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2024年9月『スペイン巡礼の旅-その②、巡礼者の一日』 September 2024 "El Camino de Santiago ② - A Day of Pilgrim"
2024年9月1日から10月1日までの31日間、フランス中南部のル・ピュイの町を出発し、オーブラックの台地を抜け、数々の「フランスで最も美しい村」を訪ねながら、750㎞先のスペイン国境の町サン・ジャン・ピエ・ド・ポーへ。いったん巡礼路を離れ、スペイン大西洋岸の保養地サンセバスチャンで映画祭に参加。もう一度サン・ジャン・ピエ・ド・ポーに引き返し、巡礼路「フランス人の道」へと出発。ピレネー山脈を越えてパンプローナの町まで歩きました。


巡礼者は、いったいどんな一日を過ごしているのでしょう?
巡礼の心得、巡礼のエピソードも交えながら綴っていきます。

まずは一日の始まり、

巡礼者の目印ホタテ貝をバックパックにぶら下げます。なぜホタテ貝?それには諸説ありますが、昔々の巡礼者は道々食事の施しをこのホタテの貝殻に入れてもらっていた、とか。
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バックパックの中身は、ほとんどが着替え。下着とTシャツは着ているものも含めて3セット。レインウエア上下、防寒用のヒートテック上下、タオル2枚、インナーシュラフ、非常食用のチョコレート、クッキー、ナッツ、レーズン、そして飲料水ペットボトル、お茶用の魔法瓶、ポカリスエットの粉末、洗面道具、救急セット、洗濯バサミにハンガー、iPhone充電器、バッテリー、そして地図、クレデンシャル(巡礼証明書)、パスポート。最小必要限度にしたつもりが、それでも小生のバックパックが10㎏、衣子が5㎏となってしまいました。
最初の5日間は背負いましたが、「ル・ピュイの道」前半はアップダウンが多く、途中からは配送サービスを利用することとしました。
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宿、山小屋の朝食は7:00~8:00。テーブルの上にたくさんのフランスパンが置かれ、バター、ジャムが添えられています。ジャムはたいていが手作りで、この季節アプリコット、ブルーベリー、そして日本では珍しいイチジクジャムでした。それにカフェ、ヨーグルト。ホテルの朝食以外では、卵、ハム、チーズなどのタンパク質はありません。ものの10~15分で済ませて、用足し、荷物のパッキング後に出発。宿のご主人が目覚めているときは、出発の挨拶は欠かせません。「Bon Chemin(ボン・シャマン)」(スペイン語では「Buen Camino(ブエン・カミノ)」)の言葉とともに送り出され、日が昇る時間は8:00前後、少し薄暗い中を歩き始め、やがて朝日を背に浴びながら、つまりは西に西に向かって歩き出すのです。


さて「750kmを歩こう」なんて計画、いったいどのようにして始まったのでしょう。
本格的にこのスペイン巡礼の旅を考え始めたのは、「熊野古道、中辺路」を終えてからでした。
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田辺市熊野ツーリストビューローのホームページにこんな書き込みを見つけました。
『二つの道の巡礼者 (DUAL PILGRIM)』 
二つの道の巡礼者 – 田辺市熊野ツーリズムビューロー
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そこから辿りつき役に立ったのが以下のWEB情報です。
サンティアゴ巡礼のフランスの道 | spain.info
フランス人の道 | CAMINO | 日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会
ル・ピュイの道 | CAMINO | 日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会

④Camino de Santiago - Via Podiensis

Le Puy to the Pyrenees on the GR65


スペイン巡礼(サンチアゴ巡礼)の巡礼路にはたくさんのルートがありますが、フランス国内を出発し、ピレネー山脈を越えスペインの大地を歩くコースを選択しました。中でも美しい「ル・ピュイの道」を選び、ピレネーまでを前半(フランス部分)、ピレネーからサンチアゴまでを後半(スペイン部分)に分け、まず今年は前半の巡礼路を辿ることとしました。経験者の旅程、日程についてもブログなどに詳しく掲載されています(リンクから)。「ル・ピュイの道」750kmを30‐35日で歩くのが標準のようでした。9月1日にル・ピュイを出発(日本を出たのは8月9日、8月10日~31日の間の出来事はまた後日掲載いたします)、そして到着を10月5日に想定し、日本への帰国は10月6日のパリ・東京便を予約しました。参考とした旅程では一日10~30kmの歩行、平均で25㎞弱/日の計算でした。

「ル・ピュイの道」巡礼路は広大な自然の中、そして美しい村々を通り抜けて歩きます。
巡礼路の8割は土の村道、農道で、ところにより勾配のきつい山道も通らなければなりませんでした。2割ぐらい舗装道路はありましたが、交通量は少なく安全でした。ここが「四国お遍路」と大きく違う点で、四国では舗装道路が大半を占め、時には大型トラックの行きかう幹線道路の端を歩かなければなりませんでした。

私たちはMICHELIN(ミシュラン)が発行する緑本の簡易地図だけで歩きました。巡礼路を示すGPSも公開されているようでしたが、iPhoneとにらめっこすることは避けました。道標がしっかりしておりそれだけを目印としました。2日に1度は道標を見逃して間違った道に進むことはありましたが、大きな道迷いはありませんでした。むしろGPSを頼りに歩いていた他の巡礼者から道を聞かれたこともあったぐらいです。
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道標の上左「赤白」のマークはGR(フランスのgrande randonnée 長距離遊歩道)、道標の上右「青いホタテ貝」がスペイン巡礼路の印。GR65と「ル・ピュイの道」は同一です。

これは目立ちます。
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これも分かりやすい立派な道標。
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しかし、これは見逃しました。
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拡大すると、
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日中の大半は歩いていますが、大切かつ大変だったのが泊まるところの確保と、食事の選択でした。「ル・ピュイの道」は人気の巡礼路であり、また9月は最適シーズンなので、早くから予約することが勧められていました。しかしながら、歩き始めてみないことには体力、体調の具合が分かりません。出発地のル・ピュイ、そして3日目までの宿を控え目の歩行距離で、日本出発前に予約しておきました。あとは「出たとこ勝負!」、しかしこれは甘い考えでした。

宿は大きく3種類に分けられます。
①公営(あるいは教会・修道院付属)のいわゆる巡礼宿
②私営の巡礼宿。フランス語で「Gite(ジットゥ)」。日本では「民宿」、「山小屋」にあたる。
③ホテル


①公営(あるいは教会・修道院付属)のいわゆる巡礼宿。歴史的建造物が多く、11~12世紀に建てられたものが改築を経ながらも、巡礼者のたいせつな宿として現在まで使われています。2食付きで30-40€。
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Accueil du Couvent de Malet(Saint-Come-dOltの修道院)


附属教会の内陣




Accueil Abbaye de Sainte-Foy (コンクのサント・フォア修道院)
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2段ベッドが8台、16名部屋。たいへん清潔で過ごしやすい部屋でした。


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80名が一堂に会して夕食。8割はフランス人、その他はベルギー、ドイツ、米国、オーストラリア、日本。食後に得難い体験が待っていました。そのことはまた別の機会に。



モワサック市が運営するGîte l’Ancien Carmel
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②私営の巡礼宿。フランス語で「Gite(ジットゥ)」。日本では「民宿」、「山小屋」にあたる。多くは2食付き、大部屋で30-40€、個室で50-60€。なかには「宿代はなし、Donation(寄付)のみ」という所もありました。


1日目の宿、MontbonnetのGîte l’Escole。15名が泊まれる宿。ご主人メフディと。
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1日目はル・ピュイから17㎞の地点。14:00には到着しました。宿はだいたいが厳格に15:00からチェックイン。チェックイン後はまずすぐにシャワー、同時に洗濯、そして物干し。それが終わると、はい、ワイン🍷 夕食中は赤ワインがタダで供されます

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Giteの夕食は女将ファニーさん手作りの料理。この日は自宅菜園で採れたお野菜たっぷりメニューでした。
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夕食時、皆が家族になります。この日は15人中オーストラリア人4人家族、1人の米国人女性、そして私たち日本人だったので英語での会話が可能でした。日によっては英語がまったく~ほとんど通じないGiteもありました。まあ、何とかなるもんです。この15人のうち7人が、2日目以降も先になったり、後ろになったり「旅の道連れ、Camino Friends」となりました。
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2日目の宿、RoziersのChambres d’hôtes l’Arche de Gabriel。牧場の中の素晴らしいところでした。夕食も最高においしく、昨夜の同宿者が我々を含め8名。ワインを飲みながら、日本の技術力の素晴らしさ(おもにウオッシュレット)を話題に最高に盛り上がり、顎が外れるほど笑い転げました。
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どこの宿でも夕食にデザートは必須。手作りケーキ、これが美味しいのです!



食事の途中でちょっとシモの話題。海外旅行を経験した方はよくお分かりかと思います。日本のトイレ事情がいかに素晴らしいか!裏を返せば、海外では・・・・・・。ところがこの巡礼路、そうではありませんでした。
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日本の山小屋でも最近見かけるようになった「バイオトイレ」。中は清掃が行き届き、使用後は日本のバイオトイレと同じようにペダルを踏んで中のおがくずをかき混ぜます。臭いもしません。
と絶賛したのですが、この施設が置かれていたのは最初の3日間だけ。あとは「自然の中」。まあ私にはたいへん気持ち良いのですが、女性は大変です。森の中だと人が来ないのを見計らって・・・・なのですが、タイミングを間違えると・・・・・。何度か他人様の「白いおしり」を見る羽目となりました😲。
 

8日目、Saint-Chély-d’Aubrac村のGîte Communal Chez Fanny et Jérémy。朝食のみで25€。気さくで親切なファニーとジェレミーでした。夕食が付いていないときは村/町のレストランに行きます。この時ばかりにと美味しいものを食べたいのですが、どこに行けば?役に立ったのはGoogle Mapのクチコミでした。この夜はオーブラック牛のステーキでした。生涯一のステーキでした。肉質が和牛とはまったく異なります。肉に弾力があり、脂が少なく、噛めば噛むほど肉の味がじわっと口の中に広がります。さもありなん、オーブラック牛は自然放牧、自然の牧草だけを飼料とし(サイロ、サイレージの牧草も使いません)、牧草の中には香草も含まれており、肉の旨味を引き出しています。
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生涯で一番おいしかったオーブラック牛のステーキ!
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伸びる伸びる「アリゴー」。オーブラック牛は全て完全放牧で自然の牧草のみで育ち、そのミルクから特産のトム・フレッシュ・ド・オーブラックチーズが作られます。12世紀ごろから始まり、旅に疲れた巡礼者のための貴重な食べ物としてポテトと混ぜ合わせたオーブラック地方の名物料理「アリゴー」となったとのこと。

「Gite(山小屋、民宿)」のほとんどは、古い農家を利用したもので、200年~300年前に建てられた家でした。
Limogne-en-Quercyの”Gîte le Mas du Cartographe”
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この日は最高の天気でチェックイン時間前から庭に入れてもらい、のんびり、まったりと休みました。青いバックの飲物入れの中身は昨夜の残った赤ワイン。フランスパン(バゲット)は村のパン屋さんで。

「ル・ピュイの道」の終着点、そして「フランス人の道」の起点であるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーの「Gite」。下の写真、衣子はどこにいるでしょう?
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人気のルート、人気の町では道もこんなに混んでいて、もちろん宿も混んでいます。「Gite」の部屋も一部屋6~10人、3~4部屋と広いのですが、「満室、お断り」の宿が多くなり、予約もなかなかできませんでした。電話予約は1回で諦めました。「Gite」(山小屋、民宿)は「フランス語」しか通用しません。巡礼路宿一覧表がネット上にあり(前述の④情報)、連絡先メールアドレス、WEBホームページがあり大変便利でした。しかしiPhoneを使ってメールしますが、希望宿泊日の目前になっても返事がなかったり、返事があっても満室で続けて断られたりすると(リクエストメールは英語ですが、返信メールはフランス語!)すっかりめげてしまいます。この作業がたいへんストレスでした。だいたいの歩行距離、宿泊希望予定地が決まるようになってからは、WiFi 環境の良いところから、一気にメールするようになり、宿泊予約がすべて終わった時は「便秘解消」の気分でした。
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Giteの玄関には「満室お断り」の札が
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③ホテル
大部屋の生活、大勢での食事が続くと疲れてきます。大きな町ではホテルも利用しました。予約もインターネット予約サイトが使えるので簡単にできました。便利ですが少し贅沢になります。二人で一部屋が100~200€。

Saint-Alban-sur-Limagnoleの村で宿泊した"Hôtel Relais Saint-Roch"。"Relais"ですから昔のお屋敷です。古色蒼然としたたたずまいでホテルの従業員?は老夫婦お二人だけ。宿泊者も私たち二人だけ。
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心温まるおもてなしでした。雨の中早めに着いた私たちを招き入れてくださり、
ウエルカム・シャンパン!
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もう一つ思い出に残るFigeacの”Hôtel Mercure Figeac le Château Viguier du Roy”
このホテルの名は”Château”ですからお城! ホテルに入るなり舞い上がるようなところでした。恥ずかしながら、こんな格好で、「写真、撮ってください!」
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ホテルのお庭
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ホテルのお部屋
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その日の夕食
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前菜のビーフ・カルパッチョ。半分ずつに分けてくれました。


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メインのラム肉7時間煮込み


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メインの鴨のロースト、フォアグラに、鱒の春巻


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そしてデザートはクレムドブリュレ、ジェラート、イチジク添え
ワインはブルゴーニュ・ボーヌの赤
巡礼路の途中で、ほんとに罰が当たりますね。



そして一日の終わり、教会・修道院の付属宿泊施設では夜のミサが巡礼者祝福のために行われます。コンク(Conque)のAccueil Abbaye de Sainte-Foy (サント・フォア修道院)でのミサは生涯忘れえぬ思い出となりました。

80人の巡礼者が一堂に会した夕食の終わりに、修道僧から「フランス人の巡礼者?」、「ドイツ?」、「イギリス?」、・・・・・・・、「日本?」の質問にみんなが挙手します。そしてその最後、「フランス人を代表して、あなた!」、「海外からはアメリカ人のあなた、そして日本人のあなた!ミサにおいて聖書の一節を朗読してください」。なんと衣子が指名を受けたのです。むろんフランス語での指名に何が何だか訳が分からない私たちでしたが、巡礼仲間のベルギーの方が英語で教えてくれました。
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修道僧から説明を受ける衣子と、アメリカのVictoria。

そして朗読は、YouTubeでご覧ください。

キリスト教徒ではない私たち、たいへん戸惑いましたが、巡礼者であることに誇りをもって引き受けました。また衣子はカトリック系の幼稚園(小樽ロース幼稚園)の卒園生。少しは資格があったのかも知れません。聖書の日本語コピーが手渡された、とのことでした。

そうして一日が終わります。
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続いて「スペイン巡礼の旅-その③、巡礼の仲間たち」をお届けします。

# by kobayashi-skin-c | 2024-11-02 12:46 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
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2024年9月1日、スペイン巡礼旅立ちの日がやってきました。
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フランス中南部の町ル・ピュイにある大聖堂から、スペイン西端、大西洋にほど近い聖地サンチアゴ・デ・コンポステーラに向かって歩き始めました。大聖堂は聖地に向かって建てられています。赤い屋並みがル・ピュイの町、その遠くに広がる緑の向こうの、向こうの、そのまた向こうの向こうにサンチアゴがあります。


なぜ巡礼、それもキリスト教の聖地?
昨年4月、退職を契機に四国遍路の道を歩きとおしました。そのとき驚いたことに多くの外国人お遍路さんに出会い、ともに歩いたのです。そしてその彼ら、彼女たちの口から出たのが「スペイン巡礼」です。「スペイン巡礼は素晴らしい、だから日本の巡礼路にも来た」と。
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なぜ、巡礼? 私にとって、それは歩くことが「楽しい」に他ならないから。そしてそれが古から続く祈りの巡礼路ならばなおさらのことです。四国遍路では歩きとおすことにより「自らを知り 自らにおごらず 自らに挑み 自らを超える 日々人生遍路」と学びました。


さらに後押ししたのが、昨年の末に訪れた「熊野古道」でした。
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(上二枚の写真は田辺市ツーリストビューローHPから引用)

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熊野古道では神の存在について問い掛けました。現代の科学的社会において神の存在を本当に信じている人は少ないでしょう。私も然り。しかし、大自然に抱く畏怖の念、人と人のつながりへの感謝の念、家族・友人への愛の念、これらを私は神の力と思っています。巡礼路では、この神の力を大きく感じることができるからこそ、巡礼路を歩くことが引退した今の自分の好きな道と思うのです。


スペイン巡礼路、サンチアゴ巡礼路とも呼ばれますが、スペイン西端にあるサンチアゴ・デ・コンポステーラでは、キリスト十二使徒の一人である聖ヤコブ(スペイン名でサンチアゴ、フランス名でサンジャック)の亡骸がみつかりそこに大聖堂が建てられました。11世紀ごろからキリスト教三大聖地(他はエルサレム、ローマ)の一つとして巡礼者がヨーロッパ各地からサンチアゴを目指すようになったのです。
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(日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会発行の巡礼手帳から引用)

こんなにたくさんの巡礼路があるのですね!もっとも人気が高いのがスペイン国境、ピレネー山麓のフランスの町サン・ジャン・ピエ・ド・ポールから国境のピレネー山脈を越えてパンプローナ、ブルゴス、レオンを経てサンチアゴへと至る「フランス人の道」ですが、私たちは今回フランス中南部の町ル・ピュイを出発点として選びました。「ル・ピュイの道」と呼ばれます。その理由については、これからご紹介する写真の数々を見ていただければおわかりと思います。

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9月1日午前7時、ル・ピュイ大聖堂「巡礼者祝福のミサ」に参列。そして長い長い階段を下りて巡礼へと出発しました。
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長い階段の下の道標には「サンチアゴ・デ・コンポステーラ 1522km」とあります。これからの巡礼路、地図を持たない私たちにはこの道標だけが頼りです。


さあ、歩きます。1日目だけで標高630mのル・ピュイからオーブラック台地へと標高差600mを登ります。
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動画でも歩きます。https://youtu.be/fF7DClaK9L4


大半は牧場の間を抜けていきますが、時折森の中の小道、山道を歩きます。台地はけっして平坦ではなく、幾筋もの沢が流れており、沢への斜面に森が残され、この沢の登り・下りではけっこうな急斜面が待っていました。
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当初はこの景色に「きれいね!」、「すばらしい!」を連発していましたが、歩けども歩けども空と牧場ばかり。だんだんと無言になります。「あっちだよ!」と教えてくれる聖ヤコブさんに「ほっこり107.png」。
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そしてまた牧場の中。とにかく広い、大きい!
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標高1000m~1400mのオーブラック台地(オーブラック地方)のほぼ全てが牧場であり、北海道が酪農王国とよばれるのがおこがましい気がしました。それもここで育てられる牛には「オーブラック牛」の認定基準があり、すべて自然放牧、餌は牧草のみ。その牧草もサイロ、サイレージで保管しない自然の牧草のみです。この環境の下で育った牛から生産されるチーズ、牛肉だけがオーブラック産を名乗れるそうです。食べ物の話題は別に投稿いたします。


標高が高いオーブラック台地に風が吹き抜けます。気温も10℃を下まわり、これは想定外でした。

強風の中も、よろめきながら歩き続けます。  https://youtu.be/jAojneZh1kM

雨の中も歩き続けます。スペイン巡礼の道、5日目。雨の中を歩く (youtube.com)


ここで今回の「ル・ピュイの道」で通った、そして訪ねた主な町の名を列挙しておきましょう。

ル・ピュイ Le Puy → アント・オーブラック Aumont Aubrac →
ナスビナル Nasbinals → エスタン Estaing コンク Conques
フィジャック Figeac カオール Cahors モンキュ Montcuq
ロゼルト Lauzerte モアサック Moissac
レクトゥール Lectoure コンドン Condom オーズ Eause
オスタバ Ostabat
サン・ジャン・ピエド・ポル Saint-Jean-Pied-de-Port
この間ガイドブックでは750.5km

投稿は訪ねた町の名のとおりの順番ではありませんので、あしからず。

私たちが歩いた「ル・ピュイの道」は巡礼路そのものが世界遺産に指定され、いくつかの教会、修道院、さらにお城や橋なども歴史的建造物として世界遺産となっています。また「フランスで最も美しい村」に認定された村々を次々に訪ねていきます。この町歩き、村歩きも素敵でした。


巡礼8日目、Saint-Come-dOltの宿泊所の修道院
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巡礼10日目、世界遺産の村、エスタン
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エスタン橋から見るEstaing(エスタン)の村。標高10001300mAubrach台地を下り、ロット川に沿った美しい村々を通り過ぎる。巡礼路自体が世界遺産であり、村々の多くが「フランスでもっとも美しい村」に認定されている。今日の目的地エスタンは何百年の時が止まったような、息を呑むほどの美しい村。ちなみに、第20代フランス大統領ジスカールデスタンの母方エスタン家の所領地であったとのこと。なのでdEstaing (フランス語読みでデスタン)だそうです。

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巡礼11日目、終日霧雨の中を歩き辿りついたコンクの村はさながらおとぎの国のようでした。二つの尖塔はセント・フォア教会、修道院。
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動画でもどうぞ。https://youtu.be/hOUNjCdIlQg



巡礼13日目、フィジャックの町、赤い瓦がきれいです。
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フィジャックの町の広場


デカズビルは日曜日マルシェ(市場)
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巡礼15日目。そしてカオールの町、その世界遺産。
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ロット川に架かるヴァラントレ橋(世界遺産)、橋の向こう側に広がるのがカオールの町。

早朝のロット川に朝霧がかかっていました。
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オーブラック台地を下りロット川沿いの道になると、牧歌的風景が広がります。森の中に遺跡、古いチャペルが現れます。
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巡礼17日目、遠くの丘の上にモンキュの村が現れました。
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モンキュも「フランスで最も美しい村」の一つです。
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巡礼18日目、そしてロゼルトの村
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ロゼルトの村からは「中秋の名月」を望むことができました。
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巡礼19日、20日目、モワサックはガロンヌ川中流域の美しい町。今まで歩いてきた巡礼路の町々とは趣が異なる。世界遺産のサン・ピエール修道院・付属教会は静謐の雰囲気に包まれ、ここでも千年の歴史が閉じ込められたまま今に残っています。ガロンヌ川に沿って掘られた運河の横を歩きました。
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もう、巡礼21日目。Eauze (エオーズ)へ。今日、明日はバスを使って一気に200kmを進みます。エオーズ大聖堂ではおりしも結婚式。私たちも祝福の列に加わりました。そして大聖堂前の広場では秋祭り?豚が葡萄の枝で丸焼きにされていました。ここでもお祭り気分の一員に加わりました エオーズはアルマニャック地方中心の街。今晩はブランデー!

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巡礼22日目、ここはもうバスク地方。家の紋章もバスク語にバスク模様。牧場の緑は濃く、陽射しも強い。

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フランス、スペイン国境が近付きピレネー山脈も見え始めました。
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巡礼23日目。Ostabat-Asmeを日の出とともに出発。今日も西へ西へと進み、Le Puyからの道の最終点、Sain-Jean-Pied-de-Portに至りました。750kmの道のりのうち1/3はバスを使いましたが、歩くことでしか見ることができない、感じることができない世界に会うことができました。
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あの大怪我からまだ7ヶ月、衣子はよく歩き続けました。頑張って共に歩いてくれてありがとう。明日からはサンセバスチャンの街、映画祭を楽しみましょう!

サンチアゴへの道はまだ続く。

また続編をご覧ください。


# by kobayashi-skin-c | 2024-10-23 07:43 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2024年7月 『豊富温泉の治療効果の科学的検証』 July 2024 "Scientific Evidence of Toyotomi hot spa for skin diseases"
2024年7月10日に発行された『陽だまり』乾癬の会だより 92号に掲載された記事を転載いたします。

豊富温泉の皮膚病疾患に対する治療効果の科学的検証

 612日、岐阜大学皮膚科教授岩田浩明先生から嬉しい連絡がありました。

「こんにちは、お久しぶりです。お忙しくされている毎日かと思います。

僕は岐阜に戻り、少しずつですが生活も落ち着き研究室も動き始めたところです。

先生よりあずかりました豊富温泉の原油を用いた研究は、実験助手の田中加蓉子さんが非常に熱心にすすめてくれており、結果が増えています。

昨年は研究内容で日本健康財団の研究助成をいただき、その成果発表を先日行い優秀賞を獲得しました。貴重な機会をいただけたことを改めまして感謝申し上げます。

研究助成の成果報告書が出来上がりましたのでPDFで送らせていただきます。お時間のある時に目を通しください。ご助言などいただけますと幸いです。

謝辞に先生のお名前を入れ忘れてしまったことを心よりお詫び申し上げます。

今後、さらに結果を増やして最終的には英文投稿を考えておりますので引き続きご指導ください。今後ともよろしくお願い申し上げます。

岩田浩明」

 1993年の第1回乾癬の会湯治ツアーで初めて豊富温泉に出会ってからずっと、「どうして豊富温泉は乾癬に、そしてアトピー性皮膚炎に効くのだろうか」と思い続けていました。その疑問に光を当ててくれたのが「タピナロフ」という新しい乾癬治療薬の登場でした(その詳細は2022年の陽だまり85号、87号でお知らせしました。本ブログでも2022年12月記事「豊富温泉がなぜ効くか」に掲載)。「豊富温泉成分にはタピナロフと共通するものがあるに違いない」と考え、成分分析のため当時北海道大学皮膚科におられた岩田先生に豊富温泉原油をお渡ししました。まもなく先生は岐阜大学に転任されましたが、岐阜大学でも分析実験を続けられ、今回の発表にいたりました。この報告書の最後はこう締めくくられています。「本研究結果から、豊富温泉成分は炎症性皮膚病疾患においてバリア機能の回復の観点から、高い有効性が確認できた。今後、バリア機能回復の更なる詳細な機序の解明により、豊富温泉の湯治としての有効性に加えて、炎症皮膚疾患に対する新しい治療薬の開発にもつながる可能性を秘めている」と。

 その報告書コピーの陽だまり掲載を岩田先生からこころよく許可いただきましたので、以下に1ページ目を掲載いたします。(記小林 仁)

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左が岩田浩明先生

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豊富温泉ふれあいセンター、油が浮く湯治用浴槽(乾癬の会湯治ツアーにて)


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# by kobayashi-skin-c | 2024-08-06 12:56 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2024年7月『大雪山系トムラウシ、沼の原縦走』 July, 2024 "Trekking in Taisetsu Mountains"
久々のトレッキング。目指したのは大雪山系トムラウシ山から沼の原。ずっと歩きたいと思っていたコースですが、台風や大雨で沼の原登山口の閉鎖が続いていました。7月11日5:00am札幌の自宅を出発し新得町のトムラウシ山登山口へ。三泊四日のテント旅トレッキングです。体力にはもう自信がなくなってきているので担ぐ荷物は極力減らして、食事の大半はアルファ米、お酒もワイン1本分だけ!それでもズシリと重かった。
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朝9:30、元気に登山口を出発。


カムイ天上に着くと、その標識にヒグマが齧った痕。クワバラクワバラ。
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さらに前トム平に着くと、ここの標識にもヒグマの齧った痕。ヒトに恨みでもあるのだろうか。
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お目当ての山の花々(チングルマ、エゾノツガザクラ)が満開、前トム平からはトムラウシ山頂が間近に望めましたが、この後からぽつぽつと雨。
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午後4:15、ようやくのことトムラウシ山頂直下の南沼テント指定地に着きました。先客テントは二張。疲労困憊の私たちを見て、地元のお二人がテント設営を手伝ってくださいました。ありがとうございます。
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テント設営が終わり中に入った途端、本格的な雨になってきました。少し盛り下がります134.png


翌朝一番でまずは山頂へ。ガスガスでした。今回が4度目のトムラウシ山頂。眺望は1勝3敗。
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お目当ての日本庭園も天沼も霧の中、幻想的な美しさではあるのですが、衣子の表情も曇りっぱなし。


雨が降ったりやんだり、二日目の宿泊地ヒサゴ沼では避難小屋に寝床を確保しようとしたのですが、避難小屋に入ると2:00pmにもかかわらず人でいっぱい。さらにここからトムラウシ山頂ピストンをする人たちの寝袋が置きっぱなし。とても快適なスペース確保は無理と判断し、小雨の中、濡れた地面にテント設営。テントの中でゆっくり休息、と思ったが暗くなるころから強い雨と風。風でテントが飛ばないか、雨で水浸しにならないか、ヒヤヒヤ。打ちつける雨音で衣子の声も聞こえないほど。その模様はYouTubeで!

翌朝三日目。ヒサゴ沼は霧の中。雨でびっしょりと濡れたテント。ザックの重さに重い心はさらに沈み込む。ところが化雲岳、五色岳を過ぎて五色ヶ原にかかるころ、陽射しが、青空が、トムラウシ山が!五色ヶ原は色とりどりのお花畑。
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良かったね、きれいだね、衣子さん!


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大好きなエゾコザクラも微笑みかけてくれました。泥んこ道もなんのその。


そしていよいよ沼の原。あまりの美しさに、今までの悲しい道のりもすっかり明るい思い出となりました。
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このテント場の美しさ、楽しさは一生の思い出となるでしょう。大沼に映し出される針葉樹の森、どっしりと横たわるトムラウシ山、湖畔に現れたエゾシカ、......すべてが美しかった!


そして四日目の朝、まばゆい日の出を迎えました。
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あれほど打ちひしがれたヒサゴ沼のテントの中の会話もなんのその、衣子の口からは「また来るわよ、今度は逆コースね!」101.png 沼の原の木道に思わずズッコケた衣子でした。

また来ようね 169.png169.png



# by kobayashi-skin-c | 2024-08-05 20:57 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2024年7月 『山旅、食旅、そして少し観光 その3 広島編』
7月に入って向かったのが広島。もちろんまずは広島カープ観戦です。試合開始前、広島カープオーナーにご挨拶、広大附属高校OB野郎5人のミニミニ同窓会でした。

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赤い法被を着て熱烈に応援しましたが阪神タイガースに惜敗

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毎度お馴染み、お好み焼「電光石火」に舌鼓



そして世界遺産の宮島へ。30℃を超える暑さに負けず弥山登山。
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弥山山頂からの眺めは最高です。瀬戸内海の島々、穏やかな海、白い航跡を引く船。


広島からは鳥取県までレンタカーで足を延ばしました。一度はチャレンジしたものの強風のため登れなかった伯耆大山です。梅雨の晴れ間、絶好の好天に恵まれ無事登頂しました。私たちの百名山33座目。登山道わきのヤマアジサイがとてもきれいでした。
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大山は信仰の山、大山寺、神社があり、祈りを捧げることも忘れませんでした。
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下山後は広島に戻り義兄の家を訪ね、姉、姪たちが作る故郷の味に舌鼓。義兄の家の庭には、姉が丹精込めて育てたアジサイが咲き乱れていました。
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さてさて、広島の旅の終わりはこの人のコンサート。山旅だったのか、食旅だったのか。いやいや今回も衣子の「追っかけ旅」でした。
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コンサート後、会場すぐそばの広島平和記念公園を訪ねました。暮色の空に建つ原爆ドーム。もうすぐ79回目の原爆忌。ウクライナ、パレスチナのことを思いながら祈りを捧げました。
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広島から北海道に戻ると、全館冷房中のようでした。やっぱり北海道がいいなぁ!

# by kobayashi-skin-c | 2024-08-05 14:55 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)