出てきています。
 どの方法が良いのか、模範解答はありませんが、その人その人の皮膚症状に、またライフスタイルに、そして考え方に合ったものを選ぶのが最良の道と言えるでしょう。成人型アトピーの方達がもつお悩みについて語り合いましょう。
 脱ステロイド、脱軟膏・脱保湿といわれる治療法は、「成人型アトピー性皮膚炎とは、ステロイド依存性皮膚症(皮膚が外用ステロイドなしには普通に機能しない状態)を合併するアトピー性皮膚炎で、その9割の患者は保湿環境に適応した皮膚の状態である保湿剤依存症(MD)を伴う。従って、ステロイド外用剤の副作用を伴ったアトピー性皮膚炎であり、ステロイド外用剤を中止しない限り本症からの離脱はあり得ない」といった考え方、あるいは「汗、垢、皮脂が自然の保護膜であり、保湿をすることで正常な保湿機能を喪失し、かえって自然の回復力を弱めるので、過度な保湿治療は避けるべきである」との考え方から始まった「アトピー性皮膚炎の治療法の一つ」です。しかしながら、これらの意見は偏った見方だと思います。アトピーにおける皮膚バリア機能の低下、あるいは遺伝子レベルで天然保湿成分のフィラグリン産生低下は明らかな事実であり、すべてのアトピー患者さんで、現在の保湿ケアが否定されるものではありません。むしろ冬季の乾燥した時期には、積極的な保湿ケアは推奨されるべきと思います。
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by kobayashi-skin-c | 2009-12-25 14:53 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
2009年11月24日『アトピーでお悩みの方に、最新の治療から 
 成人型アトピー性皮膚炎の治療として、昨年10月からネオーラル(シクロスポリン)内服治療が保険適応となり、重症症状に悩まされている方々の症状改善に大きな役割を果たしつつあります。ネオーラルは免疫抑制作用を持つ薬剤で、本来は臓器移植手術後の拒否反応を抑える目的で使われていましたが、最近ではさまざまな免疫の異常にかかわる病気にも使われるようになっています。
 このネオーラルの内服の際には、副作用予防のため注意も必要です。どのようなときに、ネオーラル内服治療が役立つのか、どんな注意が必要なのか、皆さんと一緒に勉強したいと思います。
【ネオーラル治療の対象となるアトピー性皮膚炎】
・16歳以上のアトピー性皮膚炎の患者さんで
・これまでの治療で十分な効果が得られず、
・強い炎症を伴う湿疹が広範囲にある患者さんに使用されます。
【ネオーラルの服用方法、服用量】
・通常1日量を2回に分けて、朝、夕に服用します。
・服用量は患者さんの湿疹の症状、体重によって異なります。1日3mgx体重(kg)が目安です。
【ネオーラルの服用期間】
・湿疹が悪化している時期に、一時的に服用します。
・改善されればネオーラルを中止し、外用薬を中心とした治療を行います。
・長期間継続して服用するお薬ではありません。
・最長でも3ヶ月間服用したら、いったんは中止します。
(NOVARTIS発行「大人のアトピー性皮膚炎の適切なケア」川島 眞先生著から引用)
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by kobayashi-skin-c | 2009-12-03 08:06 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)