2017年5月 『残雪の穂高岳』 May 2017 "Mt Hotaka with spring snow"
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上高地河童橋からみる奥穂高岳。青い空、白い峰々、黒い岩壁、木々の新緑、そして透きとおった梓川。なにもかもが、心を満たしてくれる。憧れの上高地、そして穂高連峰。秋の西穂、夏の奥穂・北穂に登ったが、残雪期の穂高は初めてである。ノマドが企画した「残雪の穂高連峰縦走」に参加した。ガイドはYOUさん。
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上高地から徳沢へ、緩やかな道が続く。この季節、林床はニリンソウで埋め尽くされていた。その森でサルたちが遊んでいる。

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梓川と前穂高の岩壁。胸がわくわくする。
そして横尾から涸沢へ。本谷橋から向こうは全部、雪。アイゼンを履き、ピッケルを握る。そしてガイドの寺沢さんと、そして衣子とザイルで結ばれた。寺沢さんは横浜在住。YOUさんとは山岳ガイド試験の同期生とか。
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誰が呼んだか、涸沢劇場。そのU字谷が全部雪で埋まり、黒い岩壁に囲まれる。美しい。
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ザイテングラートの脇の急斜面を登った。アイゼンがしっかりと効き、ピッケルも気持ちよく刺さる。


そして穂高岳山荘に泊まった。我々ノマドチーム以外には二人しか泊まっていなかった。さて、翌朝。じつは、今までの写真はすべてこの朝からのもの。前日、涸沢から上はミゾレ、ときおり吹雪。そして一晩中、ゴーッゴーッと風が吹き荒れ、吹雪いていた。写真など写す余裕もなかった。この日は快晴。しかし気温は零下5℃。昨晩のミゾレ、雪はすべて氷化。奥穂高岳、前穂高岳への縦走は諦めざるを得なかった。YOUさんの判断で、穂高岳山荘から涸沢岳を往復し、ふたたび涸沢に下り上高地に戻った。
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朝の穂高岳山荘前で、アイゼンの準備を整える。



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涸沢岳山頂にて。山頂からは眼下に穂高岳山荘が望まれる。そして奥穂高岳がどっしりと聳え、ギザギザとした山稜が続く。右端がジャンダルム。
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目を転じると北穂高岳へ続く稜線、さらに遠くには槍ヶ岳の黒い岩塔が天を衝く。ずっとずっと向こうに真っ白な立山連峰、白馬連峰も見晴らすことができた。縦走はできなかったが、この展望を得ることができただけで満足とすべし。
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さらに翌々朝。ふたたび空は晴れ渡り、上高地の景色を満喫した。
大正池に映る朝焼けの焼岳とシルエットの穂高連峰。
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  いつかまた。







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# by kobayashi-skin-c | 2017-07-16 21:23 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2017年5月 『雌阿寒岳・雄阿寒岳』 May 2017 "Mt Me-Akan & Mt O-Akan"
記事の書き込みが遅れてしまった。この間、どんよりと停滞していたわけではない。素晴らしい山行がいくつもあった。そんな中でも初夏の雌阿寒岳、雄阿寒岳は思い出に残るものであった。
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雌阿寒岳は日本有数の活火山で、数年前まで長く入山規制が行われていた。登山口からしばらくはエゾマツ、トドマツの森の中を進み、森林限界から上は月面のような火山地形となる。そして山頂には大きな噴火口が口を開け、活発に噴煙を上げている。私が知る火山の中で一番火山らしく、一番神秘的だ。
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下山すると大好きな野中温泉(雌阿寒温泉)が待っている。オンネトーと同じ翡翠色をした温泉である。
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翌朝は雄阿寒岳に登った。湖畔の登山口にとつぜん遊覧船が現れ驚いた。
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雄阿寒岳は想像以上に手ごわい山だった。なんせ登山道に倒木が多く、くぐったり、跨いだり、迂回したり、随分と時間がかかり、おまけに六合目から上の登山道はすっかりと雪に覆われてしまった。ここで撤退。無念!咲き乱れていたエゾオオサクラソウに心を癒される。
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札幌への帰り道、十勝川温泉に立ち寄った。十勝川の向こうに、日高の白い山峰が連なっていた。
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# by kobayashi-skin-c | 2017-07-16 18:23 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2017年6月教室 『爪の病気』

「爪の垢を煎じて飲む」だの「能ある鷹は爪隠す」だの「苦髪楽爪」などなど、爪にまつわることわざ、迷信は数々あります。爪の色の変化、形の変化が、全身の栄養状態、病気とかかわりを持つことがあるためかもしれませんね。少し詳しく、そして正確に、爪について知ってみましょう。

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ピンク色できれいな爪ですね。正常な爪の構造は次の図のように表され、それぞれに名称が付けられています。

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この爪に起こる変化は、
1.色の異常
2.形の異常
3.伸びの異常
として目で捉えられます。その異常からどんな爪の病気なのか、また全身の病気と関係はないか、などを正確に診断することが大切です。

1.色の異常
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色の変化では、やはり爪の悪性黒色腫(メラノーマ)がもっとも気になるところです。写真から分かるように、メラノーマでは爪の形の異常(破壊)が同時に起こります。また爪の色だけではなく、周囲の皮膚に染み出すように黒い色が広がっていることが重要なサインです。ただ極めて初期のメラノーマであればこの見分けが難しくなるでしょう。やはり、黒い爪に気がついたら皮膚科専門医を受診することが大切です。

そのほかの色の異常として、次のような全身疾患と関連があることもあります。
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2.爪の形の異常
次の写真にあげるような変化が多くみられます。ほとんどが爪だけに生じる変化であり、心配はありませんが、他の皮膚の病気(たとえば乾癬、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症など)の一部症状であったり、全身の病気と関連がある場合があります。
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3.爪の伸びの異常
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このように様々な爪の変化があるのですが、じつは私たち皮膚科医も爪の変化・病気にはちょっと弱いところがあるのが事実です。ときには、教科書の図や写真を確かめながら診断の助けとすることもしばしばです。しかしながら、見逃してはならないメラノーマ、爪の感染症、そして全身疾患の兆候があり、私たちにも日々の訓練が必要です。今回の図・写真は西山茂夫先生の名著「図説 爪のみかた』から引用させていただきました。



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# by kobayashi-skin-c | 2017-07-16 12:34 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
2017年5月教室 『全身と皮膚』

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皮膚は文字どおり一枚の皮であり、人体をやさしく包みます。
外界から受ける様々な環境変化(紫外線、温度、湿度、さらにはばい菌・毒物など)に対抗するため、皮膚に変化が生じます。これが「skin in」の変化です。いっぽう、体内で生じた様々な変化も皮膚に影響を及ぼします。これが「skin out」です。

「皮膚は内臓の鏡」とはよく言われる言葉ですが、毎日の診療の中でそれほど多いわけではありません。突然全身が痒くなる蕁麻疹を発症された方は、びっくりして内科に駆け込まれることが多いようです。内科ではひととおりの血液検査を行い、「どこも異常ありません、皮ふ科を受診しなさい」で終わることが多いようです。内臓の病気(内科的疾患)からくる皮膚の変化にはいろんな種類がありますが、それほど頻繁ではありません。でも、こんなことを知っておくと安心だということも多々あるのではないでしょうか。

体内と関連ある皮膚の変化を大きく三つに分けることができます。

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内臓障害と皮膚病変について、2012年11月教室で有田副院長が説明しました。
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代表的なものとして、内臓に悪性腫瘍が発生した時に現れる皮膚変化があります。

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しかし、きわめてまれです。内臓悪性腫瘍の皮膚転移も珍しいものです。この中では、Ⅱ-2.免疫反応による皮膚病変(皮膚筋炎)が大切でしょう。
皮膚筋炎とは、上眼瞼部の紫紅色の腫れぼったい紅斑(ヘリオトロープ疹)、手指関節背面の盛り上がった紫紅色の丘疹(ゴットロン丘疹・徴候)、手指の爪の周囲の紅斑(爪囲紅斑)、背部や上腕の褐色や白色と血管拡張と皮膚の萎縮(多形皮膚萎縮)が特徴的です。前頚部~上胸部、肩・上背部にも紫赤色の紅斑が見られることもあります。

この病気では「筋症状のない皮膚筋炎」ことがありますので、皮膚症状の診断がとても大切です。筋炎は頸部、上腕、大腿など体幹に近い筋肉におきやすいため、しゃがみ立ちが困難、風呂の出入りがつらい、階段が昇りにくい、洗濯物が干しにくい、髪がとかせない、頭を枕から持ち上げられない、などの症状がみられます。写真の左上から時計回りに、上眼瞼のヘリオトロープ疹、首~胸のヘリオトロープ疹、爪の周囲の紅斑・紫斑、指のゴットロン徴候。

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糖尿病の方では、皮膚病変は高頻度に見られます。
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皮膚病変が生じた際、皆さんが一番に口にされるのは「肝臓・腎臓」ですが、意外とまれです。最近は、健康診断などで頻繁に血液検査を受けられるからでしょうね。皮膚に変化が生じてから肝臓・腎臓の病気に気付くということは、まずないようです。
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次回は、この爪の変化についてお話いたしましょう。


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# by kobayashi-skin-c | 2017-07-02 16:07 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
医師出張のお知らせ
【本 院】
小林 仁本院院長  2月13日(火)~23日(金)      
有田 賢本院副院長
大澤 倫子医師
冨田 幸希医師    
小林 依子医師             

【8・3プラザ分院】
小林衣子8・3プラザ院長 2月13日(火)~23日(金) 
大澤 倫子医師
冨田 幸希医師    
小林 依子医師

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# by kobayashi-skin-c | 2017-06-15 17:46 | お知らせ | Comments(0)