2018年4月 『北大の春の妖精たち』 April 2018 "Spring Fairies in the Campus"
北海道大学の構内に今年も春の妖精たちが訪れた。息吹き、再生、そんな巡りのなかに私も生きている。
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サクシュコトニ川の水芭蕉


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エゾエンゴサクが咲き乱れる


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大野池に現れたオシドリ夫婦


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# by kobayashi-skin-c | 2018-04-29 14:05 | Comments(0)
2018年4月 『ニセコ、羊蹄山で春スキー』 April 2018 "Spring Ski in Niseko and Mt Yotei"
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今春は残雪が深い。好天を見計らってニセコ・アンヌプリ、羊蹄山の頂上を狙った。一日目の登山口、宿はニセコ五色温泉。学生時代からなじみの山の湯宿である。
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左下方に五色温泉の建物が見える。学生時代の建物からは大きく改築され、混浴露天風呂も取り壊され随分ときれいになっている。

次第に高度を上げながら、真っ白なニセコ連峰に見入る。風も弱くポカポカ陽気を楽しんだ。
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途中一部でスキーを担いだが、快適にシールで山頂に達した。比羅夫スキー場のリフトは動いており、リフト終点から登ってくる人たちも見えた。
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そして、久々のアンヌプリ北斜面を滑り降りた。誰もいない大斜面を一人占め、いや二人占めだ。
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そして、美しい夕焼けと、温泉と、そして自炊棟での美味しいワインが待っていた。
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二日目、今日も晴天。昨日のこの笑顔に羊蹄山が微笑み返してくれたのだろう。
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真狩登山口はまだまだ深い雪の中。
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快適な山歩き。
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しかし、九合目の避難小屋が見えるころ、私は深刻なガス欠(シャリ切れ)!歩いては止まり、歩いては息を切らし、衣子に置き去りにされた。昨夜のワインの飲みすぎか、あるいは途中ルート取りを間違えてシートラのつぼ足を強いられたせいか、おーーい、衣子さーーーん、待ってくれーー~~
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しかし、ここは現金なもの。外輪山に到着したら、がぜん元気を盛り返した。頂上には見向きもせず、羊蹄山父釜(噴火口)へと滑り込んだ。パウダー!
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我々の前に2本のシュプールが残されていた。先客が二人いたようであるが、今日もまったくの二人占め羊蹄山。ばんざーーーい!!
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外輪山へと登り返し、そしていよいよ羊蹄山大滑降。春山ならではの陽射しを浴びながら存分に楽しんだ。衣子さん、強いね、上手ね。
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山麓では畑の雪おこしが始まっていたが、まだ半分も進んでいない様子だった。残雪が多いのを喜んでばかりもいられない。今年のアスパラは遅れるかな?
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# by kobayashi-skin-c | 2018-04-29 13:05 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2018年4月教室 『アトピー性皮膚炎の新治療薬:デュピクセント』
待望のアトピー性皮膚炎の新治療薬、デュピクセントが発売になります。デュピクセントは世界初の抗IL-4/13受容体モノクローナル抗体で、乾癬治療では当たり前となった生物学的製剤の一つです。IL-4/13によるシグナル伝達を阻害し、アトピー性皮膚炎のかゆみ、炎症を強力に抑えます。開発試験時において重症の副作用はほとんど生じていません。課題はその値段にあります。生物学的製剤に共通した問題ですが、デュピクセントは300mgの注射が約8万円(3割負担の方で自己負担額が2.4万円)です。2週間に一度続ける必要があります。デュピクセントの作用機序、効果について皆様にお伝えいたします。

アトピー性皮膚炎を持つ方々は、ほぼ間違いなく、つらい痒みのため、不眠や勉学・勤務に集中できないという悩みをお持ちです。さらに引っかくことにより、皮膚炎の悪化を招き、よりかゆみが強くなりまた引っかくという悪循環に陥ってしまいます。日本皮膚科学会では「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」を作成し、治療の均質化を図っていますが、重症アトピー性皮膚炎の治療にはなかなか決め手がありませんでした。
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私たち皮膚科医は、症状をみながら外用薬の選択に努力します。しかし強いステロイド外用薬に対する不安感、不満を持つ患者さんも多く、さらに治療を難しくする現状があります。

近年アトピー性皮膚炎が皮膚バリアの破綻をきっかけとして、Th2型という免疫経路が強い痒み、皮膚の炎症を起こすことが明らかとなり、免疫経路にかかわるさまざまな物質も特定されるようになりました。このさまざまな物質をブロックする治療が今日の新薬です。分子標的薬あるいは生物学的製剤と呼ばれます。
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新薬デュピクセントはTh2免疫経路にかかわるIL(インターロイキン)-4、IL-13を標的とする生物学的製剤です。
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2週間に一度の皮下注射を行います。
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開発試験時のデュピクセントの効果です。ここでいうEASI-50とは、印象でいうと「かなり良くなった」、EASI-75とは「すごく良くなった」、EASI-90は「ほとんどなくなった」に相当するとお考え下さい。
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デュピクセントの効果は治療を始めてから早い段階で現れます(EASI変化率)。
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痒みに対しても早期から有効です。
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副作用(国際共同試験
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試験集計)

403例(日本人62例を含む)において、副作用123例(30.5%)に認められました。

な副作用は、注射部位反応29例(7.2%)、頭痛12例(3.0%)、アレルギー性結膜炎7(1.7%) 。重篤な感染症はありませんでした。

※主な副作用:プラセボ群の発現率よりも1%以上高い頻度で認められた副作用のうち、発現頻度が高かった上位3つを主な副作用として記した。

デュピクセントは世界で初のアトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤です。治療的意義はたいへん高いものがあります。しかしながら、新治療薬につきものの高額な医療費が問題として残ります。注射1本が約¥80,000であり、3割自己負担額は¥24,000、月に¥48,000という高額になります。目を丸くされる方が多いと思います。皮膚科医にとってもたいへん残念な気持ちではありますが、こうしてアトピー性皮膚炎の研究が進み、新薬が登場したことに大きな感慨を覚えます。これからも、さらに新しい生物学的製剤の開発が進みます。アトピー性皮膚炎の研究、治療が、けっして医療から置き去りにされてはいないこと、大きな希望があることを、デュピクセントの登場が如実に語っています。「つらいアトピーからの解放」には幾筋もの通り道があります。その一つにデュピクセント(生物学的製剤)を加え、精神的にも大きな支えとしていただきたいと思います。

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デュピクセント資料の一部は、サノフィ社「デュピクセント」ホームページから引用いたしました。




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# by kobayashi-skin-c | 2018-04-29 12:14 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
2018年3月 『氷と雪の宮殿、上ホロカメットク』 March 2018 "Ice and Snow Palace, Hokkaido"
上ホロカメットク山(かみホロカメットクやま)は、北海道上富良野町・南富良野町・新得町にまたがる標高1,920 mの山。十勝岳と富良野岳の中間にあり、夏は縦走の一環として登られることが多い。安政火口から屹立した岩山で、冬季に氷りついた爆裂火口壁が格好の氷雪クライミングルートを数多く提供する(2016年3月「氷雪の上ホロカメットク」から引用)。

3年連続のクライミングを、AGノマド宮下親分のガイドで、楽しむことができた。楽しむ?

これが上ホロカメットク北西稜。昨年、十勝岳三段山山頂から撮影した。実は昨年、この写真の翌日、上ホロカメットクは吹雪で登頂を諦めた。
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中央の山頂から左下に向かってのびるのが上ホロカメットク北西稜。

今年の大雪・十勝の雪解けは早い。上の写真は4月下旬。今年は3月というのに岩がむき出しになった部分も多かったが、クライミングの朝は気温が下がり、北西稜は素晴らしいアイス状態にあった。

早朝、朝日に向かって安政火口を目指す。
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安政火口の取り付きにて。晴天に雪壁が輝いている。
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雪壁を登る。締まった雪面にアイゼンが音をたてながら刺さる。快感を覚える。
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北西稜の核心が迫る。
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ピッケル、アイゼンが確実に氷を捉え、快適なクライミング。そして何より宮下親分のサポートが心強い。
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氷雪の壁を抜けて稜線上へ。爆風が待ち受けていた。氷と雪の破片が飛び散り、顔に痛い。
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宮下親分、ありがとう。背後に十勝岳山頂がのぞいている。
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上ホロカメットク山頂。
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取り付き地点まで戻って、今日登ったルートを振り返る。美しい。
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感謝、感謝。
宮下親分に、衣子に、
そして包み込み、受け入れてくれた
上ホロカメットクに。

また来よう。

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# by kobayashi-skin-c | 2018-04-11 18:57 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2018年3月教室 『4月から変わる保険診療、医療費』、『ヨーロッパアルプスを滑る』
2018年診療報酬改定の要点は、

①2025年問題(団塊世代が高貴高齢者である75歳以上に突入)を目前に控え

②2年に1回の診療報酬改定

③3年回の介護報酬改定

が同時に行われる最後の機会であり、


(1)医療・介護施設の機能分化連携の推進

(2)在宅医療・介護の充実


を図ることが目標です。
すなわち、現在の日本では人口減少、高齢化、そして国の財政不安が重く大きくのしかかっており、高齢者のみならず、若者世代にも将来に対する不安感が広がっています。
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人口減少、すなわち若者世代(生産年齢人口)の減少により、高齢者の医療・福祉を背負い続けることが難しくなります。高齢化による国民医療費は増加の一途にあり、加えて近年の新薬開発・高価格が医療費高騰に拍車をかけています。
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わが国の医療制度は、みんなが平等に、どこでも、医療の恩恵を受けられるよう、世界の中でもたいへん優れた制度として機能していますが、それをまかなう費用は国民の負担(保険料、税金、自己負担費)によるものですが、国の財政の悪化、社会要因がその存続を脅かしています。
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超高齢化を迎えるわが国にとって、福祉政策(医療、介護)はいまや待ったなしの状況にあるといって過言ではないでしょう。その医療、介護の両者を考える、最大・最後のチャンスが、2018年の改定にあるといえます。

今回の診療・介護報酬の改訂に当たって、国(厚労省)は次のような課題をあげました。

(1)医療・介護施設の機能分化と連携の推進

1)入・退院時における医療機関と介護サービス事業者との連携促進

入院中から、退院後の療養生活支援を視野に入れた

①入院診療計画や退院支援計画の策定

②在宅医療を担う医療機関や訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所との連携

2)介護療養病床から介護療養型老人保健施設等への転換促進

3)介護施設における医療提供のあり方

介護施設においては、その類型に応じて医療の提供体制が異なるが、施設入所者等の現状に応じて、医療提供のあり方についてどのように考えるか。

(2)在宅医療・介護の充実

1)訪問看護・リハビリ等の要介護者等の在宅生活における医療提供

在宅生活者に対する医療を強化するため、訪問看護、歯科治療、薬剤管理指導やリハビリテーションの提供のあり方

2)看取りへの対応

在宅や介護施設等における看取りの対応を強化するため、在宅療養支援診療所等を活用し、地域における24時間対応や緊急時の対応が可能な体制を構築するため、診療報酬、介護報酬上どういった対応が考えられるか。

3)認知症への対応

認知症への対応を強化するため、早期の診断から個別の診療、在宅復帰に至る過程において、医療と介護が連携した上で、適切なサービスを提供するために、どういった対応が考えられるか。

○BPSD(周辺症状)への対応等、医療機関における認知症患者に対する医療についてどのように考えるか。

認知症対応型共同生活介護や小規模多機能型居宅介護における医療提供のあり方についてどのように考えるか。



私たちは、どのような改定がなされるのか固唾をのんで見守っていました。医療者として、いくぶん不安な気持ちがあったのも事実です。そこで出てきた具体的改定内容は、以下のようなものでした。

・夜間や休日に対応するかかりつけ医を対象に、初診時に800円上乗せ

・タブレット端末などで患者を診る「遠隔診療」の報酬を新設

・急性期病床の入院基本料を見直し、病床再編を促進

・自宅や施設でのみとりを進める

・紹介状なしで大病院を受診した人に追加負担を求める制度を拡大

・病院前に建ち並ぶ「門前薬局」の大手チェーンの報酬を引き下げ

・診察料などの本体部分は0.55%引き上げ、薬価は1.74%引き下げ

2025年問題といわれ、まったなしの改定であったはずの2018年改定が、「こんなものか」といった気持ちです。改定にいたる厚労省での策定過程の不透明さ、そしてなにより、国会での議論が「そば疑惑(モリ蕎麦=森友学園、カケ蕎麦=加計学園)」に明け暮れたことが、残念でなりません。国民の血税を、個人の利益に利用しようとする政治屋、その政治屋におもねる官僚。嘆かわしいかぎりです。

「ところで、いったい、お前はどう考えるんだ?」
と問われると、お恥ずかしいかぎり、何の施策・展望を述べることもできません。ただただ、みんなの幸せを祈るばかり。みんなの利益を図ることはできなくとも。






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# by kobayashi-skin-c | 2018-04-11 18:25 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)