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2011年10月 錦秋をもとめて(芦別岳、支笏湖、風不死岳)
今年の秋は変?9月の大雪山で感じた「くすんだ紅葉」、そして新聞・テレビを賑わした熊の徘徊。そのため秋の散歩の定番、藻岩山も、円山も、手稲山も、登山道は閉鎖されてしまった。そんな中、錦秋を求めて芦別岳と、風不死岳に登った。

芦別岳山麓から。青い空、雪の峰々、そして山麓の紅葉が絶妙な色合いを見せる。
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芦別岳は登るにしたがい、雪は深く風は強く、半面山から山頂を望んだ後下山した。
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風不死岳は高さこそ1,100mであるが、支笏湖の湖面から800m以上の高さですっくと立ち、支笏カルデラの外輪山の一つとして美しい山容を見せる。外輪山の隣には、今も水蒸気を噴き上げる活火山の樽前山があり、樽前山と風不死岳を合わせて登ると、変化に富んだ山行を楽しむことができる。ただし、ちょっときつい。風不死岳の登りには、ロープ場も鎖場も待ち受ける。
風不死岳と支笏湖
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樽前山
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風不死岳山頂から、ブルーに輝く支笏湖の対岸に恵庭岳(右)、そして遠くには端麗な姿の羊蹄山。この日は、見渡す限りの晴天が広がり、遠くには大雪山、芦別・夕張岳、そして日高山脈の全貌、さらに増毛山群、函館方面には駒が岳まで見とおすことができた。感謝、感謝、の錦秋の一日であった。
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# by kobayashi-skin-c | 2011-10-26 18:10 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2011年9月 秋の始まり
今年も北海道には不似合いな残暑が遅くまで続き、紅葉は遅れていた。一方で大雪の初冠雪は例年よりも早く、9月22日にその便りが聞かれた。何か変。それでも秋を求めて大雪の山々に向かった。

大雪黒岳山頂から、烏帽子岳斜面に広がる紅葉の襞模様を望む。
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黒岳から石室、雲の平、お鉢へ。
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黒岳石室の近く、岩が連なる斜面で「ピキッ、ピキッ」と聞き慣れたナキウサギの声。でも今まで一度もその姿を見たことはなかったのだが、あまりに近い鳴き声だ。目の前にその姿を見つけた。
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愛山渓温泉から沼の平へ。あいにくの天気と、ぬかるみの山道だったが、沼の平の美しさときたら何度来ても飽きない。雲の合間に、雪をかぶった旭岳が垣間見えた。
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高原温泉から緑岳へ。緑岳は高さこそ2,000mそこそこだが、大雪の真ん中に位置する。北海道最高峰の旭岳、第三位の白雲岳がすぐそばにあり、トムラウシ、そして二ぺをはじめとする東大雪の山々、さらに北大雪の峰々も指呼の間に間にある。見渡す限りの山々、針葉樹の深い森、ひっそりと佇む森の中の湖が眼前に広がる。そして何より嬉しいのが、高原温泉。イオウ分を含む白濁した熱い湯が登山で疲れた身を癒してくれる。
 秋の紅葉は高原温泉をあまりに有名にしている。クマが出没するとはいえ、新秋のころ高原温泉からの沼めぐりには多くの人々が紅葉を求め来訪する。しかし、緑岳まで登る登山者はごくわずか。でも、今年の秋は少し変。
第二花園はチングルマの紅葉の絨毯。その向こうに緑岳の頂。
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紅葉の赤が今年は鈍い、綺麗なんですが・・・・・・・
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紅葉の頃なのに、ミヤマリンドウが黄葉と一緒にみごとに咲いていた。
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そして今年の大雪には動物が道端に姿を現す頻度が高いのでは。
次回はクマに・・・・・・。
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                             シマリス
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寂しさは その色としも なかりけり 槙立つ山の 秋の夕暮れ (寂蓮法師)

秋は夕暮れ 夕日のさして山の端いと近うなりたるに からすの寝所へ行くとて三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり まいて 雁などの連ねたるが いと小さく見ゆるはいとをかし 日入り果てて 風の音 虫の音など はた言ふべきにあらず(清少納言)

北海道の秋の夕暮れは、壮大な宇宙を感じさせる。
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# by kobayashi-skin-c | 2011-09-28 21:16 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2011年9月27日(火)教室『乾癬の最新情報、日本乾癬学会の話題から』
 第26回日本乾癬学会が9月9日・10日、大阪国際会議場で会長川田 暁(近畿大学)のもとで開催されました。今年のテーマは、「乾癬治療の新しいパラダイム」。
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 川田先生は、こう述べられました。「近年乾癬の病態が解明されると同時に、次々と新たな治療法が開発されてきました。現在三種類の生物学的製剤が日本において保険適応となり、使用されてきています。また紫外線療法においてもナローバンドUVB療法が急速に多くの施設で行われるようになりました。いままさに研究面でも、治療面でも考え方に大きな変換点(新しいパラダイム)を迎えています。今回の学会ではこの点について概要を把握するとともに、理解をより深め、日常の診療に生かしたいと思います。」

 会長の意図をくみ、学会の内容は、研究面において乾癬の起こり方(病態)の免疫学的研究の総括が、治療面では生物学的製剤の発表が相次ぎました。おもなプログラムを紹介しましょう。

特別講演
1.「乾癬の病態:免疫細胞の異常から表皮細胞への作用」 奥山隆平先生(信州大学)
2.「乾癬表皮における組織構築の変動と角化異常の再評価」飯塚 一先生(旭川医科大学)

シンポジウム
1.「乾癬の最新の光治療」ナローバンドUVB、エキシマーランプなど
2.国際シンポジウム 日本、ヨーロッパ、米国における生物学的製剤治療
3.「バイオロジクスを正しく使おう!」皮膚科、整形外科、内科

一般の発表は82題があり、うち52題は生物学的製剤に関連するものでした。生物学的製剤の使い方の点で、次の三つの項目の討議が多く聞かれました。

1.インフリキシマブの二次無効
インフリキシマブ(レミケード)を数回続けていると、効き目が急速に衰えてしまう例がある。とくにレミケード治療を一時的に中断したときに生じやすい。これはレミケードにマウスのたんぱく質が一部に含まれているため、ヒトの体の中では異物のたんぱく質として排除されてしまう機構が働く(中和抗体)ため。こうした例では、他の生物学的製剤に変更する必要があるが、二次無効を生じた例でもヒュミラ、ステラーラは有効である。
効果が衰えてしまったのか、副作用として乾癬の姿が変容しているのか、判断が難しい例もある。中和抗体の測定が有用であるが、検査費用が高価なことが問題である。

2.生物学的製剤によるパラドキシカル(矛盾)反応 paradoxical reaction
 リウマチ患者、クローン病患者で生物学的製剤治療中に、乾癬、掌蹠膿疱症が副作用として現れることがある。乾癬の治療薬でありながら、乾癬を引き起こすこの反応(副作用)をパラドキシカル反応と呼ぶ。今回の学会では、乾癬の治療中にも乾癬が変容する症例があることが報告された。乾癬が生じる病態が、TNFα、IL-12、IL-23などを介するTip-DC→Th17細胞→Stat3の活性化→角化細胞の増殖亢進→乾癬の発症という最近の学説のみではない複雑さを示すものである。

3.インフュージョン(点滴)反応 infusion reaction
 インフリキシマブ(レミケード)は点滴注射で行なわれる。この点滴中に、血圧が下がったり、気分が悪くなったりすることがある。レミケードは抗TNFαマウスモノクローナル抗体であり、マウス(ねずみ)のたんぱく質を注射薬に含んでいる。ヒトにとっては異物であるため、排除するための中和抗体が産生されることがあり、点滴中にレミケードと中和抗体が反応することにより、アナフィラキシー様の症状を引き起こす。
 予防のため、点滴前から抗アレルギー薬の内服、点滴中のステロイド混注が行なわれる。さらに中和抗体産生予防のため、メトトレキサート内服を続けておくことが望ましいとの意見もある。レミケードのリウマチ治療では、このメトトレキサート(リウマトレックス)治療が必須である。

印象に残った発表
1.アダリムマブ投与による乾癬皮疹軽快後に休薬または4週間隔投与へ減量した5症例の中長期経過(東京女子医大、聖母病院) 生物学的製剤も完治をもたらす治療薬ではありません。いったいこの高価な薬をいつまで続けなくてはならないのか、皆さん不安に思われていることでしょう。生物学的製剤がすでに以前から使われていた関節リウマチの患者さんでは、リウマチが軽快し、治療をやめてからも長くリウマチが再発しない方が報告されていました。乾癬でも、アダリムマブ(ヒュミラ)の休薬、減量が可能となった患者さんがあったとのことです。この点について、どうしたら止められるか、減らすことが可能か、さらなる研究が待たれます。
2.インフリキシマブ使用乾癬患者22例および切り替え5症例を含むウステキヌマブ使用患者10例の使用経験(JR札幌病院) JR札幌病院の主任医長である伊藤 圭先生が、学会の5番目に発表されました。全国的にも1,2の経験の多さです。小林皮膚科クリニックからも多くの患者さんが伊藤先生にお世話になっています。
3.皮膚科看護師の乾癬に対する認知度・意識調査(東京大学医学部附属病院看護部) 生物学的製剤の導入に伴い、以前のステロイド外用薬は光線療法を主体とした治療から、より効果のある治療を求めて皮膚科を受診する患者が増えるとともに、全国に乾癬患者の会が立ち上がり定期的な勉強会を開き、乾癬という疾患に対する認知度が高まってきている。病棟や外来で乾癬患者と接する機会多い看護師に対して、医師に遠慮して質問できないような内容について、患者から問われるケースが増えている。患者に対する十分な精神的支援を行なううえでも、皮膚科看護師が疾患、治療法(効果、副作用、通院頻度など)に加え、患者QoLの障害度に対する最低限度の知識を持っておくことが重要となる。
 東大病院の病棟、外来、連携するクリニックの看護師に対し、乾癬の認知度、意識調査をおこなった。認知度・意識ともにクリニックの看護師がもっとも高く、続いて東大外来、病棟看護師の順であった。病棟での仕事分担、多忙さ、各科のローテーションがスペシァリティを阻害しているものと思われた。医師との勉強会などを含めたコミュニケーションがより必要であると思われる、との結論でした。
4.尋常性乾癬患者である私自身の治療履歴と生物学的製剤の使用経験(筑波大学附属病院看護部、筑波大学) 20歳のとき頭から乾癬が発症し、3年後には全身に拡大し尋常性乾癬の診断を受けた。ステロイド軟膏、ボンアルファ軟膏、オキサロール軟膏の外用治療を続けたが徐々に悪化した。チガソン内服、PUVA療法でも改善なく、シクロスポリン内服で一時的にすべて乾癬が消失した。しかし、次第に効き目が悪くなり、血圧上昇、クレアチニン値が緩やかに上昇し始めた。昨年9月生物学的製剤の使用を決心し、アダリムマブ(ヒュミラ)の導入を開始した。開始当時PASIは11.6であったが、現在は0.8まで軽快している。
 乾癬があることにより、人との接触を主体に社会生活に大きな制限を感じながら、つねに「乾癬がなければ、乾癬がなければ」の思いが強く、乾癬があることで自分の人生のほとんどが振り回されてきた。しかし、ヒュミラでここまで改善し「人生が変わった」。こうして皆さんの前で自分の経験を話すことができるのも生物学的製剤のお蔭である。しかしながら、高額な治療費や今後の副作用の出現なども検討課題である、と発表されました。医療に携わる方からの貴重な発表で、大きな感動を参加者全員に与えました。多くの患者さんを集めた研究発表も大切ですが、個人の歴史・体験はより貴重であると考えさせられました。

生物学的製剤による副作用
ヒュミラ、レミケードによる肝機能障害
ヒュミラ注射部位に強い紅斑反応
レミケードにより掌蹠の皮疹が増悪
クローン病患者に生じたレミケードによる陰部乾癬
クローン病患者に生じたレミケードによる掌蹠膿疱症、乾癬、脱毛
レミケードによる多形紅斑型薬疹
レミケードによる扁平苔癬型薬疹
ヒュミラによる顔、足の紅斑型薬疹
ヒュミラで治療中に併用抗結核剤で薬疹
ヒュミラ治療中に1例の肺結核 治療前の検査で、X線検査、血液検査では問題なかったが、ツベルクリン反応が強陽性であったため、抗結核剤の併用を行ないながら、ヒュミラを開始した。しかし患者は医師の指示どおりに抗結核剤を内服していなかった。レミケード治療中に3例の間質性肺炎
レミケード治療中の2例に肺病変(咳とCT検査異常、胸の痛みとCT検査異常)
ヒュミラ治療中の1例に肺病変(血液検査異常≪クォンティフェロン、KL-6≫)
ステラーラ治療中に上気道感染症、好酸球性肺炎
レミケード治療により誘発された汎発性膿疱性乾癬

すでに昨年1月から使用可能となったレミケード、ヒュミラは、1,000名以上の乾癬患者さんに使われています。今のところ使用した患者さんすべてが調査対象となっており、その中の1名だけの結核ですので、危惧されたよりも少ない危険度と言ってよいと思います。しかしながら、はっきりと結核とは言えないものの、なにか変な肺病変が相次いでおり、今後もさらなる注意が必要と思われます。また生物学的製剤のガイドラインが変更になり、実施施設が今までの大病院から、一般クリニックまでと拡大されました。安易な使用に走るのではなく、ガイドラインの順守、未知の副作用への注意深い観察が求められます。

乾癬学会の終了後、今では恒例となった全国乾癬患者学習懇談会が、会長の川田先生のはからいにより、同じ学会会場内で開かれました。その内容については、日本乾癬患者連合会(http://derma.med.osaka-u.ac.jp/pso/JPA/)、大阪乾癬患者友の会(http://derma.med.osaka-u.ac.jp/pso/)に掲載されています。ご覧ください。会長の川田先生、そして群馬大学の安部先生のお話が集まられた100名以上の方たちに感銘を与えました。その後の全国から集まられた患者会のメンバー、相談医をされる先生方を交えた懇親会も、浪花の夜景を眺めながら素敵でした。この懇親会の中で、神奈川県には今年中に、そして岩手県にも近々乾癬患者会が発足する予定であることが報告されました。全国に仲間が増えています。
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# by kobayashi-skin-c | 2011-09-28 18:59 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)
2011年8月 天空の高みへ。穂高の夏。
8月のお盆休み、北アルプス穂高岳を目指した。三歩君の映画『岳』が家内を突き動かし「行ってみようか」と相成った次第。そこには北海道の山々では登ったことも、見たこともない岩山。感動の連続であり、かつ高所恐怖症の私にとって、緊張の連続でもありました。

まず、奥上高地の明神に宿泊。翌朝明神池の穂高神社にお祈りをしていざ穂高岳へ。
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横尾から梓川の清流の向こうに前穂高岳岩壁を望む。
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憧れの涸沢に到着。まだ0:30pm。涸沢ヒュッテでラーメンを食べて、穂高岳山荘を目指し、いよいよ佳境のザイテン・グラートにとりつく。1週間前には、お孫さんを連れた登山者がこのコースで落石・滑落で死亡している。
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奥穂高岳直下の穂高岳山荘は、お盆休みのこともあり超混雑。受付では「今日は、一畳二人です」とのこと。言葉では実感がわかなかったが、部屋に入ると、茫然とたたずむオヤジ二人。見ず知らずのお二人は、今晩一つ布団で寝なくてはならない破目に。我々の六畳部屋にスイス人カップル二人を含む10人が同宿。夜トイレにも行けなかった。
そして翌朝、晴天に恵まれ、天空の高みを堪能した。まず奥穂高岳へ、そして山荘に戻り、北穂高岳への縦走。素晴らしかった。
穂高岳山荘と奥穂、前穂山頂。
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岩壁に咲くイワギキョウ、そして絶壁の向こうに前穂。
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奥穂山頂から、ジャンダルムを望む。遭難者捜索の救難ヘリも飛び交う。
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奥穂から北穂への縦走路を涸沢岳山頂から望む。槍ヶ岳の山容も美しい。
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縦走路ですれちがい渋滞。
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無事、北穂高岳に登頂し、憧れの北穂山荘に宿泊する。生ビールに、入れたてのコーヒー、そしてモーツアルト。晩ご飯はジンジャーポーク。素晴らしい一夜であった。家内は軽く高山病。翌朝はなんとか朝日を見ることができたが、槍ヶ岳の眺望は霧に包まれ一瞬しか望むことができなかった。また来るぞ!北穂。
常念岳をシルエットに朝日を迎えた。
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流れる霧の向こうに槍ヶ岳。
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# by kobayashi-skin-c | 2011-08-24 19:33 | PHOTO & ESSAY | Comments(0)
2011年8月23日教室『乾癬の最新治療、生物学的製剤の実際の使い方、効果などについて』
バイオロジックス(biologics 生物学的製剤)は、
2010年1月にアダリムマブ(ヒュミラ)、インフリキシマブ(レミケード)が保険薬として認可され、乾癬治療の主役として躍り出ました。保険薬認可に際しては、新薬試験の迅速審査を求めて全国の乾癬患者会が署名活動を行い、厚生労働省の決定を早めたことは画期的なできごとでした。さらに2011年3月には、ウステキヌマブ(ステラーラ)が登場し、バイオロジックスがさらに使いやすいくなりました。

現在まで、
小林皮膚科クリニックでは、ヒ ュ ミ ラ:2名、レミケード:9名、ステラーラ:6名、エンブレル:2名の治療を行っています。いずれの方もバイオロジックス治療が必要と判断され、患者さんと熟慮を重ねて開始されました。開始に当たっては、小林皮膚科クリニックでは実施できないため、認定施設である北海道大学病院、市立札幌病院、JR札幌病院の皮膚科、またバイオロジックス治療に精通するリウマチ科の先生(佐川昭リウマチクリニック、クラーク病院)に治療を依頼しました。バイオロジックス治療が必要と判断された何人かの事例を紹介いたします。
ヒュミラ① 60代男性.膿疱性乾癬・関節炎。48歳の時に角層下膿疱症を発症。その後皮膚症状に加え発熱も生じるようになり、膿疱性乾癬と診断された。チガソン30-50㎎の内服で症状は抑えられたが、チガソンを減量すると皮膚症状の悪化がある。50歳代半ばからは全身の関節痛を伴うようになり、抗リウマチ治療(プレドニン、リウマトレックス)も加わったが、日常生活の不自由度は大きかった。
 2009年6月、ヒュミラを開始。関節症状は著明に改善し、日常生活は楽になったが、皮膚症状にチガソンはまだ欠かせない。

ヒュミラ② 40代女性。18歳で尋常性乾癬を発症。外用PUVA療法、ナローバンドUVB治療が効果をあらわしたが、通院の負担、また若い女性であるだけに精神的な苦痛が大きかった。
 2010年4月、ヒュミラ治療を開始。半年はあまり効果が見られなかったが、最近ではほとんど乾癬が消失し、ヒュミラも1ヶ月一回に減量している。

レミケード① 30代女性.16歳の時に尋常性乾癬を発症。20代半ばからは関節痛が強くなり、指の変形、足首関節の脱臼・運動制限が現れるようになり、日常生活が大変となった。とくに子供の育児に支障を来たすようになった。プレドニン、リウマトレックス治療も効くには効いていたが不十分であった。
 2008年9月、レミケードを開始。関節痛が著明に改善し、子供も小学生となり、精神的にも大きく楽になった。皮膚の症状は残存するがわずかだけとなった。

レミケード② 70代女性.膿疱性乾癬・関節炎。55歳で尋常性乾癬を発症。全身に広がりたいへん重症であったが、さらに62歳の時に膿疱性乾癬となった。その頃から関節の痛みが激しくなり、日常生活が著しく不自由になった。チガソンは有効であるが、減量が困難であった。
 2010年11月、レミケード開始。第1回目の点滴の翌日から関節痛は著明に改善し、「夢のようだ」との感想。

ステラーラ① 20代女性。膿疱性乾癬・関節炎。11歳の時に乾癬を発症。外用PUVA療法、入浴PUVA療法を主体の治療を続けていたが、20歳の頃から膿疱を生じるようになり、発熱もあり膿疱性乾癬と診断された。チガソンは継続が難しく、ネオーラルの効果もあまりみられなかった。
 2010年11月、レミケードを開始。しかし、5回の点滴で無効。2011年6月、ステラーラに変更して乾癬は著明に改善した。

ステラーラ② 40代男性。尋常性乾癬・関節炎。20歳の時に乾癬を発症。入院・外来にて外用PUVA療法、ナローバンド療法を主体の治療を続けていた。紫外線治療はよく効いていたが、農家のため定期的な通院が困難であり、関節炎も伴うようになった。
 2011年7月、ステラーラを開始。2回目の注射終了時、乾癬はほぼ消失した。

バイオロジックスはたいへん優れた薬剤です。しかしまだこの新しい治療に参加された患者さんはまだごくわずか。皆さんにこの新しい治療法を説明する時、かならず皆さんから受ける質問は、「治るんですか?」。
 残念ながらこの新しい治療法もまだ対症療法に過ぎません。「いったい、どれぐらい続けなくてはならないんですか、しかもそんな大金を払って」という壁にぶつかります。
 その費用は、薬剤費だけみても
ヒュミラで初年度¥576,000、2年目以降¥555,000。
レミケードは初年度¥963,000、2年目以降¥842,000。
ステラーラは初年度¥640,000、2年目以降¥512,000。
いずれも高額です。高額療養費負担をはじめ、税の医療控除などいくつかの減免措置はありますので、バイオロジックス治療をお考えの方は、かならず医師、また保険事務所などに詳細をおたずねください。

そして、新しい治療法であるだけに副作用のことも皆さま気がかりです。新しい概念の薬剤であるだけに未知の副作用もあり得ますが、一番懸念される免疫抑制作用のうち感染症について、中間調査報告ではわずか一人の結核が出ただけでした。このお一人も飲むべき抗結核薬を患者さんが服用していなかったことが原因でした。もちろん、私達も皆さまも、この新しい治療法を大切に育てるために、ガイドラインをきちんと順守すること、また未知の副作用をいちはやく察知することが大切であると思います。
# by kobayashi-skin-c | 2011-08-24 19:16 | 「皮膚の健康教室」抄録 | Comments(0)